《天使転生?~でも転生場所は魔界だったから、授けられた強靭なと便利スキル『創魔法』でシメて住み心地よくしてやります!~》第21話 突然の領主就任
「みんなにご相談です!!」
リーヴァントが突然大聲で話し出した。
「アルトラ様にこの村の領主になっていただくというのはどうでしょうか?」
なぬ!?
私!?
突然領主に祀り上げられてしまった!
「ちょ、待っ……私は領主なんて……」
「おお~それは良い考えだ!」
「アルトラ様に領主になってもらえば何も心配無い! 何せ我々が頭良くなったのはアルトラ様のお蔭だ!」
「アルトラ様ステキです!」
「「「アルトラ様! アルトラ様! アルトラ様! アルトラ様!」」」
私の聲は村一丸となった聲にかき消されてしまった。
今まで係長くらいしかやったことないのに、突然の領主!? そんな重い仕事やれる自信などまるで無い。
それに、そんな重要なこと軽々に決めて良いんだろうか? 私は部外者も部外者、しかもついこの間まであなたたちの捕食の対象だった生よ?
この村があまりに極貧に見えたからちょっと手助けしてやって、「あとは村人自でリーダーを決めて、勝手に進歩していってくれ」、「私はその進歩していく様を外から傍観させてもらうよ」とでも思っていたくらいで……
まさか村の多くの者が、よそ者の私が領主になるのを賛する構図になるとは……
ひとしきり騒いだ後、その聲が止み、この場の全員の目が私に集まる。
シンとする靜けさ。今しがた大聲だしてたとは思えない。
「………………」
でもまあ、ここで快適に暮らすと決めた以上、他の部分も快適でなければならないわけで、領主になって考えを通しやすくなるなら、それもありなのかもしれない。
「………………わかりました、領主を拝命します」
「「「おおぉ~~~」」」
「「「領主様! 領主様! 領主様! 領主様!」」」
この集落の人たち、盛り上がるの好きだな。
知を上げる前はあまり覇気のある生活ではなかったように思うけど……
「さて、私は目的を果たしたので、今日はこれで帰ります」
「もうお帰りになるのですか? よろしければ食事でもいかがですか?」
リーヴァントに呼び止められる。
う~ん……まだまだ未発展だしなぁ……偏見かもしれないけど、食事はきっと味しくない。
それでも好意を向けてくれてるし……領主になったばかりだし、無下に斷るのも悪いか。
「じゃあ、お言葉に甘えていただきます。それよりも……リーヴァント、あなたそんな見た目だったっけ?」
「知が上がったことによって、恥をというが芽生えたのでだしなみを整えることを覚えました。何と言ってもリーダーに任命されましたので!」
ドヤ顔で話す。
最初に遭った時は恐いとしかじなかったけど……スマートになってイケメン……まではいかないけどそれでもハンサムガイになった。
まだ建築中の公會堂のような広間に通された。
振舞われた食事は、予想した通りガルムのでした。
まあ、そうでしょうね、私まだ食に関して何にもしてないしね。今日はただ水持って來ただけだし。
あ、でもちゃんと塩味効いてて味しい。こっちはさっき干してあった干しかな? この土地かなり乾燥してるし、干しを作るには最適な環境ね。
何か食べたことないもある。
「このは? この辺りでは食べたことないみたいだけど……」
「それはこの壁の外にいる、狼より強い魔のです。狼の倍ほどの大きさで、特徴的な鼻をしている生です。元々ここから大分離れたところに生息しておりましたが、最近熱さが和らいだので、この辺りにも流してくるようになりました」
鼻の特徴があるってことは、豚に似た生かな?
もし豚がいるなら養豚出來るかも?
「以前は単で挑んでたので簡単には勝てなかったのですが、アルトラ様に覚醒させてもらってからは連攜するという戦法を編み出したので、難なく狩ることができるようになりました」
ここに來て知引き上げたのがすぐに役立ったわけか。
我ながら凄い力だな、知上昇の強化魔法。
「ばかりだから野菜と主食がしいわね」
「それは……この辺りにはありませんので、どうかご勘弁を……」
「あ、責めてるわけじゃないの、ごめんね」
「でも、この塩味味しい。よく塩なんて手にったね」
「ハイ!! それは我々が頑張って作りました!!」
「サントスです!」
「ニートスです!!」
「そして私がイチトスです!!!」
満を持したように登場のトロル三兄弟。
多分『イチトス』が長男なんだろうな。
何と言うか……『サントス』ありきの名前な気がする……『イチトス』とか『ニートス』とか人間界で聞いたことないし。
他の人たちと比べると筋質だ。4日前はまだあんなに栄養失調気味だったのに、トロルの生態って凄いな。
「作ったってどうやって?」
ハッ!
何か嫌な予……
「ハイ!! 一生懸命汗を流しました!」
「掘っては汗を流し! 砕いては汗を流し、そして塩が完しました!」
「ってことは……この塩味……トロルの汗……か?……」
うわぁっ……聞かない方が良かった……
私の顔がよほどしかめっ面に見えたのか、すかさずリーヴァントがフォローをれてくれる。
「何か勘違いされているようですが、巖塩を砕いたものですよ!」
「巖塩? この世界にも巖塩があるの?」
ホッ……完全にトロルの汗と勘違いした……
ていうか、三兄弟、言葉が全然足りてないよ!
「し遠出になりますが、塩の採れる場所があるのです。知が低い頃には、ただ白い巖が多い場所としか思っておりませんでしたが、知を得てからは食事に使えるかなと。知を引き上げてもらった恩がありますので、次にアルトラ様がいらっしゃる時までに採りに行ってこようと思った次第です!」
「あ、ありがと……」
塩の製造が出來るなんて朗報ね!
今まではほとんど味のしないを食べてたから。
「さて、外も暗くなってきたしこの辺りでお暇いとまさせてもらうね」
「もうお帰りですか?」
「うん、ご飯ごちそうさま、味しかったよ」
「私はケルベロスがいる地獄の門広場に家を建てて住んでいますので、何かあれば呼びに來てください」
こう言っておけば、何か不都合があった時に連絡してくれるだろう。
まあ、ここからだと我が家まで歩いて何時間もかかかる道のりだけど……
「あ、最後に言っておかないといけないことがあります」
「何でしょうか?」
「今後は人間を食べることをじます。地獄に送られるような人間なので、恐らく重罪人なのでしょうが、迷っているのを見つけたら食べずに地獄の門へ送ってあげてください。ここに來てすぐの人間はみんな虛うつろなので、多分抵抗されることも無いと思います。また、今後人間を食べた者には罰を與えます。集落のみんなに伝達しておいてください」
「わかりました」
これで私の溜飲が下がる。元々私が人間だった所為か、弱強食とは言え、彼らが人間を食べるという部分にはモヤモヤしていた。これでこの人たちに人間 (の亡者)が食べられることはなくなると思う。
さて、この村に必要だった水も確保出來たことだし、今後は彼らの生命が脅かされる可能はぐっと減るったと思う。
ここで生活する以上、彼らの生命を守ることに盡力しよう。
しかし、私はこの時にまだ気付いていなかった……
この後あんなことが起こることになるとは……
突然の領主に任命されたアルトラ。
ここから彼による村改造計畫がスタートします。
次回は8月12日の20時頃の投稿を予定しています。
第22話【トロル集落水沒】
【電子書籍化へ動き中】辺境の魔城に嫁いだ虐げられ令嬢が、冷徹と噂の暗黒騎士に溺愛されて幸せになるまで。
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