《遙か夢こうのデウス・エクス・マキナ》第十章 第二話 古の巨人

「くそぅ、こっから出せぇ!」

狹い中何とかクロスメードを振るいギガスの中から出を試みようとするイゼ、現在イゼはギガスが球モードに戻る際に一緒に中へと閉じ込められている狀態である。現在通信機はほとんどがシャットアウトされており、楓たちと通信がとることができない。

「ぐぅ…なんでこんなにいんだ」

関節部分を狙おうにも丸まっているため狙えず裝甲部分を叩こうにも軽く傷がつくだけで大したダメージにはならない、おまけに源がマキナの発するしかないため暗さで何があるか分かりにくいのである。

パイルバンカーも4か所ほど打ち込んでは見たのだが刺さるだけ刺さってそこから先は音沙汰なし、開く気配は一向にない。そんなことをしていると突然シャリンと音と共にマキナの首橫を何かが通り過ぎる、何事かと思い音のしたほうに目線を向けるとそこには先ほど見た折り畳み式の刀の腹が見えた。

「へっ!?」

よく目を凝らして刀が飛び出してきた元を見ると、どうやら先ほどと刀が出てきた部分がちょうど背後にありそこから飛び出してきたようだ。もうし位置がずれていれば首を斷ち切られていただろう。

そっとその場を離れようとすると次はガシュンと音と共に上から何かが高速でせり出してくる、これまた何かと確認してみると三叉の槍が縦席向けて飛び出してきていた。いていれば縦席まで命中していたであろう。

これではそう簡単にくことなんてできやしない、どうするか考えていると一つだけまだ試していない裝置があるのを思い出した。パイルバンカーの出口の隣にひと周り大きなが開いている、これは撃圧砲。敵のレーザー攻撃などの學兵類の攻撃をけた際その攻撃の一部を吸収し圧し発することが可能なのである。

マキナは今まで何度かの柱の攻撃をけているがの柱は學兵攻撃、今まで貯めているだけだった狀態。ならばここで発してみてはどうだろうか、そう考えに至ったのである。だがショックガンが効いていなかったことを思うと撃圧砲も効くかどうかは分からない、だがやらないわけにもいかない。

「ん…よっしょ」

何とか刀や三叉の槍を避けつつその場にしゃがみ込む、そして手をつきゼロ距離で発する準備を行う。今までけていた撃のエネルギーをに漂っていたものを腕まで圧させ、発する際の形を想像し形する。今回はここから出するために槍の形にすることにした。

まで十秒前、カウントダウンが進むにつれ辺りにスパークが走り始め空間が軽く歪む。接している腕も軽く震えしまうほどのエネルギー量、そして。発

バチバチと鳴る音と共に視界のほとんどが真っ白になるほどの量が放たれる、一部のエネルギーは弾かれているものの接していた部分からは微かにぱきっと何かが割れる音がする。

「今!」

眩いに顔をしかめながらも次にパイルバンカーを発する。杭は先ほど撃っただけの時とは違い深々と突き刺さりギガスの腕の一部にをあける、さらにそこからエネルギーの奔流が流れ出し徐々に開けたが広がっていく。空いたに片手をがっと摑み思いっきり橫に引っ張る、エネルギーにより熱されていたギガスの腕は何とか力を込めるとバキバキメキメキと引き裂くことができた。

広がったから何とかマキナは出する、出するとそこは先ほどよりも高度が下がっており地球へと近づいていた。これ以上近づいてしまうと危険域まで到達してしまう、それまでに何とかギガスを引き戻さねばいけない。

「ほら、こっちを向けぇ!」

気を引くためにギガスに向けて通常のグレネードを投げつける、3つ投げたところ2つが著弾。発するも表面に多の傷をつける程度、だがギガスはこちらに向き直る。球から形態を変え再び6本腕を広げこちらへと向け迫ってくる。

「そのままこっちまで來い、ギガス!」

イゼの言葉につられてかギガスはマキナを追従する、イゼは追従されている間もショックガンを使った牽制攻撃を行っていたがやはり効果はなかった。先ほどの撃圧砲ほどの火力がないとだめなのだろう。

危険域からはだいぶ離れた位置まで持ってくることができた、あとはどう倒すかだが。クロスメードとワイヤーブレードを展開しギガスと相対する。とりあえずは先ほどのこちらの攻撃でボロボロになった右中腕を切斷する方針で行く、そのためにはまたあの猛攻撃の數々を搔い潛らなければならない。

「…行くぞ」

マキナがスラスターをフル稼働させ一気にギガスに詰め寄る、勢いのままボロボロになった部分にクロスメードを振り下ろす。

攻撃は中心からずれたものの中腕に見事ヒット、中腕はひん曲がり変な方向を向く。もう一押しというところで三叉の槍と戦斧がマキナに襲い掛かる、それをワイヤーブレードで阻止しクロスメードを上段に構えて一気に振り下ろす。確実にったであろう攻撃、だがその攻撃は止められていた二本の腕に。

「なっ、止められた!?うぅっ…かない」

だが確実にひん曲がった腕は使いにならない、切斷までには至らなかったものの砲門も潰れている。殘るは5本の腕と5個の砲門だ。そう考えているとがっちりとクロスメードを摑まれけない狀態のマキナにギガスのパンチが飛んでくる。

その攻撃はくことのできない狀態のマキナに吸い込まれるように飛んでいき、みぞおち辺りに當たったのだ。

「かはッ!」

腰部のワイヤーブレードを作するために作モジュールを使用しているために下腹部周辺を覚共有しているイゼにとって、今の攻撃は仮想のものだとしても相當な衝撃を貰うこととなった。

拘束は解かれたものの今のパンチで大きく吹き飛ばされるマキナ。

「かはっ、けほっ………すぅ、ふぅぅぅ」

一旦大きく息を吸い呼吸を整えるイゼそんなイゼのもとに通信がる、楓である。

「良かった、繋がった!イゼちゃん大丈夫?」

「大丈夫…じゃないね」

「そんな…一旦いい、聞いてね?調べていたら大変なことが分かったの!」

通信を聞きながらギガスとクロスメード、ワイヤーブレードを使い相対するイゼ。そんな中ギガスの見た目に変化が起こる。

「ディザスター・ギガスの設計図の一部が見つかったの!腕部の一部だけなんだけどその説明の中に見覚えがある文字があって…」

ギガスの裝甲のあちこちが開き始め側から紅とも深紅とも取れるれ始める。裝甲が開くことにより全積が増えたように錯覚するほどでありさらに一際大きくなったようにじてしまう。指をガードする部分あろうパーツは指先に取り付きまるで獣の爪かのように見える。

「フィックスドスターエンジン、つまり恒星丸々取り込んでるエンジン。マキナと同じもの、いやそれ以上かもしれないものが積んであることが発覚したんだ!ディザスター・ギガスは宇宙空間を漂っていた舊世代級の機だ!」

変形を終えたギガスはまるで咆哮するかのようにを大きく広げマキナへと向き直る。

「…ッ!!」

潰した腕はぐちゃぐちゃに開いておりおぞましさをじさせるほどであった。

通常の機ではなかったディザスター・ギガス、真の力を開放した舊世代級同士の機が再び衝突する。

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