《「魔になったので、ダンジョンコア食ってみた!」 ~騙されて、殺されたらゾンビになりましたが、進化しまくって無雙しようと思います~【書籍化&コミカライズ】》第143話 再會
~ネルフィー視點~
目に映るのは、に剣が刺さり座り込んだまま息絶える皇帝と、その亡骸に縋りつく娘。
こうなる未來しか、無かったのだろうか……。
誰かが上手く立ち回っていれば、避ける事ができる未來もあったのだろうか……。
無意味とは分かっていても、そんなことを考えてしまう。
だがそんな淺慮な思考は、斷腸の思いでこの未來を決斷したルナ皇に対しての侮辱だと、考えを改める。
一人の皇族が、“帝國の未來”と“己の業(カルマ)”を天秤にかけ、決斷した結果なのだ。尊重こそすれど、決して軽視して良い意志ではない。
ただ今は、別れの時間を作ってやるのが私の役割。ルナ皇の決斷がしでも良き未來につながるように、私は私のできる事をしておくべきだろう。
≪こちらネルフィーだ。ルナ・イブルディア皇殿下によって皇帝は討ち取られた。これから合流地點へ向かう≫
≪さすがだ! こっちは魔族を一人取り逃がした。すまんがネルフィーも捜索を手伝ってくれ≫
≪了解した。ルナ殿下を安全な場所に導した後にそちらへ…………ッ!?≫
――コツッ、コツッ……
阿吽と念話をしている最中、背筋に強烈な悪寒をじたのとほぼ同時に、背後から足音が聞こえてきた。それはどこかわざと(・・・)鳴らしている不協和音のよう。
気を抜いてなどいなかった。ということは、私の探知スキルに引っかからない程の隠技を持った何者かが突然背後に現れたことになる。
なくとも味方ではないと判斷した私は、咄嗟にルナ殿下の元まで跳躍し振り向く。
するとそこには、落涙と狂喜の表を半々に繋ぎ合わせたような不気味な仮面を著けた男が立っていた。
「……何者だ」
「っ!! ノーフェイス!」
私の疑問に答えたのは後ろにいるルナ殿下だった。
「お前たちから貰った報の対価を、中庭噴水の下にある隠し部屋に置いてある。後程確認しておけ」
その男の聲を聴いた時、その容の意味不明さよりも先に、衝撃的な疑が私を襲った。
「ルナ殿下、一人で合流地點まで行けるか? それと、阿吽達と一緒にこの男が言った場所を調べてしい」
「え……ネルフィーさんは?」
「この男とし話がしたい。……二人きりで」
「しかし……」
「すまないが、頼む」
私の言葉に合わせてノーフェイスは半歩橫へずれ、扉への道を開ける。どうやら私に付き合ってくれるようだ。
「……どうぞ、ご無事で」
警戒しながらもルナ殿下は出口へと駆け、ノーフェイスの橫をすり抜けるとその勢いのまま扉を開き、部屋を出ていった。
開け放たれた空間を嫌うようにノーフェイスは靜かに扉を閉め、何かの魔導を起させる。おそらく黃金の葡萄亭にもあった盜聴防止の類のモノだろう。
「さて、話とはなんだ?」
この聲、そして二人になってから急に変化した雰囲気……間違いない。
「生きて再會できるとは思っていませんでした……兄さん」
「気付かれていたか。もう70年も會っていなかったのに、聲だけで分るものなんだな」
「ずっと……ずっと探しておりました。今までどこで何をしていたのですか?」
「ネルフィー、“リオン・ガーデン”という男は死んだんだ」
「どういうことなのですか!? 意味が分かりません!」
「それは俺の口から伝えるべきことではない。それに、ネルフィーも自分の信じる道を行けばいい。ただ……そうだな。その一助として、これをお前に渡しておこう。もう俺には必要のないものだ」
そう言って投げ渡された一冊の本。パラパラとめくってみると、隨分古びてはいるが破れたり汚れたりしている部分はない。とても丁寧に扱われていたのだという事がよく分かる。
「これは……?」
「その本には人魔大戦頃のダークエルフの歴史が記されている。我らの祖先が殘したものだ」
ダークエルフの歴史……。
およそ2000年前に起きた戦いで魔王が封印された後、ダークエルフ族はスフィン大陸全土で人間から迫害された。理由は魔族側と繋がっていたというも葉もない噂からだ。ダークエルフがスフィン大陸の各所に隠れ里を作ったのもこの時代。
エルフやドワーフなどの亜人とはその頃も流があったと斷片的に聞いたことはあったが、その全てを聞く前に産まれ故郷であるダークエルフの里は何者かによって襲撃をけ壊滅してしまった。
兄と私は別のエルフやドワーフ、獣人などが隠れ住んでいた『幻の森』の集落へと逃げおおすことができたのだが、ある日……兄は私の前から姿を消してしまった。“旅に出る”とだけ書置きを殘して……。
「そんなをどこで?」
「我らの生まれ故郷の隠れ里だ。お前も一度行ってみるといい」
まだ頭が混している。行方不明だった兄がノーフェイスだったということはこの際置いておいて、これからどうするつもりなのかは聞いておきたい。冒険者を始めたのも、兄を探すために國をいで々な場所へ行くことができるようにするためだった。それでも70年間も會えずにいた。死んでしまったのではと考えたことは數えきれない。
ただ、これから兄が先向かう先が私とは別の道だという事は、その雰囲気から何となく理解できる。……できてしまう。
だが、聞かなければならない。
「兄さんは、これからどうするつもりなのですか?」
「この國での目的は果たした、とだけ言っておこう。今後のことをお前に伝えるつもりはない」
「……っ!」
その一言を兄がどんなつもりで言ったのかは分からない。しかし、それは私の心を抉(えぐ)るには十分すぎものだった。
「ふぅ……。お前の仲間が來たようだ。俺は先に進ませてもらうよ」
「待っ……」
呼び止める言葉を言う間もなく、兄はこの部屋から姿を消してしまった。
まるで、最初からこの場には居なかったかのように……。
押し寄せる空虛で自然と落とした目線の先には、兄から渡された一冊の本が殘っていた。
次話は12/16に投稿予定です!
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