《2番目の村娘は竜の生贄(嫁)にされる》
私は夜會の前に、リオン王子に呼び出された。
久々のイケメン王子…、眼福がんぷくです!
「おい、娘…、クレイグとあまり上手くいってないと聞く。呪いのことは聞いたな?」
ちらっ、と側そばに控えてるクレイグを見ると、俯いてうつむいて眉を下げている。
「……は、はい…。東の領地で発癥者が出たとか…」
「そういうことだ!今年中に、クレイグと子作りするか、夜會で無理矢理にでも好きな相手を見つけるかだが…、俺も悪いと思っているので、お前を貰いける奴を手伝ってやろう!」
「えっ!?王子のご紹介ですか?」
と言うとリオン様は
「甘えるな!お前を競せりに出す!」
「「は!?」」
せ、競せり!?
おいいいい!何なんだそれ!?出荷された家畜かいっ!?
クレイグもポカンとしていたが
「お、王子殿下!!あんまりです!!競せりに出すなんて!!やはり彼を食料しょくりょうとして…」
「黙れ!クレイグ!!俺たちはともかく、大半の者は人間など、ただの下等生で、餌と捉えている!!お前の姪たちもそうだろうが!!
こいつを夜會に出すと言うことは、あまりにも危険。だから檻にれるしか、守る手立てはない!野放しにしていたら、今度は足でも齧られるぞ?」
「そ、それは…。しかし、競せりにかけるなど!嫁ではなく家畜同然ではないですか!ジュリエットさんがあまりにも不憫ふびんな…」
とクレイグが言う。そーだ!そーだ!
「競り落としたせりおとした奴にはもちろん最終決定で、最低限奴等やつらの覚では家畜との結婚権と子作り権を契約させる!呪いを解く為だ!」
げえええ!!そ、そんな!権利とかで私は知らない男に貰われるのか!?
「それが嫌なら…」
とリオン様はクレイグに鍵を渡した。
「これは?」
「その娘をれておく檻の鍵だ。お前に渡しておく。オークションが始まる前にお前が決めろ!嫁を競せりにかけるかどうかギリギリまで悩め!いいなっ!!?」
とリオン様は
「ではフィリスのところに行く!じゃあな!」
とバタンと部屋から出て行かれた。
「………ええ…」
「つまり、クレイグさん次第ということですね」
チラリとクレイグを見ると悩んでいた。
そりゃ…、たぶん私を買うような変わり者の貴族は子作りが終わると食料しょくりょうとして扱うだろう。いくらイケメンでも。
「………仕事に戻ります…」
と言い、夫は鍵をしまい出て行く。
殘された私は…
「オークションねー。因みに、いくらするのかしら?やはり貴重な人間だし金貨500枚かしら?高過ぎるたかすぎるって?ふふ!」
と値段を考えてみたが、もし凄い価値低かったらどの道死ぬとしても、なんかショックである。
もしかしたら私のことを、餌として見ない、いい男が頑張って買ってくれるかも知れないし!
とイケメンを想像して、私を救ってくれる人を思い浮かべるしかできなかった。
*
そして夜會の日…、私は侍長から白いウェディングドレスを著させられ、檻にれられた。
「貴方あなたもいろいろあったけど…、さっさとクレイグ侍従長をできなかったのも責任があるのですよ?例えとして魅力がなくても迫るべきだったのでしょう!呪いが発癥することも無かったのに…」
と嫌味を言われる。
「いや、私もそこそこ可い方ですよね?ここの竜族の達と比べたらですけど!人間からしたら私ハイレベルなんですよ!!?何せなんせ村1番ですしね!!」
と強がると侍長は
「ああ…、そうね…、そうだったかしら。私の若い頃と比べても、私の方が勝ってるけどね」
と完全に馬鹿にされてるし。
ふざけんな!この爬蟲類!!
「競せりの値段はいくらからスタートするのですか?」
「さあねぇ…、私は何なんとも言えないけど、あんた程度なら、銅貨5枚くらいからじゃないかい?」
低ひくうううううう!私の価値低ひくうううう!!
そんな!?そんなじなの!!?
