《ひざまずけ、禮》第1章68話 知らずに踏んだ激怒スイッチ

先生が言っていた路地裏だけど、わりかし簡単に範囲は絞り込めた。というのも、いくつか理由がある。

まず、この商店街は、よく小人現象の目撃報があり、大見かける場所も同じ辺りであったため。

若者だけでなく、八百屋のおっちゃんまでもが、小人現象について知っていた。中には、その現象に便乗して、小人○○と名付けたオリジナルグッズを販売しているところまであった。上手くやっているなと、素直に心した。

そして、もうひとつが・・・

佐和「あの、すみません。先週の土曜日、こんなじの人を見かけませんでした?」

八百屋「ん?・・・あぁ、來たよ來た。あんな姉ちゃん、忘れる方が難しいってもんよ。ボンキュッボンって言葉は、あの人のためにあるようなもんだと思ったなぁ・・・」

八百妻「あんたってやつは、全く・・・」

んで、隣の魚屋にも同じことを聞いてみた。

魚屋「どれ・・・あぁ、この人なら見たよ。べっぴんさんでなぁ、學校の先生と來たもんだ。生徒が羨ましいったらありゃしないぜ。」

比影「先生といっても、保健室の先生ですけどね。」

魚屋「つまり怪我とかしたら、あの先生に絆創膏とかって貰えるってことだろ?尚更羨ましいじゃねぇか。」

佐和「・・・エエソウデスネ」ゴゴゴ

魚屋「・・・なんでこの姉ちゃん怒ってんだ?」

比影「さぁ・・・?」

先生もこの商店街では、なかなかの有名人のようだ。まぁ、向けられている目線はなんとも言えないじだけど・・・それはさておき、その聞き込みで、場所はある程度絞ることができた。

・・・が、それからが大変だった。

比影「魚屋、八百屋、屋、それから古本屋・・・この4つが有力候補かぁ。」

佐和「どれも微妙に距離があるね・・・魚屋と八百屋は隣どおしだからまだしも、屋と古本屋は端と端じゃん。」

比影「やっぱり先生に聞いた方がいいと思うよ?ここまで絞れただけでも、奇跡だって。」

佐和「卻下。あくまで私たちの手で、正解を導き出したいの。」

比影「イz・・・レア様が言ってた、紅き街について知られちゃいけないってことが気になってるなら、今回は関係無さそうだし、大丈夫だって。それに、直接的に聞きたくないなら、どの順番でまわったかとか、そんなじで聞けば・・・」

佐和「そんなの考えてないわよ、あの人の力を借りること自が嫌なの。とりあえず中間付近の魚屋と八百屋は置いといて、屋と古本屋を見てみましょ。」

比影「なんでそこまで嫌いするかなぁ・・・普通にいい先生だと思うけど。」

ふと、そう言った。いや、言ってしまった、と言った方が正しいか。それが、佐和さんの逆鱗げきりんにれてしまった。

      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください