《彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…》第39話 栗生院の葛藤
ついに…ついに…ここまで來たか…。
ホテルのスパで時奈さんを待って出てきた時はあまりの綺麗さに揺を隠せない。
いつも二つにくくってる髪はほどけてサラサラにしてもらってるし。
白いもやはりピカピカだし…
いや、こんな気持ち始めてで今すぐ抱きしめてキスしたい衝に駆られ必死で耐えたけどね。
夕飯中も見惚れてなんか溢したり落としたりして僕らしくない失態を曬す。
ああ、二人きりでテラスで食事しても良かったけどそれはまた明日に取っておこうね。
夕飯が終わり部屋まで送った時も鍵をかけておくように念りに言っておいた。
夜中に僕が無意識に押しかけてしまったらダメだし。
お土産に買ったロバのの子を傍らにニマニマしていると鳴島が袋を攜えてってきた。
「坊っちゃまお休みの所申し訳ありません、頼まれていたワインにオリーブオイル、その他もろもろに後はあの男のことですが…」
と時奈さんが蜂に刺され車に乗り込む時に見た不審な男の報を持ち帰ってきた鳴島に
「うん、何だったの?あのハエは?蜂だのハエだのいい加減にしてしいよ…ハイジャックするバカ共もいたし…で?やはり叔父さんの仕業か?」
「恐らくはその筋ですな。男は雇われてやっただけと泣いておりましたが蜂も従業員の一人が吐きましたね。小瓶にれて放っただけで雪見様に偶然刺さりましたがね」
「標的は僕ってことでしょ?まったく迷な…。倍返しで家中に大量のスズメバチでも放ってやろうか」
僕の両親を巧妙な手口で事故に見せかけて殺したことを知った時は腹わたが煮えくり返ったけどそれ以來親戚は信用しなくなった。
世間もだ。ある時は友達を使って僕を殺しにきたりしたのは驚いたけどね。
まだ小さい頃だったから友達は変な大人が単純にジュースを奢ってくれたのを信じて僕に渡しただけだけどそこには毒がっていて先に飲んだ友達は倒れた。
友人とは淺い付き合いしかしてこなかった。
の子にしても目でみたりされるけど、中には変なもいて叔父さんに雇われたことを話した代わりに抱かせろだの要求してくるので投げ飛ばして気絶させ、催眠師に頼んで忘れさせたりした。
信頼できる大人は鳴島くらいしかいなかったから彼を父親みたいに思ってたことも小さい時はあった。
よく泣きついたけど、強くならないとこの先生き殘れないことも學んだ。
叔父さんが裏で支援しているのが正義の組織だと分かると僕は反対に悪の組織を立ち上げ全面抗爭になった。
正義のくせに実はよほど悪どいことを企んでるし、表向きアイドルみたいに売り出しているヒーロー達にも腹が立つ。
特にレッド。
勘はいいし、時奈さんのことも叔父さんに吹聴でもされたかな。
目をつけられたのも僕のせいだ。
元婚約者の今は刑務所にいるあのが起こした件についてもだ。
裏の裏を探れば全て叔父さんに辿り著くからどうでもよくなってくる。
海外まで來て邪魔するのにも腹立つけど。
「坊っちゃま…そろそろ會議の時間ですので」
と裝飾された例の仮面を投げられた。
あー…もう明日のことしか考えたくないのにー。
「わかった、5分だけね」
と鳴島が遠距離中継機で撮影する。
もはや仮面付けてゴロリと橫になっただけだ。
カメラが繋がると幹部4人が一列に並んで定期報告をする。
「ラキュラス総帥!バカンス中申し訳ありません!」
と一応悪の組織っぽく作っといた四天王の一人リュベールが汗をかきながら報告する。いつ見ても汗かいてるなこいつ。
四天王って言っても普通の人間もいるだろうし、こいつは普段から上司に頭をヘコヘコ下げる奴なんだろうね。
奇抜な銀蛇のアクセサリーを首からたらし、肩はク●パみたいな棘つき肩パットのコスプレだ。
「ほ、本日は我々の勝利です!レッドが休暇中らしいし、相手はほとんどグリーンだけだったので!」
とヘコヘコ汗かきながら言う。勝ったのにヘコヘコすんな!
「おい雑魚グリーンに勝ったくらいで調子こくな!ま、可哀想だから今日はグリーンの家破しなくていいよ」
「はっ!」
「レッドのマンションは相変わらず隙のない高級マンションだし…」
まぁ叔父さんの出したやつだしな。
しかもレッドの正の小高は孤児で叔父さんが手配した家に引き取られ育てられたようだが実は叔父さんの隠し子らしいので本人が知ってるかはともかく、
なからずあいつは僕の遠い縁なのかな?
小高の実の母親も不審死したらしいがどうせ叔父さんだろやったのだろう。どうでもいいけど。
「ゴリラ島から戻ってきた部下の鋭気溢れる怪人達の最近の活躍も見事ですよ!」
「あっそう、そっちは頑張ってるみたいだね、とりあえずバナナを褒に島に送っといてくれる?」
「了解しました!!」
と中継會議を終わらせた。
「いつの間にかゴリラ島と呼ばれてましたな」
と鳴島が言う。ほんとになんだ?
「ゴリラと怪人に絆でもできたの?…まぁどうでもいいんだけど!」
「坊っちゃま…明日は本番なのですからお早くお休みくださいね、準備は萬端にしておきますので」
「わかった、よろしく頼む」
と鳴島が下がり僕は計畫の変更はあれど明日のことを考えて眠る。
次の日時奈さんを部屋まで迎えに行き、朝食を食べ著替えて二人でプールに向かう。
日焼け止めマシーンに驚いたりするのがいちいち新鮮で楽しい。
でも水著姿は流石に可いくてずっと僕だけが見ていたい。
彼はメガネを外してあまり遠くが見えなくなることはちょっと誤算だったけど、もし転んだら危ないのでしっかり導してあげないとね。
ボールを投げ合うなんて幸せな時間が永遠に続けばいいのにな…。
でもちょっと彼に疲れが見えてきたから時計を見るともうすぐお晝だった!
僕としたことが時間を忘れていたようだね!やはりするとアホにしかならない。
気をつけねば!
プールから上がる際は時奈さんが転びそうになったから咄嗟にを支えたけど、
れたことにより一気に理が一瞬ぶっ飛びそうになり慌てて自分の頰をバチンと打った。
まだ本番じゃないからこんなとこで無理矢理押し倒したりしたら確実に嫌われるだろう。
はあ、危なかったよ。
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