「もっと上げてしいんですけど!!?せめて金貨まで!!」
「知らないよ!私が決めることじゃないんだよ!!まぁ…、短かったけど、あんたはよくやった方よ。フィリス様もあんたのことお気にりだったしね」
「フィリス様…そ、そうですね。グス!私に癒しをありがとうございますとお伝えください」
と私は檻の中で泣いた。
時間は刻々と過ぎて行くし、クレイグが來るくる気配もないな。これはもう終わった。
それからあっさりと時間は來て…私は會場に引きずり出された。
ザワッと檻の中を視線がギラリとる。皆みんな、私が登場すると、目付きが爬蟲類となった。やはり。私は家畜で食料しょくりょうとしか見られてない!!うわあああ!現実と妄想は違うなぁ!
しかも何なんか1番前にいるハゲが檻に近寄りはぁはぁと目をギラつかせている!
「どんなことをしても、ワシが競り落としてやるからね!!」
とヨダレを垂らしながら言ったのでゾッとした。こいつに買われる!?イケメンはどうした!!?せめてイケメンに買われたい!!
しかしイケメン達は婚約者らしきと踴っていたり談笑したりしていた。
王子いいいい!!!
とうとう競せりが始まろうとしていて一旦私は下げられた。
そしてれ聞こえる聲がした。
「では!人間の花嫁の価格は…小銅貨しょうどうか50枚からだ!」
低いっ!!おいいいい!!よりによって小銅貨しょうどうかから!?せめてもの大銅貨だいどうかからやろ!!食料しょくりょうにしてもリンゴ3箱分くらいの値が付けられた。
そこでハゲの聲がして
「銀貨10枚!!」
と吊り上がる。
そこでザワリとした。
いや、ザワリじゃねーーーよ!!!
どうせなら金貨でザワリしてほしー!!
しかも弱々しいくらい
「銀貨11枚」
と聲が上がる。おいいいいい!!
「銀貨15枚!!」
とハゲがまた聲を振り出した。
シーンとしている。出せええええ!!
このままではハゲに買われる!!
もうこうなったら呪いとか知らん!舌噛んで死んでやるっ!竜族なんて絶滅しろ!
リオン様やフィリス様には申し訳ないけど!!クレイグだって助けに來ないし!あいつも同罪やあ!!
しかし、そこで、カチャリと鍵の開く音がしてクレイグが息を切らせていた。
私が泣いていたのでハンカチを出した。
「ハッ!ハアッ!すみません!遅くなり!來賓の方々の案をしておりました!!」
て!仕事しとったんかいいいい!!
「うぐっ!!わ、私、ハゲに買われる所なのに!!」
「ハゲ?ええと…、ああ、メイウッド公爵様かなぁ!?でも間に合って良かった!!行きましょう?」
「いいの!私で、クレイグさんは?」
「…ジュリエットさんが嫌なら、ここに殘しますよ?」
「いやハゲより貴方あなたの方が遙かにマシだわ」
「ひ、酷い言いようですね…」
と焦っているが、クスリと笑っているのでスネを蹴った。
「痛っ!!」
「ふん!!遅かった罰だわ!!」
「うう…すみません…」
し赤い顔して、彼は私に手を差し出して
「では行きましょう!」
と言う。初めて手を繋いだかも。
と結局私は夜會を抜け出し、夫がまた私を抱えて空を飛んだ。星空をグングン進んでいる途中でクレイグが
「ジュリエットさん…、私…、本當はとても悩みました。このまま助けたすけないことも。だって金持ちのイケメンを所でしたし。私はイケメンでも金持ちでもないし」
「いや、だからハゲに競り落とされる所だったしそっちのがやだって言ってるでしょ?」
「そうですけど…、お金はあるじゃないですか。いい暮らしがしたかったでしょう?」
「暮らせるか!!最終的に食われるんだから!!」
「まぁ…、そうですけど…。束の間でも」
そんなちょっとの贅沢など意味ないわ!!
「私…、ジュリエットさんのこと…、まだあまり対象に見れないんですが……」
「それは私もだわ…どうしよう?」
呪いが進行して、また発癥者が増えると、王子に怒られるしなぁ。
うーんと考えて
「と、とりあえず…、キスくらいはしてみたらいいんじゃない?」
と私は提案してみた。
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