《乙ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?》17話 エドワード殿下の來訪【イザベラ十一歳】
カインがレッドバース子爵家の養子になって半年ほどが経過した。
彼は貴族としての教育をけるのに大忙しらしい。
ごくたまにしか會えないが、會うたびに貴族らしくなっている。
また、それ以上に魔力量やその扱い方も向上している。
強化の魔法においては、既に私より上かもしれない。
ま、それはそれとして……。
「私も十一歳かぁ……」
私はそんなことを呟いた。
あと二年で十三歳になる。
乙ゲームの舞臺である王立學園に學する年齢だ。
本來であれば、私はエドワード殿下の婚約者として學園で一目置かれる存在になるはずである。
『ドララ』においては、九歳でエドワード殿下の婚約者となった。
しかし、この時間軸では婚約していない。
私の意向を汲んで、お父様がノラリクラリと躱してくれているのだ。
「う~ん……。このまま婚約しないで済むかしら?」
私はベッドの上でゴロゴロしながら考える。
明確に婚約を斷れば、不敬だとして王家から何らかの報復があるかもしれないのだ。
エドワード殿下にはアリシアというヒロインがいるのだから、そう婚約を焦らないでしいのだけれど。
「……あれ? この魔力反応は……」
屋敷に誰か來たようだ。
魔力の波長からして、アディントン侯爵家やその関係者ではない。
私が七歳児に戻ってから、もう四年が経過している。
魔力の知能力もかなり鍛えた。
普段から接している人達の魔力ならば、すぐに分かる。
「……まさか、エドワード殿下が來ちゃったとかじゃないよね? あの人、最近は特にグイグイ來るのよね」
エドワード殿下は、定期的にアディントン侯爵家に顔を出している。
名目はポーション生産やその原材料の栽培合の視察だが、実際の目的は私だろう。
自分で言うのも何だが、彼は私にずいぶんとご執心だ。
い焦がれるというようなではなく、『面白い』という扱いのようだが。
「やれやれ。この魔力は……たぶんエドワード殿下だよねえ……」
彼とは定期的に會っているため、その魔力の波長を全く知らないというわけではない。
じっくりと観察すれば、どこかしら馴染み深い部分をじ取れる。
「あー……。どうしようかなー」
私は迷っていた。
彼がここに來る理由はただ一つ。
私のことだ。
正直に言えば、私は彼のことが苦手だった。
人格は別に嫌いなわけでもないし、むしろ好意的な部類にると思う。
だが、どうしても予知夢で見た彼の姿や行いが脳裏にチラついてしまうのだ。
彼に貫かれたの痛みは、つい昨日のことのように思い出せる。
「……ううん! いつまでも引きずってはいられないわ!」
私は自分の頬をパチンと叩いて気合をれる。
今のところ、予知夢で見たバッドエンドの回避に向けてなかなか順調に進んでいる。
(フレッドはずいぶんといい子に育ったしねえ)
予知夢において、私を毒剣で攻撃したフレッド。
今の彼は、私に懐いている。
かなりのシスコンだと言っていい。
彼の母親であるカティさんの魔乏病を私が治療したことが大きいのだろう。
『ドララ』では、彼は亡くなってしまっていたからね。
その上、侯爵家の正妻の娘であるイザベラは、妾の息子であるフレッドに心を開かなかった。
それが原因で、フレッドは心を閉ざしていくのだ。
(カインも頼りがいのある好青年に育ちつつあるよねえ)
予知夢において、私の腕の腱を切り裂いたカイン。
今の彼は、適度な正義や使命を抱いてレッドバースの養子として頑張っている。
騎士見習いとしての訓練もけており、將來は騎士になるだろう。
『ドララ』における彼は、復讐心に燃えていた。
マフィアとの戦いで、弟分達4人を殺されてしまったからだ。
今はどうか?
彼が抱いているのは復讐心ではなく、私への心だ。
自分で言うのもなんだけど、私の活躍により彼の弟分達は殺されずに済んだわけだからね。
それに、魔法の使い方を教えたり、十分な量の食べをあげたり、いろいろと便宜を図ってあげることができたと思う。
(エドワード殿下はどうかな? 『ドララ』とは違う方向に進みつつあるのは確定だけれど……」
『ドララ』における彼は、イザベラのことが好きだった。
侯爵家令嬢として確かな教養やマナーをに著けたイザベラに敬意を払うと同時に、不意の魔の襲撃で見せた弱さを見て庇護を刺激されるのだ。
今はどうか?
同じような襲撃イベントはあったが、私が魔法であっさりと倒してしまった。
それはそれで『面白い』という評価をけることになったが、なくとも庇護はじられていないはずだ。
「よしっ! 決めた! ……とりあえず會おう!!」
私は覚悟を決めた。
會わないでいるよりも、會ってしまった方がずっと良いだろう。
放置してバッドエンドがたまたま回避されているのを祈るような攻略法は、私には合わない。
「ええっと。なら、今の服はマズイわよねえ……。何か手頃なドレスがあったかしら……」
私は普段、きやすい服を著ている。
別にとんでもないオンボロというわけではないのだが、王族を出迎えるには適さない。
かと言って、パーティでもないのに華なドレスを著るのも場違いだしきにくい。
ちょっとしたドレスを著るぐらいがいいバランス覚だろう。
「あ、これがあったわね。今年の誕生日にエドワード殿下がくださったドレスが……」
過度な裝飾品は付いておらず、きやすいドレスだ。
彼も、私のことはそれなりに理解してくれているらしい。
その點に関しては、素直に有り難いと思う。
「じゃあ今の服を抜いでっと……」
私は上半の服をはだけさせる。
その時だった。
バーン!!
私の部屋の扉が開かれたのだ。
「イザベラ! この俺、エドワードが來てやったぞ! 今日は一緒に街の視察を……っ!?」
ってきたエドワード殿下の顔がみるみると青くなっていく。
そして、私の姿を見た瞬間に、顔が悪くなったのとは別の意味で真っ赤になった。
「す、すまん!」
エドワード殿下は慌てて出て行ってしまう。
後には、突然の事態に口をパクパクすることしかできていない私が取り殘されたのだった。
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