目を覚ますと目の前に黒髪のの子が顔を近づけて來てた。丸っこい顔の、日本人的なそれ……懐かしいな……とか思ってると、目を瞑る彼の息が荒いのに気付いた。しかもなんかが尖ってるし……この娘、私にキスしようとしてきてない？　まあ可いの子とキスするのはやぶさかではない。てな訳で、私はガッチリとそのこの顔を摑んだ。

「いいわよ、しましょう」

「え？　ちょっ――おき――ってちょっとまって！」

何を今更待つ必要があるのか。の子同士なんだからノーカンだよ。今度は私から顔を近づけてく。

（あれ？　この娘誰だっけ？）

ふとそんな事を思ったけど、大きな問題じゃない。てな訳でそのを狙う。ツヤツヤしたはとても味しそう。やっぱり蛇なんかとは違うよね。

「待ってって言ってるのに！」

「聞きたくない」

「なんなのこの子！！」

それはこっちの臺詞だが……けど今はが重要だから、話しはしない。でも向こうの方が、大きくて力も強いよう。押し戻されちゃう。しょうがない、正攻法では彼のは奪えない。そう悟って別の手に移行する。

「さっきそっちからしようとしてた」

「あああれは魔が差したった言うか……貴が余りにも綺麗だったから、語的にはキスして目がさめるかなって……」

「それじゃあ、目を覚まさせてよ」

「覚めてるよね！！」

そんな反論は聞かない。メルヘンチックにお願いします。

「したくないの？」

「う……」

私の上目遣いに彼は迷う。その視線が私の顔に、に注がれてるのがわかる。同でも私程のだと流石に興味が湧くらしい。彼の頭を抑えてた手を片方開放して彼のにれる。そして見つめ合うと彼も見詰めてくる。私達だけの空間……それが出來上がってる。鼻先がれる位の距離。彼はゴクリと唾をのみこんだ。

「いくよ」

そう呟いて私は彼のと自のを重ねる。彼は抵抗しない。

（あぁーやっぱり蛇とは全然違う）

至福である。らかなはいつまでもこうしてたいと思わせるには充分な程の弾力を持ってる。けど息を止めてるといつまでもこうしてる事が出來ない。案の定彼はしすると離れようとする。けどそこをガバッと拘束。

「うぐっ！？」

そんな聲が聞こえたけど、気にしない。大丈夫……息は分け合えばいいんだよ。がれたまま私は口をあける。すると彼も自然と口があく。そこに素早く舌を忍ばせて息を通す。

「んっ……んう……」

チュパチュパとした音が響きだす。唾が混じって口元がベタベタになってるかも……けど、同時に互いに溶け合うようで、脳がしびれる覚に陥る。夢中だった。気付いたら彼は真っ赤になって目を回してた。

「ごちそうさま」

そう言って私は元気一杯になって改めて、彼が誰なのかと思った。しかも今気づいたけど、今まで話してた言語……日本語だった気がする。