「本當にラーゼ？」

「そ、そうだよ！　この貌がこの世界に二つあると思うわけ！？」

いつでも噛める態勢のベルグの口の中で私はそう反論するよ。まさかこの貌を忘れた？　そんな事ありえる？　だって私だよ。一度目にすると脳裏にまで焼き付くこの貌だよ！？　しかも二年でそれは更に磨かれてる。まあ私は寢てただけだけど。すると私の言葉を聞いてスズリは大きなため息を吐いた。

「はあー、そんなバカな事を言うのはアンタくらいね」

「失禮な。事実でしょうが」

するとようやくベルグの奴が私から離れる。てかこいつ狼なわけだし、匂いとかでわかるでしょ？　なんで攻撃してきた？　せっかくの高級な服が汚れちゃったじゃん。所々も空いたし、その皮で弁償させるぞ。ベルグの皮は高く売れそうだ。

「生きてたんだ。助けようとはしたんだけど、どうにも出來なくてね。あの時は助かった。ありがとう」

「うん、まあそれは良いからお面取ろうよ」

なんかお面のせいで慨深くならない。だって顔見えないし……二年越しのお禮も実際そこまでいらないって言うかね。確かに私はスズリ達を助けたけど、あれはバルフゥルンデがプレッシャーかけて來たからだからね。まっ謝してくれるのは良い気がしていいけどね。ようやくお面をとったスズリは二年でちょっと大人びてた。

も更に長してる様に見える。

「なんだか綺麗になったね」

やっぱりこの年頃のには可いより綺麗の方が良いかなと？　でもスズリは自の長にピンとしてない。

「そうかな？　が重くなったくらいで変わってないわよ」

そういうスズリはその満なを持ち上げる。ぶるんぶるんしてるよ。こうやって目の前でみると、迫力が凄い。くっ、やっぱりも巨の範囲にしとくべきだったか？　それなら今の年齢でも、もっと大きかったはず。でもバランスは良いんだよね。この育ちかけのも悪くないし、やっばり私は完璧だ。誰かを羨む必要なんてなかった。

「で、そっちのもうろく狼はなんて事してくれんのよ」

「ふん、貴様だから襲っただけだ」

「うわ、なんてやらしい奴。一年中発してんの？」

私襲われちゃったよ。この狼に！　しかも私だからと、完璧に狙われてるし。ストーカー宣言だよ。

「ふざけるな！　誰が貴様みたいな化に発するか！？」

「ば……化？　リアル化に言われたくないわよ！！」

やっばりこの狼は一度粛清したほうが良いんでない？　まあ無理だけど。だって私は一撃必殺。素早いベルグに當たるわけない。けどそれはこいつは知らないからね。ハッタリはいくらでも出來る。

「やっぱりその皮剝いでやろう――んー」

ミスった。そういえば銃ないや。そもそも戦闘なんてやる気ないから求めてなかったよ。とりあえず指で銃の真似をする。これでも撃てるとは思う。

「貴様の強さは知ってる。が、我らもただ遊んでたわけではない。試してみるか？　どれだけ長したか？」

「えーと」

やっば、この戦闘狂めっちゃやる気だよ。こっちは一ミリもやる気ないんだけど……なんかベルグのから青い闘気見える。本気モードじゃん。ちょっスズリっ――て、

「ベルグはもう誰にも負けない」

こっちもじゃん！　これだから野生は嫌い。文明がないもんね。強いものが生き、弱きは死す……それだけじゃん。誰か私を助けて〰とか思ってると、り口から白い耳が出てくるのが見えた。あれは！

「すみませんが、決闘とかはご遠慮ください」

うさぎっ子！　やっばり私の大好きなうさぎっ子だった。救世主だね！　してるよ！！　そんな私とは対象的にベルグとスズリはうさぎっ子を警戒してる。