《男嫌いの悪役令嬢はイケメン悪魔と契約し攻略対象から逃げ切ります》
こんなイケメン悪魔で、願いを葉える為に処しょじょを捧げろと言ってくるくらいだから、こいつ、私の前の主人とはそういうことをしてるわけよね!いやらしいわ!不潔だわ!ほんと!!
「あーあ、ほんとなら一生キスなんてするつもりなかったのに契約の為、奪われたわ!私のファーストキスが!くうっ!」
と言うとルーカスは
「ああ、俺もさっきの初めてしました!!」
と言いずっこけた!!
「はい?貴方あなたねえ!処しょじょくれとか言っておいてなんなの?騙してんの?流石悪魔だわ!そんなわけないでしょうが!前の主人とあんなことやこんなことをやりまくってるに決まってるじゃないのよ!!」
と言うとルーカスは
「いやあ…俺…悪魔學校、出たでたばかりなんで、お嬢様に呼ばれたのが初めてなんです。つまりこれは、初仕事はつしごとなわけですよ?學校で習ったんですよ、人間に呼ばれたらとりあえず処しょじょくれって言えって!」
「なっ…何なんですって!!?貴方あなたじゃあ貞?いえ、學生時代とやらに流石に彼はいたでしょう?ほほほ!騙そうとしても無駄よ?」
こんなイケメンに彼がおらんはずがない!!
「いやあ…なんていうか、うちの學校、男子校だったし?そういうのないんです。ほんと。全くの子とかにも興味なかったんで。男にもないけど。音癡なんですかねー?あっはっはっはっはっ!!」
とルーカスが笑った!
え?
こいつ、めっちゃピュア?それともやはり、そこは悪魔だし噓つきなのかも!!ダメだ信じるな!
「キスというのは、さっき初めてやりましたけど、あんなじなんですねー?普通の人はどうなのか知りませんけどー??あ、貴方あなたの前世でやってた、その乙ゲームとやらでは、どんなキスしてたんです?」
と聞かれて私は思い出してゾワリとした。
「めっちゃ濃いやつ!気持ち悪い!絶対あんなのやりたくない!!」
と、スチルとかいうの思い出しておもいだして、私は吐きそうになる。イラストは綺麗だけどサウンドが嫌過ぎた!エロゲームかよ?と思ったけどギリギリエロゲームではないのにな!!リップ音おんとか要らんやろが!!って思った。
「ほお……まぁもう夜も遅いですし、さっさと寢てくださいよお嬢様…俺は、隣となりのお部屋おへやで眠らせてもらいますね。丁度、空き部屋だったので改良させていただきました!おやすみなさーい!」
と下がった。
「はあ…なんなの、あの悪魔は…まぁ、あいつは蕁麻疹じんましん出ないし私のみもなんとかなりそうね……」
変わった悪魔もいたもんだわ。
*
自分の部屋?というか改良した部屋にるルーカスは思案していた。
初めての仕事主しごとぬしだし、ヘマはしない。學校で習った処しょじょ要求は主あるじが男嫌いなので譲歩したけど、まぁ…あれで良かったよね。
でも爺さんの手、握ってもにきっても蕁麻疹じんましんでるなんて…主あるじ一生結婚できないよな。可哀想に。
いや、したくなさそうだからいいのか?主的あるじてきに。
しかし主あるじが言っていた濃い気持ち悪いキスとかもあるんだなぁ…人間って変なの。
そういや俺、処しょじょくれって言ったけど、あの授業めっちゃ眠くて寢てたんだよね。
…なんだろ?処しょじょって??
