「ぐふっ……見事だ」

そう言ってを吐くのは山の様に大きな化け……いや先代魔王だ。なんか場面か変わったと思ったら、いつの間にか先代魔王がを吐いてた。うん、何が起こったのか……多分この魔王君……あれ？　なんかちょっと前よりも大きくなってるね。視線が前よりも高い。

もう児ってじじゃなくなってるんじゃなかろうか？　多分年……いや青年位ある？　とりあえず結構長してるとじる。あの様子なら、豬突猛進に先代魔王に突っ込んでいきそうな気がしてたんだけど、どうやらそこまでバカではなかったようだ。

まああれだよね。きっと野生の勘がまだ無理だった訴えたんじゃないのかな？　生きって基本、生きることにば敏じゃん。それが野生児ともなるとなおさらだろう。そんな事を思ってると先代魔王がこういった。

「百戦目か……やはり貴様はより濃く魔王の力を継いでるようだ」

百戦目？　こいつら、そんなにやり合ってたの？　てか最初の一戦目の時にこいつを殺さなかったから先代魔王は今、を吐くことになってるんじゃないの？　アホなの？　死ぬの？　まさに死にそうだけどさ。すると更に衝撃が私の頭をぶったたいた。

「チカラ？　マオウ、ソンナコトハドウデモイイ、オレハオマエヲコロス！！」

なんと魔王が喋ってる。いや、私がしってる魔王は普通に喋ってる。けど、今この子供時代の魔王って野生児じゃん。その野生児が言葉なんて高度なをるなんて信じられなくて……ね。めっちゃ聞き取りづらいし、片言だが、でもちゃんと言葉にはなってる。

どうやって覚えたのか……先代魔王と戦ってる中で言葉を吸収していったのだろうか？　凄い奴だ。魔王は更に畳みかけるために先代魔王に仕掛けていく。魔王と先代魔王の大きさは全然違う。全然違うが、どうやら力は拮抗してるらしい。

魔王なんてプチって潰せそうな先代魔王の拳に、アリンコみたいな魔王の拳がぶち當たると、何やら魔方陣みたいなのが現れてバチバチといってる。そして二人して目にも見えない拳の打ち合いが続く。すると次第に拳に魔方陣が追いつかなくなってきたというか、どんどんと消えてた筈の魔方陣が重ねって行き、視界いっぱいに魔方陣が埋め盡くされる。

「カハー、クラエ！！」

どうやらそれは魔王の策略だったらしい。そしてその全ての魔方陣を崩壊させて魔王の右手が禍々しく輝く。そしてぶつかり合った先代魔王の拳を吹き飛ばして、そのままその腕を吹き飛ばした。

「ぬぐうううがああああああああああああ！！　まだ！　まだぬるいわ！！」

流石は奴も魔王をなるだけはある。腕の一本が消えたところで揺なんて見せはしないのだ。先代魔王は口からでかい線を放つ。すると向かってくるに向かって魔王は信じられない事をした。

「ガア！！」

という咆哮一つでその線をかき消してみせた。そしてそのとき、私は悟ったよ。ああ……強くなったんだね。今目の前にいる、散々魔王に魔をけしかけてきたこいつよりも遂に、強くなったんだと……そう思い知った。