《魔王様は學校にいきたい!》真祖回帰
「仕方なイ……真の恐怖ヲ見せテヤる……」
黒い霧をかき分けて、ブラムはゆっくりと姿を現す。
「なっ、あの姿は一なんですの!?」
ギラリとる真っ赤な目。
白く不気味に染まった髪。
青白く変したは、表面をドス黒い管に覆われている。
別人のようなブラムの姿が、そこにはあった。
「そんな、腕が再生しています!」
「凄まじい魔力です! シャルロット様、リヴィ、私の後ろへ!」
「ヒヒヒッ……コレぞ吸鬼ノ最終奧義、“真祖回帰”ダ……」
「真祖回帰?」
「吸鬼の真祖様ニ祈リを捧げるコトで、原初ノ能力を呼ビ覚ますこトガ出來るのダ! 傷は全て癒エ、力と魔力ハ発的に増大スる!」
小刻みに震える。片言の話し方。
ブラムの様子は、明らかに尋常ではない。
「これデお前達に勝ち目はなクなっタ!」
霧へと変化したブラムは、ヌルリと闇に紛れ込む。
次の瞬間、ナターシャの目の前に実となって現れる。
「ハアァ……くらエ、魔爪!!」
今までと比べて數倍の速度、數倍の長さで繰り出される魔爪。
とっさに防するナターシャ。しかし、大きく勢を崩される。
「くぅっ、強い!」
「ヒヒヒッ、隙だらケだゾ!」
両手を使い、魔爪の連撃を放つブラム。
ナターシャは必死に応戦するが、のあちこちを切り裂かれてしまう。
「あうぅっ」
「ヒヒヒィッ!」
再びを霧へと変化させるブラム。
闇に紛れて、今度はオリヴィアの背後に迫る。
一早く気づいたシャルロットは、とっさに魔法を放つ。
「炎よ!」
「小癪な!」
放たれた炎魔法は、あっけなく火のとなって消えていく。
真祖回帰によって強化されたブラムは、炎魔法を素手で振り払ってしまったのだ。
「すみません、油斷しました!」
「想定以上の力です、このままでは……痛ぅ……」
「サーシャ、酷い怪我……すぐに治癒魔法をかけます!」
「私は大丈夫! リヴィは敵から目を逸らさないで!!」
「でも! サーシャをこのまま放っておくことは出來ません!」
ブラムの猛攻をけ、オリヴィアとナターシャは混狀態だ。
そんな中、一人冷靜なシャルロット。
「二人とも落ちついて! 特訓を思い出すのよ!」
シャルロットの言葉で、「はっ」とするオリヴィアとナターシャ。
「この程度の吸鬼、大したことないわ! ウルリカはもっと強かったでしょう!!」
「「はい!」」
「まだ勝機はありますわ! いきますわよ!!」
落ちついて気合いをれ直す三人。陣形を整えてブラムと対峙する。
対するブラムは、真祖回帰によってさらに魔力を上昇させていく。
「ヒヒヒッ……そロそろ遊びの時間は終わリダ!」
闇夜に紛れて繰り出される、魔爪による激しい連撃。
ナターシャの防をくぐり抜けて、三人のを徐々に切り裂いていく。
「シはやるかト思ったが……所詮はコの程度カ、ザコ共メ!」
オリヴィアの治癒魔法も、シャルロットの炎魔法も、素早いきでかわされてしまう。
徐々に追い詰められていく三人。そのに、痛々しい切り傷が増えていく。
「力も覚悟もナイ小娘共め、なブり殺しニシてヤろう!!」
「きゃあぁっ!?」
激しい戦いの最中、ナターシャの悲鳴が響き渡る。
魔爪によって、太ももを串刺しにされたのだ。
倒れ込むナターシャへ、ブラムの魔爪が迫る。
「まズは一匹だ!!」
「させません!」
ナターシャをかばい、オリヴィアはブラムへと立ち向う。
しかし、戦いの傷に加えて魔法の連続使用により、オリヴィアもフラフラの狀態だ。
「ヒヒヒッ! まとメて殺シてやル!!」
「そうはいきませんわ!」
今度はシャルロットが、オリヴィアとナターシャの前に立つ。
「「シャルロット様!?」」
「二人はワタクシが守りますわ!!」
「ヒヒィッ! 愚かナ小娘ダァ!」
ブラムに向かって杖を構えるシャルロット。
その瞳に恐怖のはない、強い意志が宿っている。
しかし、ブラムはすでにシャルロットの目の前だ。
シャルロットの顔面へ目掛けて、ブラムの魔爪が突き出され。
そして──。
「そこまでじゃ!」
目を見開くシャルロット。
その瞳に、頼れる小さな背中が映る。
そこには、學生服にを包んだ、魔王様の姿があった。
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