と純なルーカスはポフリとベッドに橫になった。
*
次の日、アリーセお嬢様が、また確かめるから手を握ってと言い、握手に応じるがやはり蕁麻疹じんましんは出ない。
「やっぱり貴方あなたが悪魔だからよ!絶対そう!」
「何でもいいですけどねー…」
と、コポコポと紅茶をれる。
「あら、上手いわね」
と、アリーセお嬢様が言い、
「悪魔は何でもできるので普通ですねぇ」
と、言っておいた。
「あ、あ…貴方あなたはその…嫌じゃあなかったの?昨日のキスは!貴方あなた初めてでしょ?」
「はぁ、契約のキスでしょ?別になんとも…」
と、言うと
「な、なんともももおおお?あんなじとか言ってなかった?どう言うじだったのよー!」
どう言うじと言われてもねぇ…
あれが初めてだし、他に比べようがない…。
「しいて言えば…らかかった、くらいですかね…そちらは?」
と聞くと真っ赤になり
「淑しゅくじょに失禮なことを聞くなー!!」
と毆られた!!
「ええ??」
人間はよく判らないよ。
するとオットマー執事長が、おずおずってきて
「アリーセお嬢様!來られてますこられてます!第一王子、エドヴィン様がお見えに!!」
*
第一王子、エドヴィン・フルトベェングラー様が!?
げえええっ!どうしよう!!婚約者だし會わないと失禮か!?いや、學園始まったらヒロインの方ほうに行くんだからわざわざ來るなくるなっての!!
チラリとルーカスを見ると
「オットマー執事長…お嬢様はちょっと、お腹が痛いそうですよ?」
と言ってくれた!ナイス!!これで帰ってくれるかな?
「私も実はそう言って帰そうとしたのですが…余計に心配になり、見舞いたいとこちらに向かっております!!」
なっ!來るのくるの!?ひいいい!
するとパチンと指を鳴らしてルーカスは執事長を眠らせて私を抱えて窓を開けてヒョイと空中を移しそのまま屋の上に著地した!!
「えええ!?」
やっぱりルーカスにられても蕁麻疹じんましんは出ないけど突然の空中浮遊に驚いてしまう。
屋敷の中からは
「お嬢様はどこだ!?」
「アリーセ様!!」
と探し回る聲。
「ちょっと!いきなり消えたら皆みんな拐されたと思うじゃない!!」
ルーカスはポンと手を打つと
「あっ、そっか!それもそうだな…代わりみがわりを用意しておけば良かった…アリーセお嬢様があんまりにも嫌そうな顔してるから逃げ出したいのかと思って」
「そりゃ逃げたいわよ!當たり前じゃないの!」
「じゃっ、諦めるまで待ちますか!」
と呑気に屋に寢転がるルーカス…
流れる雲にしの風…ここにはルーカスと私がいるだけ…。
サラサラと綺麗な黒髪が靡いた。ルーカスの瞳は真っ赤なのだが、皆みんなが見ても何とも思わないのだ。
ルーカスはイケボで言った。
「さて…どう致そういたそう?お嬢様?王子の記憶を消す?王子を殺す?王子を世界から消す?」
悪魔らしく…だが爽やかに聞く。
「王子はヒロインと結ばれてしい…。でもまだヒロインと王子は出逢っていない…。王子は私へまだ心が向いている…。それじゃダメなの。僅かわずかでも殘ってたら私は、學園祭終了後、娼館に放り込まれるわ。王子だけじゃなく、どの攻略対象でもそうなるのよ!」
ルーカスは私を見て
「ふうん、そういうのが君の…この世界に縛られたルールってわけだね?」
「そうよ…私は悪役令嬢…ヒロインがどの対象者を選んでも、必ず卒業式に斷罪イベントが発生する!學校に行くのが嫌…」
「とりあえず王子の貴方あなたへの気持ちを消しますけど…何度消しても貴方あなたの姿すがたを見たら、今だけあるお嬢様への想いは復活するかも…これがこの世界のルールなら必ずそうなる」
「強制力?ってわけ?決められたの型に嵌められるのは嫌だわ…ルーカス私、考えたわ…王子の、今の私への想いを消し、記憶をすり替えて!そして私が王子には醜しこめ…ブスで格が最悪に見えるように!」
と私はルーカスに頼んだ。
ルーカスはにこりと笑み、またドキリとする。
「仰せおおせのままに!主あるじ!では、俺以外のこれから出逢う全ての男の記憶を…そのようにすり替えましょう!闘わずして本當の姿を隠して逃げる、汚い戦法です!流石我がわが主あるじ!」
と言った。
余計な一言ね!
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