になったら人生イージーモードだと思ったけど案外そうでもありませんでした。》#46

(誰だこんな糞貓を助けたのは?)

そんな事を思って聲の方を振り向く――前にいつの間にか誰かが私とその貓耳男の間に現れてた。今どうやって現れた? そんな疑問が湧くけど、答えはでない。そんな中その誰かはナイフをもった貓耳男に対峙して言うよ。

「こんなに何を向けてるのか君は分かってるのか? 直ぐにそのナイフを下ろすんだ!」

あっそうか、この人私を助けてるのか。そんなおかしな事を改めて再確認。だって全然危機なかったから、私の邪魔をしにきたのかと。

「そいつは人種だぞ! それでも庇うってのか!」

「人種……」

そういってこちらをちらりと見るその人。ようやくみえた顔はかなりのイケメンだった。目鼻立ちがハッキリとした悍な顔立ち。達が好きそうな甘いマスク。それなのに頭に生えてる耳はペタンとした長い耳のギャップ。見たところ服は私とかわらなさそうなくらいのラフなに見えるけど、上質そうな作りしてるのがわかる。私の深眼にかかればね。

なんか良いとこの坊っちゃんみたい? そんな彼は私を見てから直ぐに再び貓耳男の方を向く。

「それがどうした? 間違った事を咎めるのに種族など関係ない!」

堂々とした聲が響く。こんなイケメンがこんな格好良かったらが始まる予しか無いね。まあ、私に限ってそんな事はありえないけど。確かに格好良いとは思う。けど私ってそこら辺よくわからない。憧れはあるけどね。まあ私に釣り合う奴が居るかのほうが問題。私ほどのの隣に並ぶとなるとイケメンで強くて優しくないとね。

まあこの眼の前の人はなかなかに見応えありそうだけどね。

「はっいけ好かねぇな!! てめえから刻んでやるよ!!」

そう言って貓耳男はイケメンに斬りかかる。まさに自分が三下の臺詞を言ってるとは思わないんだろうか? まあだけど雑魚の鏡みたいな奴だ。

「仕方ない」

そういったイケメンは目にも止まらぬ速さで、貓耳男を倒してた。いやホント何やったかわからない。一瞬いた? とかおもったけど、確信はない。でも貓耳男が倒れてるのを見るに何かしたのは間違いない。

「そこの君もやるかい?」

イケメンのその一言に黒貓マッチョは怯えてる。自分との実力差を見極めたようだ。やっぱりこっちの奴は自分のをしってるよう。なんでこんな貓耳男と一緒に居るんだろうか? 不思議でならない。こんな奴と一緒にいると同レベルと思われちゃうよ?

「あんたに俺は勝てない。けど、そいつを警備とかに引き渡すとかなら……」

そう言ってその指の先から鋭利な爪をばす。勝てないとわかってても、友のためには戦いを挑む……か。なかなかに天晴なやつだ。

「まあ今後、この様な事をしないと誓うのなら、今回は見逃してもいいけど?」

「そいつはバカだ。何やらかすかわかったものじゃない。けど、いつもはそんな度があるやつじゃないんだ。ただ――」

「――ただ、私みたいな弱者には強気にいけるクズっことでしょ? 殺しましょう」

そういって私はかに拾ってたナイフを使って貓耳男のを掻っ切った。ごふっという聲と共に首と口からが溢れる。これで目的は果たした。さて、さっさとうさぎっ子の所に行かなくちゃ。そんな事を考えて立ち上がると、イケメンが私の手を摑んできた。

「なんて事をするんだ!?」

その目を怒りと驚愕に染まってた。なにを驚く必要があるのか? 私は本気でわからない。

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