になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。》#44

細かいお湯の粒が私のに打ち付ける。長い髪が張り付いてきて気持ち悪いけど、一人じゃどうしようもないんだよね。さっきカメレオンからつけられた傷はもう治った。力使っても良かったけど、どうやら私は普通の怪我なら常人よりも早く治るようだ。だからまあ、舐めさせる必要も無かったんだけどね。でもあれは必要だった。

あのカメレオンを完全に私の虜にする為にね。一線を何処に引いてるかは、なかなかわからないものだ。けど、お互いに知る機會があれば、それもまた見えてくる。そして私に近づく程に、誰もが私という存在に侵されてく。

「ふふっ」

思わず笑いがこみ上げる。やっばりは最高だ。それも規格外のね。戦闘力なんて私には必要ない。私はこのだけで、世界を支配できる。それを証明する為にまずはここ獣人の最大國家『ライザップ』を落としてみようと思う。幸いに蛇は偉い。とてもとてもだ。だから他の偉い奴等に接する機會はある。生? まさにその通りの所業をしようじゃない。

的を得た存在になってあげる。私はシャワーを止めて浴室から出る。魔法陣が描かれた床に立つとそこから暖かな風が吹き上がり、を乾かしてくれる。これはとても楽でいい。長い髪の私でも速攻で乾く。しかも乾くと自で止まる。どういう原理かは知らない。けど便利ならそれでいい。ありがたく使わせて貰うだけだ。

扉を開いて廊下に出る。靜かなものだ。多分カメレオンは居るんだろうけど、姿は見えない。蛇の奴は一軒家とか屋敷住まいではなく、大きなホテルの一室を自室としてる。しかも最上階。この國最高級のホテルの最上階のスイート・ルーム獨占。どんだけ寂しい生活してるのよといいたい。貴族らしいんだけど、屋敷もなく召使いもいない。

あの蛇は元々が変わり者だ。けど私のおで人間味……っていうのは獣人だからおかしい? いや、人ってるしいいのかな? まあどっちでもいいかとりあえず、私のおで親しみやすくはなったはずである。全で堂々と歩き、一つの部屋へとる。スイートだからね。無駄に部屋は多い。その一つを私の部屋にしてる。けど何故かな、ここで寢ることあんまりない。

あの蛇……忙しい筈なのに毎日帰ってきては私を抱きまくらにして寢るんだもん。まあおで、アイツは私にご執心。私が頼めば大抵のことなんとかしてくれる。そう、今夜の夜會だってね。私は質の良さそうな木製のチェストから下著を取り出して履く。まだ下だけ。その、上も用意させよう。けど、それまでここに居る気も無いけど。

下著を履いたら次は服だ。今日の夜はドレスだからそれについては蛇が気合いれて用意するだろう。てかそう言ってた。だから晝間はラフな格好で街に繰り出そう。うさぎっ子の様子も気になるしね。とりあえずTシャツに短パンで。ただのTシャツも裾を結べばおへそチラ見せのなんかちょっとオシャレに見える。髪もどうにかしたいけど……自分ではお下げくらいにしか出來ないな。

けど私ならなんでもきまっちゃうからいっか。あとは最後にうさ耳をつける。これはオシャレではない。じゃあどうしてかって? それはここが獣人の國だからだよ。人種が自由にき回れるほど、ゆるくはない。だからこれ。けど……

「恐ろしい程に私可いな」

思わずそんな想が出ちゃうほどには様になってる。うさ耳にしてるのはうさぎっ子を意識してるからだ。しでも仲間と思われたいじゃん。しの荷をポーチにれてと――てな訳で、準備も出來たし、レッツラゴー!!

    人が読んでいる<美少女になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください