《彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…》第74話 帰ってきた王様
「雪見…時奈…」
暗い部屋でノートパソコンの明かりだけがっている。
畫面には
【悪の組織ケルベロス戦闘員Eこと栗生院吉城の彼は平凡な子高生雪見時奈】との見出しと共に2人の顔がUPされていた。
何でなの?何でこいつが!!
彼はカタカタとE様親衛隊のページにログインし、會員専用のチャットを開いた。
(ご機嫌よう!)
(真理亜様!)
(バレンタインで來年から3年ペナルティであげれない子達が多く出たようね)
(くっ!申し訳ありません!)
(仕方なくてよ!それが彼等の決めたルールでしょう?とにかく雪見時奈は邪魔でしかないわ!あの子を暗殺したら栗生院吉城は絶するわね)
(え?真理亜様?騒な…どうしたのですか?)
(あらごめんなさい?もしもの話だわ!)
(そうですか…)
(そうそう、私、父の事業が落ち著いたのでそちらに転校しようと思いますの)
(真理亜様がこちらに?まぁ!何と頼もしい!これで雪見時奈もお終いですね!)
(そうね、あらもうこんな時間、付き合わせてすまなかったわね、綺羅里さん!)
(滅相もございません!それではまた!)
とチャットを閉じた。
西園寺綺羅里は雪見時奈と同じ學校でE様親衛隊の中でも人にるだろう。
ただ、彼は今3年で3月には卒業する。
その後釜を私がやればいいのだ。
ふふふ…待ってなさい!雪見時奈!
あなたをネットで見た時はビックリしたわ!
そしてあなたが栗生院吉城の彼とはね!
栗生院吉城!確かにイケメンだわ!
でも彼は…私の父を罠にはめて、政治家を引退させた黒幕であることを私は知ったの。浮気する父親にもバカでけないとは思ったけど。浮気相手をしつこく問い詰めたらやっと話してくれたもの。
全ては雪見時奈に繋がっていたのよ!私がい頃彼をめたことをにもってあのイケメンに頼んだのね?なんて卑しい!
パン屋で働いていた母親は謝料を父からたっぷり取り別れて、私はママと暮らしている。幸いママは今、お金持ちの男と付き合っているし再婚ももうすぐかしらね?引っ越すのがその証拠だし。
「雪見時奈!絶対に許さない!絶対に栗生院吉城と別れさせてみせるわ!」
と真理亜は誓った。
*
その朝もまだ寒く、私は起きて暖房をれ支度して朝食を作る。トントンと味噌を作っていると吉城くんが起きてくる。いつものイケメンの寢起き素晴らしい!しばらくボーッとしてるのもなんか可く思えてきた。
「おはよう!吉城くん!」
すると彼はやっぱりボーッとしながらもこちらにやってきて
「おはよ…」
と抱きつく。
だんだん覚醒してきて
「今日も味しそう…」
と言う。お弁當のことかな?こんなのでいつも申し訳ない!吉城くんなら毎日焼弁當食べててもおかしくないよね?
「お弁當も普通だし、もっとなんか可くつくれればいいのに…ごめん」
そう、私は…全く不用でとても弁當にハート型にそぼろを巻いたりタコさんウインナーとか作ったりなんか可いらしい子力なんてなかった。せめて茶一の弁當を避ける為に頑張っているくらい。
「時奈さんらしいと思うけど?」
彼は気にせず嬉しそうに言う。
「そうだ、誕生日の旅行のことだけど、帰ってから話そうか?」
と言う。気づけば私の誕生日、3月3日が迫っていた。よりによって雛祭り。
豪華な雛人形なんてお店を通りかかるだけでとても家には飾れなかった。いつも自分で折り紙で雛人形を折って作っていた。
「うん、楽しみにしてるね旅行!吉城くんの誕生日には行けなかったし」
私も何か彼にプレゼントを用意しなくちゃ!
