《たった一つの願いを葉えるために》公爵家當主
2人と別れた後、ロランさんに連れられて応接室に向かっていた。
屋敷の中は、シャンデリアや壺、絵畫など、価値がたかそうな品が飾ってあったが、決して派手ではなく、落ち著いた雰囲気があった。
「ロランさん、ここの裝飾品はご當主の趣味ですか?」
「はい、飾られている壺や絵畫、屋敷の雰囲気などはほとんど旦那様の趣味です。
…もうし華な印象を持たれてましたか?」
「そう、ですね。失禮ながら貴族の方々は、派手な暮らしをしている印象だったので驚きました」
「旦那様と奧様は、あまり華な裝飾は落ち著かなくて好ましくないそうです。ですが、テル様の印象もあながち間違いではないかと。一部の貴族の方々は稅金を自分のものと思い込み権力に言わせ、贅沢三昧している方もいらっしゃいますしね」
「なかなか辛辣ですね」
「私としたことが出すぎたようで、このことは聞かなかったことに」
〈探られてますね〉
『みたいだね』
素の知らない旅人が何十人もの盜賊を倒して、公爵家の娘を助けたなんてありえないからな。どこかの貴族の子息と考えるのが普通か。
◆ ◆ ◆ ◆
それからロランさんと他もない會話をしながら応接室に向かった。
「ここが応接室でございます。旦那様がいらっしゃるまでしかかりますので、紅茶をお持ちいたします」
「ありがとうございます」
ししてロランさんが紅茶を持ってきて淹れてくれた。
「どうぞ」
「…おいしい。スッキリとした甘さがすごく好きです」
「お口にあってよかったです。おかわりはいかがですか?」
「お願いします」
紅茶のお代わりをもらっていると、応接室の扉が開いた。
「待たせてすまないね。君が娘とミッシェルを助けてくれた旅人だね」
「はい、テル・ウィスタリアと言います」
「そうか、私は公爵家當主、グラン・ノア・レイルリットだ。グランと呼んでくれ。2人を助けてくれて謝する、ありがとう。大事な家族を失うとこだった」
そう言いながら、頭を下げた。
「いえ、他の方にも言ったんですが、助けることができたのは偶然です。それに、自分は平民なんですから公爵家當主様が簡単に頭を下げないでください」
「いや、分など関係ない。これは親として當然のことだ」
「…わかりました」
「うむ、して、ことの詳細を聞きたいのだが…」
「失禮します、お父様。お待たせいたしました」
「…れ」
著替えに向かったアリスとミッシェルが応接室にってきた。
アリスは、まえの服裝よりし豪華になり、ミッシェルも剣だけは帯刀していたが鎧などは外していた。
「娘も來たことだし、盜賊に襲われたという件について詳しく教えてくれ」
「それについては、私からお話しします」
そうアリスは言って、森で盜賊に襲われたところからいまに至るまでの経緯を話していった。
「……そうか。はぁ、まさか護衛につけていた騎士が裏切るとはな。まぁいい、とりあえず2人とも無事でよかった」
「テルさんがいなければ私たちは、ここにはいなかったでしょう」
「そうだな、テル、君には何かお禮をしたい。何かしいものはないか?」
「しいものですか……でしたらしの資金をいただけないでしょうか?」
「わかった、ロラン」
「かしこまりました」
ロランさんが一旦応接室を出て、お金がってるであろう袋を持ってくる。
あれ?しの資金って言ったんだけど、明らかにしの量を超えているよね。
「娘を助けてくれたことと、道中の護衛に対するお禮だ」
「あの、ちなみにいくらでしょうか?」
「白金貨に20枚だ」
「!?」
「む、なかったか?ならば…」
「いえいえ、十分過ぎます!俺、しって言いましたよね?!」
「娘を助けもらったんだ、本當ならそれでも足りないくらいなんだ。だからどうかけ取ってくれ」
「…わかりました」
● ● ○ ○
「そういえばお父様、お土産があるんです」
「お土産?」
「はい、これを見てください」
アリスは、自分のアイテムボックスからジュエルフルーツを取り出す。
