《転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)》廻のの外へ 24

豚が蟲を押しつけてきて恐怖してたら、押しつけられてた私……というか魔王だと思う小さな手が振り抜かれた。それは本當に小さな赤ちゃんのような手だった。まあ、人間と違って爪は鋭利で、は黒いし、なんか皮そうで小さな手なのに、あんまりらかそうではない。

そんな小さな手は全然大きな蟲を砕して、その先にいた豚のメイドまでも砕した。

(ええええええええええええええええええええええ!?)

ちょっと何が起こったのかわからない。てかここはどこ? なんか肋骨の様な骨が見える。まさかとは思うけど、この私……というか多分魔王と思われる小さな存在は肋骨の様な先進的なデザインをしたゆりかごの中にでも居るのかな?

ずいぶん高い天井が見えて、垂れ下がってるシャンデリアは綺麗と言うよりも禍々しいデザインをしてる。そんな事を思ってると、がははははは! とかいう豪快な笑い聲が聞こえてきた。

「素晴らしい。あふれ出るエネルギーが見えるぞ」

ズンズンという震と共に、ヌオッと兇悪な顔が現れた。まさに人類の敵、バリボリと人を丸食いしそうな風貌な化けがそこにいた。山の様に大きく、おかしな圧力がビリビリとじる。本能が理解する。

(ああ、これが前の魔王か……)

そう自然と思った。重いというか確信何だけどね。まあ実際その世代に魔王が二人居てもおかしくはないと思う。でも、なんとなく私の中では魔王は今居る奴だけなのだ。

「くくく、さて貴様は生きて長する事が出來るか? 魔王試練の開始だ」

(魔王……試練……)

なんて殘念な名稱だ――とか思ったが、先代魔王はいたって真面目だ。そして指をバチンとならす。はっきり言ってそれだけで耳が破れそうな音がした。合図じゃなくあんなんもう攻撃じゃん。鼓破壊しにきてるよ。そう思ってると、青い炎が現れて、兇悪そうな犬が現れた。

多分ケルベロスとかいうのだと思う。だって頭三つあるし。そしてよだれだらだらと垂らしてる。第一印象は「きったねー犬」ってじだ。そんなきったねー犬……もといケルベロスは先代魔王の言葉をけてこっちに駆けてくる。そのあまりの早さに気付いた時には目の前が真っ暗になってた。

(うわっこれ死んだわ)

とか思った。けどその瞬間「あぎゃっぎゃぎゃ」とかいう汚い笑い聲が聞こえたと思ったら、いきなりシャンデリアの禍々しいが目にって眩しくなった。

(え?)

何が起こったからわからない。わからないが、ケルベロスは反応が早かった。もしかしたら想定してたのかもしれない。汚い犬なんていったけど、私よりも賢そうである。今度はサイド二つの首がこっちに向かってくる。ここでようやく、中央の首がもげてるのに気付いた。一何やったの?

「あゃぎあーあぎゃあー!!」

そんな悲鳴……じゃなく、嬉しそうな喜びの聲が聞こえる。サイドからはこっちを丸呑みに出來るけど、わざわざその兇悪な牙で骨までかみ砕こうとしてそうな犬の顔が迫ってきてるとは思えない様な聲だ。そして実際、魔王に取ってはこんなこと遊びのようだった。次の瞬間、ケルベロスの殘りの頭も吹き飛んだんだ。そして大きな音を立てて崩れ落ちた。

(ちょっ!? えええ?)

私は驚いてるが、先代魔王はどっしり抱えたままだ。そして再び青い炎を使って別の魔を呼び出した。そしてそれを何回か繰り返すとようやく私も慣れてきた。そして一つ思う。

(こいつ、今より強いじゃない?)

積み上がる無數のの中央で無邪気に笑う小さな魔王に私はそう思った。

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