《斷罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪を目指す(第三章完結)【書籍化、コミカライズ決定】》23.男爵令息は張り切る
商人ギルドへは自分だけが行くと思っていたので、ヘレンが同行する展開に心臓が早鐘を打つ。
侍を裝い、ヘレンが一歩後ろをついてくると歩き方すら忘れそうだった。
(しっかりしろ! 良いところを見せるチャンス……というか、クラウディア様の期待に応えないと!)
ニアミリアが新たに婚約者候補として擁立された件は、王都にある商人ギルドの本部も驚かせた。商人ギルドは、時としてどこよりも早く報を握っていると自負している。
行商人によって得られた報が各地域の支部へ上がり、すぐさま王都の本部へ集められるからだ。
報は鮮度が命である。
けれど今回に限っては、その報が間に合わなかった。
本來なら早馬を使ってでも報されるべき報がなかったことで、王都の組合長はサスリール辺境伯領の支部に不信を抱いている。
それもそのはずで、パルテ王國からの使節団は必ずサスリール辺境伯領へ寄り、移中に必要な資を購する。戦爭を仕掛けられそうだとまではわからなくとも、有力家族の令嬢が同行している以上、何かしらいつもとの違いを察して然るべきだ。
どんな小さな報でも共有するのが商人ギルドであるにもかかわらず、支部はその慣例から外れた。
(めだから今のところは黙ってるけど、影響があるならクラウディア様にも報告しないとな)
本部を中心に各支部で繋がりがある商人ギルドだが、いかんせん商人故の悪癖は消せなかった。
平時なら商人を助ける組合として問題なく機能する。
それが有事――商機が絡むと話は変わった。本部と共有しなければならない報を支部で獨占し、利益追求に走ってしまうのだ。
実のところブライアンは、王都の組合長からも様子を探るよう頼まれていた。
(部外者のおれがどこまで話を聞けるか)
小さいもののエバンズ商會の支部は辺境伯領にもある。けれど本部と同様に報はなかった。
もし支部が報を獨占している場合、エバンズ商會は爪弾きされていたことになる。
(獨占するなら支部の上層部で握るだろうし)
エバンズ商會が大きな契約を取れるようになったと言っても、それは王都に限った話だ。
地方では領主と縁が深い商人が商人ギルドの支部長となり幅を利かせている。
どこでも現地でを下ろしている者が強い。
辺境伯の支部からすれば、組合に所屬しているとはいえエバンズ商會はよそ様だった。
商人ギルドの口である木製のぶ厚い扉を開く前に、ブライアンはヘレンを振り返る。
重厚なレンガ造りのおかげで中から音はれていないが、部の様子は安易に想像できた。
「賑やか、というよりはうるさい場所です。無禮な人もいるので、おれの傍から絶対に離れないでください」
「ブライアン様に従います」
「えぇっと、おれは男爵位に過ぎないので、そんなに畏まってもらわなくても大丈夫ですよ」
「クラウディア様のご友人に失禮はできません」
「あー、そうですよね……」
個人的にもっと気楽に接してほしいという願いは葉わなかった。
(クラウディア様の友人と認められているのは嬉しいけど、ままならないな)
同じ空間にいても、分差が邪魔をして話しかけられる機會はない。
そしてしっかり線を引かれている覚があった。
(嫌われてるじはないんだけどなぁ)
仕事相手への接し方を徹底されている気がする。
ガードがとにかく堅かった。
(せめて頼れる人間だと認識してもらおう!)
一筋縄でいかないのは、これまでの流でわかっている。
いつか心を許してくれるときが來るのを期待して、気よく頑張るしかブライアンにできることはなかった。
扉を押し、商人ギルドへる。
一歩足を踏みれた途端、飛びう怒號が嵐のようにじられ、顔面に風が吹き付ける錯覚を覚えた。
(事務手続きをする場所なのに、どうしてどこもうるさいんだ)
ギルド相手にも利益追求に余念がないからだろう。しでも損があると喚き立てる商人がほとんどだった。
ヘレンが引いていないことを祈りながら付カウンターに並ぶ。お忍びのクラウディアとは違い、ブライアンが辺境伯領に來ているのは知られている。
王家や他家の介を嫌う辺境伯も、下級貴族である男爵は意識の範囲外だった。
けれど商人ギルドは違う。
支部長もニアミリアの件で、本部から人が來るのはわかっているはずだ。
それがブライアンだという確証はなくても、エバンズ商會の名聲は辺境伯領にも屆いていた。
よそ者だと爪弾きにされていても、ここにいるのは次期當主であるブライアンだ。
更に言えば平民ではなく、貴族の、である。
(さて、どう出るか)
ヘレンに問題はないかと視線を向けながら商人ギルドの反応を待つ。
このまま何事もなく待たされるのであれば、歯牙にもかけられていないということだった。
(それはそれで時間は有効に使わせてもらうけど)
耳を澄ませて付周辺での會話を盜み聞く。
誰がどういう目的で商人ギルドを訪れているのか。
単純な容だが、それを知れるだけでもブライアンとしては得るものがあった。
日々
「僕は極力無駄な力は使わない」 何事にも無気力なトモキ。彼は今年から高校一年生になる。しかし、彼は高校生活など特別だとか楽しいとかは考えない。ただ靜かに生きたいと願うトモキだったが。 ______________________________________________ ⚠️ここからは作者あいさつです。 どうも、皆さんはじめまして?らーあわと申します。この作品は初めて書いたものなので、暖かい目で見ていただけると幸いです。 読みやすいように難しい単語を使うのは避けています。これは私が初めて書いたものでして、他のところに保存してあったのですがなんだかんだ、何ヶ月か前にノベルバにあげさせてもらったんですけど、2話くらいで終わらせてしまったので再投稿ですね! 専門用語などたまに出てきますが、できるだけ解説します。 少しでも楽しんでいただけたら幸いです。 完結します!
8 128転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~
◇ノベルス4巻、コミック1巻 11月15日発売です(5/15)◇ 通り魔から幼馴染の妹をかばうために刺され死んでしまった主人公、椎名和也はカイン・フォン・シルフォードという貴族の三男として剣と魔法の世界に転生した。自重の知らない神々と王國上層部や女性たちに振り回されながら成長していくカイン。神々の多大過ぎる加護を受け、でたらめなステータスを隠しながらフラグを乗り越えて行く、少し腹黒で少しドジで抜けている少年の王道ファンタジー。 ◆第五回ネット小説大賞 第二弾期間中受賞をいただきました。 ◆サーガフォレスト様(一二三書房)より①②巻発売中(イラストは藻先生になります) ◆マッグガーデン様(マグコミ)にてコミカライズが3月25日よりスタート(漫畫擔當はnini先生になります) https://comic.mag-garden.co.jp/tenseikizoku/
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