《転生したらロボットの中だった(ただし、出る事はできません)》廻のの外へ 36

『お帰りなさい』

「ただいま……」

AIが挨拶してきた。こんなこと初めてじゃないだろうか? 一どういう気持ちで……ってAIに気持ちなんてないか。あるのは計算という打算のみ。AIのやることには意味がある。だからこの挨拶にだって意味はちゃんとあるはずだ。

だって今までだって私は魔王の過去や勇者の過去へと言って戻ってきてる。そのときにAIが『ただいま』っていったか……というと言ってない。そう言ってないのだ。けど今回は『ただいま』といってくれた。その違いは一……

「いたた……」

考えると頭痛が……過去視の中で転がった影響がリアルにも出てる。

「何考えてたっけ?」

頭痛のせいで大切な事が埋もれた気がする。AIが何たらだったような? いやそれよりもそうだ!

「ちょっと、なんか過去を更に過去に戻そうとしたら邪魔されたんだけど!? くっそ魔王め! 相當恥ずかしいことをあれ、隠してるよ!」

私はそうAIに伝える。だって普通あそこまでする!? 絶対にかなり恥ずかしい事があるはずだ。

『それをどうしてもみたいと?』

「そうね」

『人には見られたくないこともあると思いませんか?』

「けしかけたのってそっちじゃん」

私に出來ると教えたのはAIである。そのAIが今更止めとけば――とかいってもね。まあ言わんとしてる事はわかる。そもそも私たちってまだ知り合ったばかりだ。こういう面に踏み込む事ってもっと深く関係を築いてからとかのほうがきっといいんだろう。

でもどうせ、魔王にはわからないし……

『今、魔王が過去視の中で止めたと言いませんでか?』

「確かに……でも魔王は無意識かもしれないよ? あまりの黒歴史に自然と反応してるだけかも……』

『生まれる前から黒歴史を生できるとは凄いですね』

「魔王って存在が黒歴史じゃん」

もしも自分が魔王という存在になってたら……なってたらどうなんだろう。実際この魔王にはなりたいと思わない。だって生まれた時からハードモードだよ? 野生児路線一直線だよ? それならまだ、現狀のほうがいいよね。

G-01の中は案外快適だ。寒くも暑くもないしね。いつも半浴してるじだし、それなりに気にってる。けど不安もある。だってまだ生理現象とかきてないからわからないし、食事だって……そういえば腹減らないな私? 私、人の形をしてるけど、変な存在らしいからね……でも食事出來ないってなると寂しいと思う。まだわからないけど。

そういえば魔王はまっずそうな生を昔は頬張ってたんだよね。あれはイヤだね。

「それで、どうしたらいいかな?」

とりあえずそれを聞くことにした。だって思いつく事はやったんだよ? 私は私に出來る努力をしたのだ。だからご褒ちょうだい。

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