《になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。》#5
生兵とかマジで言ってるの? 漫畫の読みすぎじゃない? そんなのが実際居るわけ……
「ここに留まらせるのも危険だな……生兵に何をしても無駄だし……魔の巣に捨てるのが定石だ」
ヤバイ……言ってることがホント危険。どうせならそこらの道ばたにでも捨ててほしいんですけど……そう思ってると、何やら微振がおに伝ってるような? でもそれは直ぐに微なんてものじゃなくなった。ゴゴゴゴゴゴどまじで音がしてる。まるで世界が揺れてるかのよう。皆さん再び絶の聲を上げて地面にへばりついて祈りを捧げてる。
きっと今日だけで何回も絶してるんだろう。世界の終わりみたいな顔してるし……緑の顔が青くなるくらいには。
「あっ、あれを見ろおおおおおお!!」
そんな一人の聲に空をみる。すると遠くの地面から何やらが昇ってた。そしてそのが広がるに連れ揺れは大きくなり、一際激しい揺れを伴ってそれは解き放たれる。それは大きな鳥だった。カラスっぽい。まあ大きさがぜんぜん違うし、頭が二つあるから私の薄い知識の中のカラスではない。でもこの世界でもガアガアー煩いのは変わらないようだ。
「あれは霊峰に封印されてたという黒の厄災? あんなものまで出てくるなんて……」
ほんと今日は厄日だね。この人達は多分いつも通りの日常を送ってただろうに、いきなり住処なくして、その上あんなモンスターまで。はいはい、私のせいですよー。
そんな風にヤケクソ気味に思ってると、あの黒の厄災? がこっちに飛んでくる様に見える。皆さん一斉に逃げう。ちょちょ、逃げるなら簀巻をどうにかしてよ!! こんながいたら絶対狙われるから!! だって世界共通、は攫われる存在じゃん!! とか思ってたけど、カラスは私の目の前の馬車を引いてる馬ではない生きをその兇悪そうな鉤爪で摑んで行く。
確かに緑の奴等や私よりも付き良さそうでうまそうだよね。そう思ってると馬車の籠から助けを呼ぶ人達が見えた。カラスは籠ごと持ってってる。どうやら逃げうよりも中で丸ってる事を選んだんだろう。別にそれは間違いじゃないと思う。けど、運が悪かった。ただそれだけ。
「アブラー! ケプラー!」
そうんでカラスを追いかける一人の緑の男。そしてそんな彼に馬車の籠に居る人が手をばして名前をんでる。どこのラブストーリーだよとか思いながら観てた。そしてカラスが飛び去ると、皆さんその場でへたり込んでる男へと群がる。からかってる訳ではないよ。皆さん彼をめてるんだ。
「助けに行かないと……」
そう言ってフラリと立ち上がる彼を皆が止める。なんとしい景だろう……なんて私は思わずに簀巻から出する方法を模索してた。まあ一応聞き耳は立ててるけどね。
「無駄だ。黒の厄災を倒せるわけがないだろう!」
「倒す必要なんてない! 黒の厄災はガンドンを餌として連れ去ったんだ。アブラーとケプラーの二人には興味無いはず……だから奴に見つからないように助ける」
「それでも……」
「難しいぞ」
確かにあのカラスが狙ってたのは馬の方……なんだっけ? ガンドン? というサイっぽい生きだった。あの二人には興味ない可能もある。助けれる可能が無いわけでもないね。でも皆さん込みしてる。まあ山に封じられるクラスのカラスなんて化だもんね。一どれだけの悪さをしたのやら……
「俺は行く……一緒に來てくれなんて言わない。俺がやらなきゃいけない事だから」
「何言ってんだよ」
「ああ、我らは同じ同胞だ。仲間の危機を見逃すわけがない」
「皆……」
そう言って中心の奴は涙を腕で拭う。なんかしいやり取りが繰り広げられてる。この人達がどれだけの力を持ってるかなんかわからないけど、上手くいく確率は低そうだと思うけどね。そう思ってると一人がこんな事をいった。
「そういえば、昔の記述で黒の厄災を封じたときには生贄を使って黒の厄災の興味を引いて、その隙きに封じたと……」
「生贄なんてそんな……同胞を使うことなんて出來る訳が――ん?」
バッ――と私は簀巻に顔を埋める。いやいやいやいや、もう流れ読めるけど一縷のみを私は捨てないよ! 外を観ないようにしながらも聞き耳は立てる。
「こいつ使えるんじゃないか?」
「確かに生兵ならどこで捨てても一緒だな。誰からも文句も出ない理想的な生贄だ」
「理想なんてとんでもない!!」
私は緑の奴等の會話に頭を出して割り込んだ。そんな私に驚いてる緑の奴等。何をそんなに驚く必要があるのかは知らないが、生贄にされるとなると私だって黙ってられないよ!
「私を生贄にするなんて世界の損失もってのほか!! 見てよ私を!! 世界の財産!!」
「何言ってるんだこいつは?」
それは心で思っとけよ。やっぱりこいつらに私のしさがわからないらしい。いや待てよ……ゼルラグドーラにも私のしさは伝わった筈。それならこいつらにも伝わるんではなかろうか? 私のしさは天元突破してる。常識では測れないものだ。種族の壁なんて超えられない訳がない! 私は一つ深呼吸をする。そして々と議論してる奴等の視線を集める為に「皆さん」としく優しく、それでいて意志が宿った無視できない聲を出す。
當然、緑の奴等は余すことなく私をみる。そこで私は最高の笑顔を浮かべてこういった。
「生贄なんてやーだ」
「やだやだやだー!! まだ死にたくないよー!!」
ジタバタするけど私は再びガンドンが引く籠に押し込まれる。そしてき出した振が伝わる。死地へと向かう揺れに吐き気を催さない訳がない。けど吐かないよ。だって私はだから。でも通じなかった……私のもその程度ということか。
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