「なっ!それはピジョンブラッドか!それにレッドダイヤモンドにデマントイドガーネット、その他にこんなにもたくさんのジュエルフルーツ見たことないぞ!どこで見つけたのだ?」
「【常闇の樹海】にあるセーフティゾーンでこれを見つけました」
「こんなに一度に見るとは思わなかったぞ」
「お母様が帰ったら、一緒に食べましょう」
「そうだな………ん?」
「どうしました、父様?」
「そ、それは、まさかアイテムボックスか?」
「はい、アイテムボックスですよ」
「そんな貴重なものどこで見つけたのだ」
「テルさんから貰いました」
「なんだと!?」
「ちなみに私も同じものを貰いました」
「ミッシェルもか!てるよ、なぜ貴重なアイテムボックスを2人にあげたのだ?」
「俺は、収納魔法が使えるからアイテムボックスは必要ないんですよ」
「しかし、売ればかなりの値段になるはずだが?」
「また、作ればいいですよ」
「…は?」
【電子書籍化】退屈王女は婚約破棄を企てる
☆2022.7.21 ミーティアノベルス様より電子書籍化して頂きました。 「婚約を破棄致します」 庭園の東屋で、フローラは婚約者に婚約破棄を告げる。 ほんの二週間前、「婚約破棄してみようかしら」などと口にしたのは、退屈しのぎのほんの戯れだったはずなのに――。 末っ子の第四王女フローラは、お菓子と戀愛小説が大好きな十五歳。幼い頃からの婚約者である公爵家の嫡男ユリウスを、兄のように慕っている。婚約は穏やかに続いていくはずだった。けれど、ユリウスが留學先から美しい令嬢を伴って帰國したその日から、フローラを取り巻く世界は変わってしまったのだった――。 これは、戀を知らない王女と不器用な婚約者の、初めての戀のお話。 *本編完結済み(全20話)。 *番外編「婚約者は異國の地にて王女を想う」(全3話)はユリウス視點の前日譚。 *番外編「『綺麗』と言われたい王女と『可愛い』と言いたい婚約者」(全3話)は本編から約2ヶ月後のフローラとユリウスを描いた後日譚です。
8 132【書籍化】厳つい顔で兇悪騎士団長と恐れられる公爵様の最後の婚活相手は社交界の幻の花でした
舊タイトル【兇悪騎士団長と言われている厳つい顔の公爵様に婚活終了のお知らせ〜お相手は社交界の幻の花〜】 王の側近であり、騎士団長にして公爵家當主のヴァレリオは、傷痕のあるその厳つい顔から兇悪騎士団長と呼ばれ、高い地位とは裏腹に嫁探しに難航していた。 打診をしては斷られ、顔合わせにさえ進むことのないある日、執事のフィリオが発した悪気のない一言に、ついにヴァレリオの心が折れる。 これ以上、自分で選んだ相手に斷られて傷つきたくない……という理由で、フィリオに候補選びを一任すると、すぐに次の顔合わせ相手が決まった。 その相手は社交界で幻の花と呼ばれているご令嬢。美しく引く手數多のはずのご令嬢は嫁ぎ遅れに差し掛かった22歳なのにまだ婚約者もいない。 それには、何か秘密があるようで……。 なろう版と書籍の內容は同じではありません。
8 81【完結】前世は剣聖の俺が、もしお嬢様に転生したのならば。
近い未來……もしかしたらここではないかもしれない現代。 東京に住む新居 燈(あらい あかり)は、少し裕福な家庭のお嬢様として都內の高校へ通うスイーツが大好きな一七歳の女子高生。 優れた容姿と超高校生級のスタイルの良さで、學園の女神、青葉根の最高神、究極(アルティメット)乳神様とまで呼ばれている。 高校でも人気の彼女には……とてもじゃないけど同級生には言えない秘密が存在している。 それは、前世の……それも異世界で最強と呼ばれた剣聖(ソードマスター)、ノエル・ノーランド(♂)の記憶。 どうして異世界で生きていた俺が現代日本へと、しかも女子高生として転生したのか? そんな前世の記憶と、現世の女子高生として悩んでいるが……。 この世界は異世界からの侵略者……降魔(デーモン)に悩まされていて……放っておけば降魔(デーモン)に滅ぼされてしまうかもしれない? 燈は前世から引き継いだ他を圧倒する身體能力と、それを生かした異世界最強の剣術ミカガミ流を駆使して降魔(デーモン)に立ち向かう。 現代日本に蘇った異世界最強の剣聖(ソードマスター)新居 燈の戦いが……今始まる! 二〇二二年九月一四日完結いたしました。 第2回 一二三書房WEB小説大賞 一次選考通過
