《彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…》【閑話】翡翠のお見合い
俺は新悪の組織【ケルベロス】の幹部翡翠!!
用務員ではないぞ!
現在ケルベロスでは主に怪人達を元に戻す研究等がされている。怪人達は蔵馬氏に洗脳され自我を失った者も多くいる。もちろん思い出している者もいるが、吉くんが…前の総帥だった頃は催眠をかけて彼等のショックを和らげるため怪人だと思わせておいた。そしてそれはその怪人の家族にも施されていた。
【セントユニバース】壊滅後…世界中に蔵馬氏の悪事が知れ渡り怪人達を救う活が行われている。
ということで暇になった俺はアニメイタ店員になり大好きな達を眺める日々を送っていたが、ある日育ての親の若竹夫妻から
「隆…見合いをしてみないか?」
と言われた。
「えっ!?」
俺は青ざめた。見合いって3次元と?結婚しろってこと?
そりゃいつかはと思ってたけど!
「お見合いサイトってのがあるのよ!何でもA Iが理想の相手を選んでマッチングさせてくれるとかいう」
お母さんが言う。
「何それ…怪しいよ…」
「隆…お母さん…インドさん達親子や桃華ちゃんと昴くんとこの前街で會ってね…とても幸せそうだったわ…それで隆さんは病気だから一生結婚できませんよねって言われて…」
「あいつらが言ったことなんて気にしなくていいよ!母さん!」
あいつら!余計なことを!
「だが、隆…趣味もいいけどそろそろ現実を見た方がいい。一回でいいから會ってみないか?」
お父さんが苦痛な顔をした。
「隆…人形のお嫁さんは家事をしてくれないし子供も産まないのよ!目を覚まして!」
お母さんが泣き出した。
お父さんがなだめ、俺は観念してお見合いに行くことにした。
一応相手の顔を見せられた。
何と言うか結構俺のタイプだった。
全的に小が漂う可いメイドさんタイプで目はくりくりしているしも大きいしヤーチューバーの咲ちゃんほどじゃないけどこれはこれでいいかも!!
と仕事帰りに何故か咲ちゃんとなっていた吉くん達に自慢したらめちゃめちゃ詐欺だとかサクラとか言われたが俺は気にせず…気にしないようにお見合いの日を待った。
俺だってケルベロスの幹部だしな!ビシっとスーツを決めて俺は待ち合わせの小料理屋に向かう。若竹夫妻が先に著いていた。
「父さん母さん…」
「ま、まぁ隆…お母さん嬉しいわその気になってくれて!」
「3萬も払ったしな…大丈夫だよ」
大丈夫と言いつつ二人共不安そうな顔をしている。
そして相手が到著した。
付き添え人の年配と共に現れたは…アプリで見た顔と全く違っていた。
全的に野味あふれるパリピ…いわゆるギャルみたいな風貌で目元が裝飾され一応著を著ているが著が…ギャル仕様なのか何なのかとにかく派手で蝶の模様にレースまで著いてる!
俺の嫌いなタイプだわこれ。爪もゴテゴテにデコってる。
「…………」
俺はチラリと若竹夫妻を見たが二人とも真っ白になっていた。
「始めあしてーっ!!つか全然違うしアプリと!イケメンじゃないしっ!やっぱ信用できねーなこれ!」
とギャル…綾瀬瑠夏が言った。
付き添え人は
「あら…そうですか?まぁ寫真は2割増しで寫るものですから」
と言った。
全然2割じゃねぇし!!どこもかしこも似てないしなんならバイトしに來たが見えるわ!サクラだよな!これギャルのサクラ!!
「それでは若い二人に任せて私達はしばらく退席しましょうか」
と付き添い人が聲をかけ若竹夫妻は無言で立ち上がる。
「父さん!母さん!」
おい!いくらなんでもこれは酷いぞ!信じた俺がバカだったよ!!
すると若竹夫妻は親指を立てて頑張れと言い足早に去った。
うおおおおおおいっ!逃げたよっ!
こうして俺はギャルと殘された。
「ていうか、あんたあれじゃね?元ヒーローグリーンで今なんだっけ?ケルベロスの用務員だよね?どっかで見たと思ったら!」
「用務員じゃない…幹部…晝間はアニメイタ店員」
ボソボソ言うと
「はっ?聞こえねえし!もっとデカい聲で言ってくんない?」
くっ!もはやお前と話すことなんかないわ!帰りたいわ!でも3萬払ってるし時間まで仕方なくいるんだぞ!このバイトのギャルめ!!
「…うるせえなっ!用務員でいいわもう!どうせバイトで來たんだろ!」
と怒鳴るとギャルは驚いて
「は?バイトじゃねぇし!さっきも言ったけどイケメンだからいいかと思って來たし!ほら!これ見なよ!」
と自分のスマホに寫った俺らしきイケメンを見せた。うん、全く違うしアプリの方がイケメン!!
