《男嫌いの悪役令嬢はイケメン悪魔と契約し攻略対象から逃げ切ります》第32話 パトリック編2

カリカリと床に魔法陣の模様を描き、パトリックは魔書の手順で悪魔を呼び出すことにした。

正直怖い。

何を代償に求められるのかが。

でも、あの3人が魔書を手にしたらアリーセ嬢が困ることは想像できた。

銀の髪に蒼い綺麗な瞳のアリーセ嬢を初めて遠くから見た時僕は一瞬でに落ちた。何故かは知らないけど、これほどまでに異に惹きつけられたことはない。彼を守れるならどうだっていい!

「我がの盟約により姿を表せ!悪魔アウロラ・リーンド!」

ぶと魔法陣から悪魔が現れる。

それはなんとの悪魔で紫の髪に赤い目をして真っ黒なドレスを著ているしい悪魔だ。

しだけ見惚れるが、ハッとして代償のことが浮かんだ。何を要求されるか構えた。すると、アウロラが近寄りいきなり僕の前髪を橫に分けた。顔を確認して言う。

「お前…結構好みだぞ?何故顔を隠す?」

「………怖くて…」

「は?おかしな奴だな、まぁいい、私と契約したいならお前の貞をもらおうか?」

「なっ!!」

僕の!?ていうかなんで知って??

くっ!でも無理!僕には好きな人が!!

「むむむ…無理ですっ!それは!!他のにしてくださいっ!!」

指でも耳でも取られるかもしれないけど仕方ない!!震えていると

「なーんだ、他に好きなでもいるのか…はぁ、まあ滅多にもらえんよね」

とアウロラはため息を吐き、

「ならば手にキスしてもらおうか、それで仮契約してやる」

「え?」

思っていたのと違った!!指や耳とか取られると思ったのに

「わ、判りました!それでいいのなら!」

と僕は白い手を取りキスをした。もちろん引きこもりの僕はこんなこともしたことはない。

顔を上げるとアウロラはしだけ赤くなって

「では、願いを葉えてやろう…」

と言う。

「あの…その…アリーセ嬢って男嫌いのの子がいて…」

と僕は説明を始める。

しばらく話を聞きアウロラはうなづいた。

「ならばその娘とお前をくっ付けるのがいいな」

「いや!僕はに頼って無理矢理なんてことは嫌です!アリーセ嬢の気持ちを無視するなんて!あいつらのやってることと同じになってしまう!」

「ふーむ、主は一途だな…それにさっきから私に敬語はやめろ」

「僕、あまりの人と話さないですから…つい」

と言うとアウロラは子供の姿に化けた。

「わぁっ!!」

思わず聲を上げて眺めた!可らしいの子だ!これなら敬語なしでも喋れそう!

「さあて、しばらくはどうするかな」

「観察を続けたい。アリーセ嬢達のことや奴らの向を探らないと!」

その日からアウロラと部屋に引き篭もった。

アウロラは水晶で奴等の様子を見せてくれた。エドヴィンたちは翌日には悪魔を引き連れアリーセ嬢の部屋に押し寄せた。

アリーセ嬢の悪魔はとてもカッコ良かった。アリーセ嬢も彼には本當にれるようで安心している。いつも吐き気を抑え蕁麻疹まで出して震えていたのも知ってる。気の毒な癥狀だ。

なのに、エドヴィン達は責め立て彼は怯えていた。

アリーセ嬢は思い切って彼等の前でルーカスという悪魔に軽くキスをした。驚いた。ちょっと僕も心が痛くなったけど、アリーセ嬢がルーカスという悪魔のこと本當に信頼できて好きなことは判った。ルーカスと言う悪魔もそうだろう。見ていて判る。二人は辿々しくこれはまだ処を上げたとか言う関係ではないのだろう。演技が下手だ。エドヴィン達には判るだろう。

彼等はそれでも怒りに燃えていた。

「アリーセ嬢…大丈夫かな?」

「……パトリックもショックでしょう?心配してる場合?好きな子がキスしたのよ?」

「でも…二人は…想い合ってると思う…ちょっと恥ずかしそうなオーラが見える…」

「バカねパトリック…自分も邪魔しに行けばいいのに…」

「………でも、僕とアリーセ嬢は今までまともに會話もしてないし対面もしてない。一方的に僕が影から見てただけで、そんなこと知られたら気持ち悪がるよ、彼は男嫌いなんだよ…唯一れるルーカスって悪魔とは違うんだ…」

と僕はもはや失した。

そしてしばらく一人にしてとベッドに潛り込んで泣いてそれから決意したんだ。

二人を応援して奴等から守ろうって。

「おはよう!アウロラ!!」

部屋に食事を運んできたアウロラはまだ僕がメソメソしていると思ってたら普通だったから

「おはよう主…ご飯よ…」

とサンドイッチを置いた。食べながら見てるとアリーセ嬢達は作戦會議をしていて隠れ家を探してようやくアリーセ嬢はその場所を探した。王都から離れた不吉だとされる館。裏の裏をかく思いつきに僕もいい考えだと思ったよ。

達が下見に行った直後…何とヘンドリックが悪魔とアリーセ嬢の部屋に來て漁り出した!魔書を探しにきたんだ!!

「なんて奴だ!いない隙に探すなんて!でもアリーセ嬢は自分のに隠してるから無理だよ!ざまあみろ!ヘンドリック!!」

「この場にいないからって強気ね、パトリック。貴方もアリーセ嬢を真似て私の魔書はに隠したのよね」

「まぁね。あいつらに僕の魔書を奪われる可能があるしね」

しかしヘンドリックはアリーセ嬢の下著を発見し、興して一枚素早くポケットにれた!!

「ヘンドリック!!持ちを盜むなんて!!」

ヘンドリックが他の子にアリーセ嬢を重ねていろいろしてきたのは判るけど、ヘンドリックはこれまでアリーセ嬢には決して嫌がる行為はしなかった。なのに…

「アウロラ…これってなんなの?ヘンドリックはおかしい」

いち早く気付いた。あんなのでも昔からの付き合いだから判った。

「パトリックは心が綺麗だから大丈夫だけど、普通魔書を持った人間はや理に負けるわ。このヘンドリックなんてちょろいわ。理が抑えられなかったみたい」

しばらくヘンドリックを観察していたが、彼は自分の部屋に帰るとひたすら下著の匂いを嗅いだり巻いたり変態行為したり僕は見るのをやめた。

流石にドン引きした。

「気持ち悪いことしてるねこいつ」

とアウロラが言うから

「アウロラ…あまり見ない方がいいよ」

と言う。

これが理の外れたヘンドリック…。正気じゃない。このままだとアリーセ嬢次に何をされるか判らない。

次の日アリーセ嬢に呼ばれた彼等はヘンドリックが盜んだことを突き止めてルーカスさんがヘンドリックを毆った場面は僕もスッキリした。しは反省してくれればいいのにと思った。

ヘンドリックはその後魔書を燃やされ記憶も消されたけど。

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