《たった一つの願いを葉えるために》商談

意識が戻った後、ヘルマンに娯楽を増やしてしいと言われて商業ギルドを訪れた。

(ナビ、娯楽何がいいかな?)

〈リバーシでいいんじゃないですか?〉

(それで良さそうだな。ただ、なんでそれを選んだんだ?)

〈異世界で娯楽を広めるなら、やっぱりリバーシが定番ですよ!〉

(定番?またそれか。まぁ、今回は助かった)

付にリィナの姿を見つけ、そこに向かう。

「いらっしゃいませ、テル様。本日はどのようなご用件でしょうか?」

「商談をしに來ました」

「わかりました。それでは付いてきてください」

リィナさんは、付を他の方に変わってもらい商談用の部屋に案される。

「それでは商談を始めましょうか」

「ギルドに卸すのは、コレです」

アイテムボックスから出すふりをして、創造したリバーシを【無限収納】から取り出す。

「これは…?」

「これはリバーシと言って、」

リバーシにルールを簡単に説明する。大人から子供まで遊べる簡単なオモチャだ。

リバーシも含め、基本的に人気ゲームというのは誰でも思いつきそうで思いつかないようなシンプルなものが多い。

だからこそ、これらを作った人たちは天才だ。

「シンプルなゲームですね」

「とりあえず一回対戦してみましょうか。俺が黒でリィナさんが白で始めます」

「はい」

パチッ、パチッと石を打つ音が部屋に響く。

「ふふふ、ほとんど私の白で埋まってますね。このままでは私が勝ってしまいますが、よろしいのですか?」

「ええ、大丈夫ですよ」

よし、こっから反撃だ。

角を取り、白ばかりだった場を徐々に黒く塗りつぶしていく。

「え、え、噓」

最後、白五個を殘して黒が圧勝した。

「あそこから巻き返されるなんて思いませんでした」

「リバーシって結構定石があって奧が深いんですよ」

「シンプルなうえにこれだけ楽しめるなんて、これは売れますよ」

「そうなってくれると嬉しいです」

「ぜひギルドで買い取らせていただきます」

「はい」

リィナさんは一枚の紙を取り出す。

「こちらに署名をしてください」

誓約書か。

容を確認し、署名にサインしてリィナさんに渡す。

「これで商談は完了いたしました。何かご不明な點はありますか?」

「あ、じゃあ質問なんですが。貴族の方が住む屋敷の値段ってどのくらいなんでしょうか?」

「そうですね。々條件によって変わってくるのですが、だいたい12億セリスくらいですね」

「そうですが、ありがとうございます。質問は以上です」

「いえ、本日は有意義な時間ありがとうございました。またご用件があればお越しください」

リィナさんに挨拶をして部屋を出て、ギルドを後にする。

今度向かうのは冒険者ギルドだ。

正直、ナビの話を聞いて気が乗らないが、ここに來るまでの倒した魔をどうにかしたいのと、今後の為に貯金はいくらあっても困らないので行く必要があるのだ。

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