「何?じゃあ、どっちも詐欺じゃん…」
俺もアプリのギャルの元の可い子を見せた。
「…訴えてやろうかマジ!」
ギャルも怒った。まぁそうだわな。
「俺は3萬払ったけどな」
「ふーん、あたしは5千円だけど」
はあ?何での方が安いんだよっ!不公平過ぎるわ!!
「まっ、時間までゲームでもして暇潰すかね」
最悪だこのギャル!もはや俺と話すことはないらしい!これでも元ヒーローだし今幹部だぞ?聞きたいことないの?俺ってなんなの?
「來るんじゃなかった…」
俺はもう機に突っ伏して泣き出した。
「ちょっと!あたしが泣かしたみたいだし辭めてよ!」
周りがジロジロ見出したので慌てた彼は俺を連れて小料理屋を出た。そしてカラオケに連れてかれて
「あんたが奢りなよ!」
と言われた。割り勘じゃねーのか!!
つかカラオケなんかりたくないわ!俺アニソンしか歌えないし!
というかアニソンすら歌わしてくれずずっとマイク獨占だしこいつつまみまで頼んだし!図々しいし!
怒りが込み上げ
「おいいい加減にしろよ!俺だって騙されたのに何でこんな目に遭わなくちゃいけないんだ!神さまは何で俺に冷たいんだ!俺が何したって言うんだよ!!」
「ちょっとうるさいな!そんなのあんたが運悪いだけでしょ!」
「うるさいっ!若竹夫妻に勧められたから來たんだ!育ての親だし!」
「え?育ての?あんたあれ本當の親じゃないんだ?ウケる!」
俺はバンと金を置いて部屋を出た。
気分が悪くなった。
確かに本當の親は俺なんかを捨てたしどうでもいいけど若竹夫妻をしでも悪く言うことないだろ!一応心配してくれたのに。
ギャルが慌てて追いかけてきた。
「ちょっと!ごめん!悪かったよ!一緒に戻らないと変に思われる!」
「………」
俺はもうこいつと喋ることなんかない。
タイプでもないし腹立つし。
吉城くん達に言ったらまた笑されるだけでまたいつも通りの日常だ。
彼とも結婚もしない!これだから3次元は嫌いだ!!
「そういやあんたさ、思い出したけど何で何回も家燃やされてたの?テレビで見たけど」
燃えてく嫁達のトラウマが発した。
「うるせえなっ!どうでもいいだろ!それ知ってどうすんの?ブログかSNSにでもあげんのかよ!?」
クソがっ!
「別にそんなことしないけど…可哀想だなって思って」
同されたよっ!ギャルに!クソがっ!
「あーそうですよ、俺は可哀想だ…仲間にも馬鹿にされるし家は腹いせで燃やされるし…フィギュアで心癒されてたらキモイ言われるし!見合いしたらギャル出てくるし!」
「おい、今日のことはお互い様だろうが!」
ギャルがキレた。
「大ネチネチなんなの?そんなだから嫌われんだよ!ふざけんな!あんたなんてこっちから願い下げだわ!あたし帰るわこのバカが!」
バシンっと頰を毆られて俺の見合いは終わった。
まぁこんなもんだ。
それから一人でさっきの小料理屋に戻るとギャルがちゃんと先にいた。帰ったんじゃないのか。
「おい隆!この人置いて突然泣き出して出てったらしいな!謝れ!」
「は?」
何?そう言うこと?
「…すいませんでした」
睨むがギャルはフンと橫を向いていた。
「…それではこれで失禮しますね」
夫婦は頭を下げて俺を連れその場から去る。
「ごめんね隆…さっきこっそり調べたらやっぱりあのサイト詐欺だって…」
「ああそう…やっぱり」
「すまん隆…すまん!」
「もういいよ…父さんも母さんも俺を思ってしてくれたんだろ?俺はいいから」
そう言い俺はマンションに帰った。
そういや吉くん達旅行か。暁雄も晝間講師やり出したし…しかも珍しくと手を切って職場のにれ込んでるとか前に吉くんが言ってたな。桃華と昴は相変わらずだしインドも家族中良いし。蒼太郎もやはり彼と仲が良い。俺は一人だな一生。泣けてきたわ。
次の日アニメイタにバイトに行くと新しいバイトがってきた。
「初めまして…綾瀬瑠夏です」
そこには黒髪で素顔が地味で服も量産型のの子がいた。うん?同姓同名かよ。
「綾瀬さんはったばかりだし若竹くん教えてやって!」
と店長に指示されたので
「はあ…」
と応えて教える。
「つか…何であんたがいんの?」
昨日聞いた聲が二人になると返ってきた。
「は…お前やっぱりギャルか!!」
「てめっ!喋ったら殺すぞ?あ?」
「ひ…ひいっ!」
何で俺が脅されなきゃならないんだ!
理不盡っ!!
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