《魔法が使えないけど古代魔で這い上がる》10 ラルフ
「さ、山脈を作る……?」
「そう、魔法とは違う、魔って技でね。といってもさすがに噂でしょうけどね」
あまりに壯大な話に言葉に詰まるロイドに、フィンクが手を顎に當て口を開く。
「噂と言えば、フェブルには魔の跡があったり、不死の化けがいたりすると何かで見たね」
「え、不死なんているんか?」
「なんでも死神と言われる人型の魔、っていうのが本筋らしいけど」
「ふふっ、その噂って昔からずっとあるのよ。悪い事したらフェブルの死神がくる、って子供の説教に使われたりしてたわ」
懐かしいわぁ、なんてぼやくシルビア。もしかしたらシルビアも小さい頃に言われた事があるのかも知れない。
しかしシルビアは懐かしむにしては嬉しそうな表に見えた。
ロイドはし訝しげに思いつつも、追求はしなかった。
そんな事を言っているに晝食の準備をする時間になった。
3人はシルビアを手伝う為キッチンに著いていくのであった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
晝食をとり、午後になるとロイドは町にある剣道場に向かう。 
ちなみにフィンクは長男としてルーガスの手伝い兼見學を、エミリーは作法をシルビアに習うのだ。
次男のロイドはフィンクやエミリーに著いて一緒に學ぶ事もあるが、定期的に剣道場にも向かっていた。
「お願いしまーす」
「おぉ、今日はこっちかロイド」
道場の扉を開くとこちらを見て笑いかける大柄の男。
ラルフという名の彼は、赤茶の髪を短く刈っており、鼻をまたぐように橫にびた切り傷と厳つい顔つきも合わさり、街中で出會ったら目を逸らしてしまいそうな程威圧のある印象だ。
だが笑うとどこかのある笑顔と、その裏表のない人格から町の住民からは人気があり、気さくに話しかけやすい存在だったりする。
「今日もフィンクはルーガスのやつに付いてんのか?鍛えたら面白くなりそーなのによ」
「いやあれ以上は勘弁してください……鬼ごっことか勝負にならなくなってますよ」
殘念そうに呟くラルフにロイドは苦笑いで返す。
フィンクは現在14歳にしてウィンディア領の神とさえ呼ばれていた。
ウィンディア家の特でもある風魔法に加え、水魔法をすでに中級魔法すら楽々扱う事。さらにはそれを合わせた氷魔法を扱うに至っている為だ。
 
そしてもちろん剣道場のラルフが評価するのはやはり剣である。
フィンクは高い魔力による強化の能力と、優れた剣技を有しているのだ。
「だっはっは!ロイドにゃ厳しい話だろうな!ルーガスも頑張って報集めてるみたいだが、なかなか難航してるようだしな」
もちろん話の容はロイドの強化魔法だ。
こんな言いにくい容をズバズバと口にするのがラルフだが、こうも豪快に言い放たれては怒りのも湧いてこないな、とロイドは思っている。
また、仮にも領主のルーガスを呼び捨てにするのはラルフが昔ルーガスの仲間だったからである。
ルーガスが実戦訓練にと冒険者ギルドに登録していた際にパーティを組んだ仲であり、彼の人柄だけでなくその関係もあってロイドを安心して任せている背景があった。
「ラルフ先生、準備出來ました」
「おっ、なら始めるか。ここでは強化は置いといて、剣の技を上げてくからな。まずは俺が打ち込むからそれを躱すなりけるなり反撃するなりしろ。他の生徒が來るまでやるぞ」
「はい!」
勢い良く返事をして構えるロイドに、ラルフはニカッと笑って木刀を振り下ろす。
ロイドは半になりそれを躱すと、ラルフはあえて地面に木刀をぶつけ弾かせ、反でロイドを追うように斬りあげる。
 
ロイドはと木刀の間に自分の木刀をれ込みけた。が、格差もありが橫に泳ぐ。
「おら、二手目ですでに躱せねえのか?格差があるんだから極力躱して隙を狙え!」
「うっ、はい!」
指摘をしつつと手を止めないラルフ。
振り上げた木刀。斜めに振り下ろし、勢を整えようとしているロイドを狙う。
ロイドは大きくしゃがみ込むようにして木刀をやり過ごすと、低い勢のまま木刀を地面水平に薙ぎ、ラルフの足を狙う。
ロイドは自分でも良いタイミングであり確実に一撃れれたと確信する。
が、その木刀をラルフは即座に反応して踏み付けて止めた。
「悪くないぞ!だがもうし対応しにくいように高めに振り抜け!踏みやすすぎる!」
  そんな簡単に言うのはアンタくらいだよ!と脳で吐き捨てつつ、思い切り重を後ろにかけて力ずくで踏まれた木刀を回収し、その勢いで後方に転がるようにして距離をとった。
急いで顔を起こすが、すでに目の前に迫ったラルフが木刀を振り下ろそうと構えている。
「ほら次々いくぞー」
「うわっ!」
「ほらほら、もっと集中しろ、まだまだいくぞ!」
「くっ、くそっ!」
その後もロイドがギリギリ反応出來るか出來ないかのラインで攻撃を仕掛けるラルフ。
たまに追い立てられる鬱憤を晴らすように全力の反撃をしても軽くいなされる。
「ロイド!お前は膂力はないが捌きは良い!とにかくいて隙を作れ!」
「わっ、くっ、くそっ!うるせえおっさん!こっ、こんなん反撃なんか出來るかボケぇ!」
途中から余裕がなくなり、素が出るロイド。
領主の息子としてどうかと思うような暴言を吐きつつ、そろそろ誰か生徒來いよ!と早く來てしまった事を後悔しながら、ロイドは必死にラルフの剣をけるのであった。
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