《『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』》勇者パーティ

ダンジョン

かつては世界中に存在しており、そこからモンスターが無限に湧き出ていた。

しかし、魔王討伐後にダンジョンに変化が起きる。

ほぼ全てのダンジョンからモンスターの出現率が大幅に低下。

魔王の存在がダンジョンに何らかの影響を與えていたと言われる。

しかし、一部例外もある。

世界五大・・・・ダンジョンと言われる4つ・・のダンジョン。

その4つのダンジョンでは逆だった。

強化されたモンスターが大量に出現するようになったのだ。

まるで世界中のダンジョンが弱化して封鎖されていく代わりに、何らかのエネルギーが4つのダンジョンに集中されているのではないか?

そして、そのダンジョンの調査……あるいは攻略は勇者たちに託された。

そのはずだった……

――――西のダンジョン――――

(どうしてこうなったのか?)

シン・シンラは、解ける事のないパズルに挑んでいるようにグルグルと思考を浮かべていた。

モンスターの出現率が極端に低いとされる場所。安全地帯セーフティゾーン。

安全地帯まで、なんとかたどり著いたが……

勇者パーティはけなくなっていた。

罠によって遮斷された帰り道。 加えて兵站不足。

(どうしてこうなったのか?)

何度となく繰り返した自問自答。

こんなはずではなかった。

シンは、全く新しいダンジョン攻略の戦を今回の遠征アタックで取りれた。

名づけて――――

『疾風迅雷陣』

攻略スピードの大幅な高速化。

斥候などを排除。兵站などの軽量化。

勇者を中心に個々の突破力を前面に押し出し、必要となる時間と金銭の大幅削減。

ダンジョン攻略の効率化として果を上げるつもりだった。

(どうしてこうなったのか?)

見渡す。パーティの面々を。

「……」

「……」

「……」

誰もが無言。

壁を背に座り込むアルデバラン。

頑丈なと堅固な裝備。

超前衛戦士の異名を持つ彼でも、深く刻まれたダメージと積み重なった疲労は隠せずにいる。

そして、座り込んでいるのは彼だけでない。

マシロも自分も――――勇者すら頭を下げて座り込んでいる。

マシロ姫は、魔力回復ポーションに手をばすも、その數を確認すると飲むのを止めた。

周囲の魔素を吸収する自然回復を選んだみたいだ。

ちらりと盜み見ると殘り3本。

1本は副作用もあるが一瞬で魔力が回復する高額なポーション。

殘り2本は徐々に回復していくタイプのポーション。

帰還を目指すのにも心もとない量だ。

そして勇者カムイは――――

一言も喋らない。

剣を抱きしめるように座っている。

しでも力回復に専念するように座ると同時に寢息を立て始めている。

(どうしてこうなった?)

誰もシンを攻めない。

どうしてこうなったのか? その原因は明らかにも関わらず――――

それが仲間の信頼によるものと言うならば、自分は冒険者としての信頼を裏切ったとシンは思っている。

焦りと不安。 勇者パーティの新參者としてのプレッシャーが、今回の遠征を強行した。

――――否。強行してしまった。

だが、シンには不思議と慙愧の念は、湧き上がってこなかった。

(なぜだろうか? どうして自分は――――)

シンがその疑問に答えが出る前にきがあった。

カムイが立ち上がると同時に剣を抜く。

「どうした?」とは誰も聞かない。

勇者が剣を抜くのは敵襲を察知したからだ。

新手のモンスターを前に彼らは戦闘態勢に移行した。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

一方、ベルトは――――

冒険者ギルドの奧へと付嬢に案されていた。

事前に「コンビを組んでいる者もいるんだが?」と聞いたが、答えは――――

「ごにお願いします」

有無を言わせない

仕方なく、メイルには待ってもらう事にしてギルド長が待つ部屋に向う。

やがて、部屋の前に止まると付嬢はノックと共に――――

「お連れしました」

「うむ、りなさい」と返事をけ、ドアを開けるとベルトを中へと促す。

中にると老人が立って待っていた。

彼がギルド長だろうか? ベルトがそう思っていると老人は朗らかな笑みを浮かべた。

「どうぞ、こちらにお座りください」

そう椅子へ勧める。

「さて、本來ならギルド長如きがSSSランクの冒険者さまに特別指令ミッションを発する権利はありませんが、今回は事が事ですので――――」

「勇者パーティ救出と聞いていますが?」

「……そうです」とギルド長は神妙な面持ちで説明を始めた。

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