サシスの町に著いたソフィは、まず町の大きさと人の多さに驚いた。

「これは、凄いな。グランの何倍あるか分からぬではないか。」

『サシスはミールガルド大陸でも、指折りの大都市だからな。』

ディラックはそういって歩き始めたので、ソフィたちもついていく。

「………まずはギルドにいって、それから宿を取りに行くのか？」

『ああ、そうなるだろうが、今サシスのギルドには、

多くの町から集められた冒険者がいることだろう。

お主たちなら大丈夫だとは思うが、

あまり目立つような真似をしないでくれよ。』

ディラックは確認といったじで口に出した。

「うむ、了解した。

別に我はどうでも言い事には、興味がないのでな。」

ディラックはこの中で一番ソフィが、

トラブルに巻き込まれそうだと口に出そうか迷ったが、

俯き被りを振った後に、笑みを浮かべて歩き始めたのだった。

サシスの町のギルドにると、まずその窓口の數に驚いた。

グランのギルドでは二つしか窓口がなかったが、

ここサシスの町は窓口に數字が設けられており、

一番近くの窓口には十二番窓口と書かれていた。

「こんなにも窓口があるのか？」

しかしどの窓口にも列ができており、人の數に驚かされた。

『確かに今はギルド対抗戦があるせいで、いつもより人は多いが、

普段でもこのギルドは多いぞ。』

どうやらこの町は何から何までも、グランとは比較してはいけないようだ。

ディラックが窓口の橫に立っていた、ギルド職員に二、三言話しかけると、

すぐに職員は頭を下げて、奧へと急いでっていった。

そしてすぐにギルドの職員が出てきて、中へとディラックを案し始めた。

『すぐに戻るから、ギルドの中を見學していてくれ。』

ディラックはソフィたちにそう言い殘して、ギルドの奧へと消えていった。

『ギルドマスターが出てくるまで、ギルド掲示板でも覗いてみようか。』

ソフィたちはニーアの言葉に頷き、掲示板に近づいていく。

「これはまた、大きい掲示だな。」

ギルド掲示板はコチラと書かれた案板があり、

その奧へと進むと端から端まで、

十メートルはあろうかという長さの掲示版があり、

びっしりとクエストが書かれた紙がられていた。

『各ランク順に分かりやすく整理されて、られているわね。』

通常のギルド掲示板は、ランク等気にせずに無作為にられているので、

サシスのギルド掲示板は、とても親切設計だと言ってよかった。

「ふむ、我としてはもうしでDクラスに昇格できるし、

簡単なクエストがあればけておきたい。」

『ソフィ君、今回の指名依頼の達で昇格は間違いないから、

今すぐにける必要はないよ。』

そういえば指名依頼でも、ポイントが貰えるとディラックも言っていた。

「うむ、そうだったな。』

ソフィがEランクでけたクエストは、

主に効率よくポイントがもらえるクエストばかりで、

その多くはリーネが選んでくれたものであった。

そのおかげもあり、元々勲章ランクEから始まったソフィは、

僅か一ヵ月程でDランクに手が屆くというところであった。

一般的にランクDはギルドに所屬して早くて一年、

そうでなければ二年ほどかかるもので、

一か月という數値は、まさしく異例というほかなかった。

ソフィは報酬に何を貰おうかと考え始めた時、

ちょうどディラックが、ギルドの奧の部屋から出てくるのだった。