《ひざまずけ、禮》第1章64話 噂されし都市伝説

あの激闘から1週間後のこと。

男子A「なぁ、あの都市伝説知ってるか?」

子A「知ってる知ってる。最近もこの辺で見かけたって話じゃない?気味悪いよねぇ。」

僕が自分のクラスへ行く途中、そんな話を聞いた。僕は瞬時に、紅き街のことかと思った。あれほど都市伝説になりうるものはないだろうと思ったからだ。

ただ、見知らぬ人に突っかかって詳細を聞く訳にも行かないし、とりあえずクラスに向かうことにした。佐和さんが來たら、ちょっと話しておくことにしよう。

・・・なんて、思ってたんだけど。

佐賀「お前も聞いたろ?あの都市伝説。薄気味悪ぃよなぁ?」

箕浦「時々見かけるらしいし、もはや都市伝説じゃなくて事実なんじゃないかなんて話も出てるらしいじゃねぇか。お前なんか知らないか?」

比影「いやぁ、僕はさっぱり・・・一なんのこと?」

席に著いた瞬間、2人からこの話を振られたのだ。比影、大ピンチの巻である。

もしこれが、本當に紅き街の話だったとしたら、この前のイザレアの話に関係してくるから、僕からは絶対に言えない。佐和さんだってそれは同じだ。

とりあえず、ここはぼかすしかない。向こうが質問してきたとしても、どうとでもとれる程度には、ぼかして答えるしかないだろう。・・・そもそも答える必要もないかもな。

佐賀「おいおい、前に俺の実験を聞いてくれただろうよ。その時の熱量はどうしたよ、えぇ?」

箕浦「オタクで都市伝説とか好きそうなお前なら、なんか知ってんじゃねぇかと思ったんだけどなぁ。」

比影「あ、あはは・・・期待に添えなくてごめんね。」

うーん、聞けば聞くほど紅き街のことにしか思えん。こりゃあやばいかもな・・・悟られないようにしないと。

そういえば、前に佐賀くんが験した紅き街の話を聞いたけど、あの時ガッツリ「僕らが知ってるところなら~」とか言って、僕ら知ってますよ出してたな・・・ありゃ不味かったか。

ある程度ぼかして聞いてたおかげで、僕が都市伝説オタクだと思われる程度で済んだけど・・・今回はしでも知ってることを話せば、間違いなく一発アウトだ。

佐賀「ちぇ、つまんねぇの。」

箕浦「なにか分かったら教えろよ。」

比影「は、はは・・・うん・・・」

とりあえず、何とかなりそうだ。今のでまたイジられそうだけど、バレるよかマシだろ。

・・・だが、注意すべきなのはここからだった。

佐和「おっはよー!」ガラッ

そう、佐和さんである。學級委員長の集まりで佐和さんはいつもより早めに出てくるとの事だったので、朝は別々に來たのだ。

んでもって、こいつら。

佐賀「おぉ、學級委員長サマよ。お前なら知ってんじゃねぇか?こいつは全然知らねぇみたいでよぉ。」

箕浦「流行に敏な學級委員長なら、知ってんだろ?あの都市伝説のこと。」

おもむろに聞きやがったのだ。流石に佐和さんならスっと避けてくれると思った・・・のだが。

佐和「都市伝説ぅ?・・・あぁ、あれのこと?」

比影「えちょ、佐和さん─」

まさかまさかの、避けずに真っ向からあたりに行った。僕は心、「あ、終わった」と思った。

そして、佐和さんの答えは。

佐和「気味悪いよねぇ、小人現象。」

比影「・・・はぇ?」

      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください