優人は移授業の帰りに寢坊したため作って貰えなかった晝食を買いに向かっていた。

「翔は今日お弁當？」

「おう！俺は早起きだからな！」

翔は朝から寢坊についていじってくるのでぶっとばしたくなる。

「あ〜！後輩君！」

急に廊下の奧から聞き覚えのある聲が聞こえてきた。

「波先輩?!お前か?!呼ばれてるの?!」

「た、多分な。」

波先輩は周りの目も気にせず優人の手を取って引っ張った。

「お友達君！ちょっと借りるね！」

「あの…」

結局波先輩と食堂の券売機の前に來ていた。

「奢るから！なんでも言って？」

「本気だったんですか？自分で払いますから！」

波先輩はなかなか奢ると言って引かなかったので、先輩と同じワカメうどんを頼んだ。

「なんかごめんね〜無理やりみたいなじで。」

「いやいや、嬉しいです！」

周りからの目が気になる。

學校のアイドルみたいな立ち位置の波先輩だ、無理もないだろう。

しかし、その中に何人か2人を撮っている人がいた。

「そう言えば後輩君の名前聞いてなかったね。」

「優人です。でも後輩君でいいですよ？」

それにしても、何故自分だけに優しくしてくれるのだろうか。

食べ終わって廊下に出てから聞いてみる事にした。

「あの、なんで俺だけにこんな優しいんですか？」

「それは倒れてたのを助けてくれたからでしょ？」

「それはそうですけど…」

波先輩の理由が1番正しいのだが、それ以外に理由がありそうだった。

まさか…な。

「もしかして、私に惚れちゃった？」

「そ、そんな事ないです！」

「君くらいなら付き合っても良いかな〜なんてね！」

たぶん、普通の人ならこれで好きになってプロポーズしそうなレベルで可いかった。

そして、冗談だと思うが頬にキスされた。

「あ〜！優人〜！…え。」

「ひ、菜?!」

最悪のタイミングで菜に會ってしまった。

「優人…？」

「菜っ！違うんだ！これは…」

「うん？どういう事？もしかして、彼いたじ？」

どうすればいいんだ…菜との際はまだ認めてないが…

「す、すいません！もうしで授業始まるんで！今日はありがとうございましたぁー！」

我ながら最低だと思った。

しかしあの時はこれしか思いつかなかった。

「へぇ〜、そうなんだ。」

to be continued…