8 85Relay:Monsters Evolve ~ポンコツ初心者が始める初見プレイ配信録~
何の根拠もなく「これだ!」と、とあるオフラインのVRゲームの初見プレイを配信する事を決めた能天気な無自覚ドジっ子なサクラ。 いざ人任せにしつつ配信を始めたら、なんでそんな事になるのかと視聴者にツッコまれ、読めない行動を見守られ、時にはアドバイスをもらいつつ、ポンコツ初心者は初見プレイでの珍妙なゲーム実況を進めていく! そんなサクラが選んだゲームは、現実に存在する動植物を元にして、モンスターへと進化を繰り返し、最終的に強大な力を持つ人類種へと至る事を目的としたゲーム『Monsters Evolve』。 そのオンライン対応版のVRMMO『Monsters Evolve Online』がサービスを開始して少し経った頃に、VR機器そのものに大幅アップデートが行われ、タイトルに制限はあるがリアルタイムでの配信が解禁されたものである。 これはオフライン版の『Monsters Evolve』を描く、もう1つの進化の物語。 カクヨムでも連載中! pixivFANBOXで先行公開も実施中です! また、本作は『Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜』の関連作となります。 関連作ではありますがオンライン版とオフライン版という事で話としては獨立はしていますので、未読でも問題はありません。 もしよろしければオンライン版の話もどうぞ。 https://ncode.syosetu.com/n7423er/
8 116魅力1000萬で萬能師な俺の異世界街巡り〜
毎日毎日朝起きて學校に行って授業を受けて、家に帰って寢るという、退屈な學校生活を送っていた黒鐘翼。 何か面白いことでもないかと思っていると、突然教室の中心が光り出し異世界転移をされてしまった。 魔法の適性を見てみると、全ての魔法の適性があり、 中でも、回復魔法の適性が測定不能なほど高く、魅力が1000萬だった。さらに職業が萬能師という伝説の職業で、これはまずいと隠蔽スキルで隠そうとするも王女にバレてしまい、ぜひ邪神を倒して欲しいと頼まれてしまった。が、それを斷り、俺は自由に生きるといって個別で邪神を倒すことにした黒鐘翼。 さて、彼はこの世界でこれからどうやって生きていくのでしょうか。 これは、そんな彼の旅路を綴った物語である。 駄文クソ設定矛盾等ございましたら、教えていただけると幸いです。 こんなクソ小説見てやるよという方も、見たくもないと思っている方もいいねとフォローお願いします。
8 145神様の使い助けたら異世界に転生させてもらった❕
両親はおらず、親戚の家に居候中の蛇喰 葉瑠(じゃばみ はる)は、高2の始業式のウキウキした気分で登校していた。 その時、交差點に珍しい白い髪の女の子がたっているのに気付き、進んでくるトラックから助けようと庇って死んでしまう。 しかし、庇った女の子が実は神様の使いで、異世界に転生をさせてもらえることになった! そこは剣と魔法の世界、神の加護とチートでどんな困難にも立ち向かう! 処女作ですので誤字脫字や分かりにくかったり、すると思います。 亀でのろまで月に5話ぐらいしかあげれません。 いままで読んでくださっている読者様!有り難う御座います。 これからもゆっくりですがあげていきますのでよろしくお願いします! 表紙のイラストはキャラフト様より拝借させていただきました。
8 133