《魔法が使えないけど古代魔で這い上がる》2 仕事帰り
その日の営業も終わり、にらめっこしていた店舗用のパソコンを閉じて涼は腕を上げてをばした。
「こっちは終わったけど、如月はあとどんくらいかかりそう?」
「もうすぐ終わりますよ!」
「了解」
パソコンや書類を片付けている間に宣言通り終わらせたに、涼は本當に仕事が早くなったもんだと心しつつ、2人で店を出る。
「そう言えば黒川先輩、明日休みですよね?何するんですか?」
「洗濯やら掃除やらが溜まってるからそれを済ませるかな。今日は早く終わったし、久々に夜釣りして明日ゆっくりするのもありかもと思ってる」
「おおっ!釣りとかするんですね。釣ったら食べたりするんですか?」
「あんま小さいとリリースするけどな。今日味い海鮮食べたらまた食べたくなって」
家はすぐ近くだし、海も車で30分も走れば著く。
話しているに完全に行く気になってきた涼は、何の魚を狙おうか頭の端で考え始める。
「なるほどですね!私釣りしたことないです。面白いんですか?」
「人によるだろーけど、俺は面白いで。……ふむ、如月明日遅出だろ?しやってみるか?」
「え?は、えっ?い、いいんですか!?」
「まぁ興味があるならな。もちろん飽きたら送るよ」
「い、行きたいですっ!」
涼は好奇心旺盛なについ頬を緩ませながら、了解と返した。
程なくして家につき、涼は鍵を開けながら聲をかける。
「んじゃ準備するから、上がって待っとけ。すぐ終わらせるから、茶とかは出さんけど勘弁してくれな」
「そんな、大丈夫ですよ!お邪魔しますね」
は笑いながら返しつつ、涼に続いて部屋にる。
家が職場から近い事もあり、たまにはこの部屋に來ていた。慣れた様子でいつも座る椅子に腰掛ける。
涼もやはり慣れた様子で、それを見屆けることなく寢室に向かい著替え、準備を始める。
道を車に積み込み、リビングに向かった。
「すまん、待たせた。んじゃ行こっか」
「いえ全然!もう終わったんですね、相変わらず仕事がお早い」
「よく言うわ」
  からかうじに言うに鼻で笑いながら返す涼。
職場ではない為か、2人の會話は気安い雰囲気だ。わいわい言いながら車に乗り込む。
寄った釣店で餌である蟲にがドン引きして店員と話していた涼に蟲は嫌だと騒ぎたてたり、その2人を見た店員に仲の良いカップルですねと言われがさらに騒いだり、さすがに見兼ねた涼が注意しつつ買いを早足に済ませたり、それでも蟲はりたくないと車でほとんど涙目になりながら懇願したりしながら釣り場に著いた2人。
すでに涼は疲れをじていたりしたが、餌蟲は涼が付けると聞いたは一転して元気いっぱいである。
これが若さか、と2つしか変わらない涼は心呟く。
「あ、如月。これ著とけ」
「えっ?あ、ありがとうございます!」
「いるなら下もジャージあるから使っていいで。上から履いても大丈夫なはずだし」
「分かりました!」
涼は車に積んでいた道をおろしつつ、一緒に載せていたパーカーをに放る。
それをキャッチして禮を言いつつ袖を通す。
ほのかに香る涼の匂いに、は頬を染めつつ涼が下ろした道を運ぶのを手伝う。
そして釣り始めてから1時間が経った。
生簀代わりのバケツにはすでに數匹の魚が泳いでいる。しかもリリースせず食べられるサイズだ。
しかし、涼の顔には嬉しそうな表を浮かんでいない。
「わっ、またきました!さっきより大きいぽいです!先輩、釣りって面白いですね!」
「そーだな、てかお前魚にされすぎじゃね?」
そう、全ての釣果なのだ。
涼はいつもなら1匹は釣れてもおかしくないにも関わらず、アタリすらない。
が喜んでいるのは良いのだが、釣れない悔しさはあるし、こうも橫で釣られるとより悔しく思ってしまう。
「こいつらは後で捌いてやる。けどその前にでかいの釣ってやる」
「………先輩って結構負けず嫌いですよね……」
 完全に集中し始めた涼には呆れたような、それでいて微笑ましいような表を浮かべる。
その目線の端で、竿が揺れた。その後、大きく竿が曲がる。
「よっしゃ來たぁ!」
「おー!やりましたね先輩!頑張って!」
テンションが上がりまくる涼にもつられて聲が大きくなる。
しかし、そんな2人の表はそのまま固まる事になる。
 ――グオオォォオオッ!!
糸の先を口元につけて海面から現れた”それ”は夜空に向かって吠えた。
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