「僕は時奈さんとゆっくりできればそれで幸せだけどね、いつも幸せだけど」
新しい悪の組織ケルベロスはなんか怪人達と今では街の清掃とか、怪人を元に戻す研究とかされてるらしい。怪人にも家族がいる人は多くそう言う家族は今まで世間から冷たくあしらわれていたが蔵馬氏の悪事がバレて怪人はむしろ被害者になった。
もちろん蔵馬氏に命じられて無理矢理戦っていた元ヒーロー達の暁雄さん達は支援団を設立した。もはや何処が悪の組織だ?と言われそうだけど暁雄さん曰く
「の子はちょっと悪い男に惹かれやすいからね」
といつものようにウインクする。
それに蔵馬氏に協力していた奴らを洗い出す活なんかもかにしているみたいだ。その証拠にネットではある噂がある。
(もうししたらなんか新しい正義の組織ができるかもしれないって!)
(何それ何処報?)
(知らないけど…今度の正義の組織って…ヒーローじゃなくて戦士とか)
(戦士って何それ?アニメ?男たちが喜びそうよね)
(斷固ケルベロス派だわ私!)
(でももしできたら男VSの闘いにならない?)
(なんて紅様たちは相手にしないわよ!)
と言う噂だ。
戦士って…。
「なんて嬉しいね!もしそんなのが現れたとしても全員俺が墮としてあげるさ!」
と前髪をかき揚げながら暁雄さんが余裕で言った。おい、あんた運命の人探しどうなってんの。
私の噂も相変わらずある。
やはり容は酷いものだけど。吉城くんと別れろだの、不釣り合いだの、消えろだの…。ブスだの。
あまり見ないようにしてるけどやはり辛い。
「それじゃ時奈さん今日も勉強頑張ってね」
と車でキスされ見送られるとどうでもいいかそんなの!!と思える。
浮かれながら學校に行くとファンクラブの人に睨まれたりするけど。先輩達ももうすぐ卒業するし何とか辛抱しよう!
しかしその矢先だった。
職員室から誰か出てくる。スラリとした人。
そして私に気付くと彼は笑った。
「あら、雪見時奈…じゃない?久しぶりね!」
彼は私を呼び捨てにした。
カツカツと近付いてくるその顔に覚えがあり私は一気に青ざめた。
「笹野原真理亜さん?」
「あら、覚えていたの?でももう笹野原じゃないの!親が離婚して母親の姓の辰巳になったのよ?貴方のせいでね!…まぁまた母が再婚しそうだからそのうち姓は変わるでしょうけど」
と彼は言い、私が持っているお弁當を見て
「あら?もしかしてこれ貴方が作ったの?どんなのか見せてしいわ!」
「えっ…」
と言う間に取り上げられ蓋を開けられる。そして…床に派手に溢された。
「あら、ごめんなさい?手がって…」
と奧からファンクラブ會長の西園寺さんがやってきた。
「何事?あら、汚い!誰がこんなことを?」
と私のお弁當のおかずをぐしゃりと踏んだ。
今日は枝利香さんは風邪で休むと連絡があったのでいない。
「ごめん…なさい…すぐに片付けます…」
と私は雑巾を取りに行くと後ろから押されて水道に頭をぶつけてその時にピシリとメガネが割れた。ぎゃあ!バイトで貯めて買った新しいメガネだったのに!!
あれ?これもしや私…められているのでは?
いやめられてるわ!!
枝利香さんがいたから何とか凌げていたけどいない日とかにあからさまに攻撃してくるなんて!
「あら!何なのこれ!」
と親衛隊の先生まで加していよいよ私は怒られつつ片付けて、あの頃の慘めさが蘇ってきた。
転校してきたのだ…。王様が。
私の中に怖いというが再び燈った。
元々王様から逃れる為に遠くの子校に來たのに!
それに王様は私のせいで親が離婚したと言った。どういうこと?何もしてないよね?
……と考えてハッとした。
彼に出會った頃、彼は私のことを調べて苛めっ子の家も調べて早急に対処させるとか何とか言ってたような!!
ていうかそれだ!!
うわあおおおおう!!まさかのっ!
な、なな何をしたんだ栗生院氏ーーー!!
あ、まさか私が彼に頼んで離婚させたとか思ってる?いや絶対に思っておる!
でもこのことを吉城くんに言うとまた怒って心配されてまたしても彼を潰そうとするかも!そうなれば堂々巡りだ!
い、言えない…。
何とか吉城くんには王様が転校してきたこととか隠さないと!私の問題に迷かけるわけにいかない!
私はこぼれたおかずを片付けながら決心した。
嘲笑う聲は廊下や頭に響く。
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