《【書籍化】オタク同僚と偽裝結婚した結果、毎日がメッチャ楽しいんだけど!》ワラビちゃんと遊ぶ
「やっほーー! うわあああ……疲れてるねーー!」
「はあ、はあ、はあ……もう、ちょっと、無理です、心海ちゃんこんにちはっ、お願いしてもいい?!」
「心海にまかせてっ!」
心海はワラビちゃんから紐をけ取って青空の下、駆け抜けて行った。
今日はワラビちゃんの実家にお邪魔している。
ワラビちゃんは子どもが生まれてから、朝、響さんを見送り、日中は山の中の実家に帰ってきている。
ワラビちゃんの子どもは大晟《たいせい》くんという男の子で、今二歳。
響さんにそっくりなイケメンで、ワラビちゃんの子どもと思えない(おっと、失禮)スーパーアクティブボーイだ。
歩き始めるのも一歳になったころでかなり早くて、二歳になった今、もうとにかく元気だ。
ワラビちゃんは機の上に置いてあった水を一気飲みして、
「はあ、はあ、マジでしんどいです。二歳にここまで力削られるなんて、予想外でした」
「大晟くんすごく大きくなったね、いやーー、足が速い」
今大晟くんは、凧揚げにハマっている。
正月に響さんの病院付近で凧揚げをしたら、それは高く上がったようで、そこからドはまり。
千葉の病院は一度だけお邪魔したけど風の聖地みたいなところだったから、それは高く揚がっただろうなあ……。
ワラビちゃんの実家は私の家より山の中にあって、家の周辺はオール私有地公園(というか、ほんとうにただの山の中)なので、自由に凧揚げしている。私も田舎育ちだけど実家で凧揚げした記憶は無くて、むしろ社會人になってから仕事で凧のデザインをした。
それくらい遠いものだったけど、今は小型バージョンから、小さくして持ち歩けるバージョンまでたくさん売っていてネットで簡単に購できる。
しかし當然だけど凧は勝手に揚がっていかない。
休日は響さんが頑張って走ってるらしいけど(想像できないけど、結構走れるらしい)平日はワラビちゃんが頑張っている。
子どもの力を削り落とすので、凧揚げしたあとは晝寢してくれるから良い運だけど、こっちも疲れて一緒に眠ってしまう諸刃の剣!
大晟くんは二歳なので、當然走っても凧は揚がらず、引きずるのみ。
そうなると最初だけでも揚げて、そのあと大晟くんに渡す……というルートになるんだけど、よそ見して走るから転ぶ!
結局近くで見守りながら併走することになるんだけど、ちょっとした運會ですごい。
今は心海がワラビちゃんからけ取った凧を持って走り回っている。
それを大晟くんが追っていて、かわいいい~~~!
と思ったら地面に潛んでいるジャージを著た白髪の老人……?! と思ったら板橋さんだった。
「ちょっとまって、板橋さんが地面と同化してるんだけど、忍者か何か?」
「板橋、大晟のことが大好きすぎて確実に若返ってます。あれも見守ってるだけじゃなくて……ほら」
見ると隆太さんばりのカメラを取りだしてバシャバシャと撮影していた。
「寫真も撮ってるんだ」
「しかもあれスマホに自転送されてて、響さんの會社にあるフォトフレームにリアタイで送ってます」
「ぎゃははははは!!」
「そのフォトフレームは診察室に飾ってて雑談が苦手な響さんは助かってるらしいですけど」
「癒やしの病院じゃん~、最高だよ~~」
あんな冷靜な顔している響さんがそれを橫に置いて仕事してるって狀況がもう面白すぎる。
ワラビちゃんはスマホを取りだして、
「うちの庭バリバリのWi-Fi飛んでるの気がついてます?」
「え? 噓、あ、本當だ、すごく強い」
「そこら中になんか置いてすっごく強くしてるみたいです。何もそこまで必要なのかな……と思ったんですけど、この敷地、し山のほうにるとスマホの電波怪しくなるみたいで」
「あー……たしかにそれはちょっと怖いか」
「何かあった時怖いからって、バリバリ飛ばしてるみたいですけど……なんか三人のきが止まってますね、なんだろう」
「行ってみようか」
私たちは屋敷のデッキ部分に座ってお茶を飲みながら見守っていたけど、その奧……ものすごく奧のほうの庭の一部? で凧を飛ばして遊んでいたふたりのきが止まっていた。
橫に板橋さんも座っている。何かあったのだろうか。
近付くと大晟くんが座って草の裏側を見ていた。ワラビちゃんは大晟くんの橫に座って、
「どうした? 転んだ?」
「ママ! あった!」
大晟くんが手に持っていたのは、大きなふっくらとした……大きなカマキリの卵だった。
おう……ぷっくりしてる……うん……見事なサイズだね……。
ワラビちゃんは大晟くんの頭をでて、
「すごいね、また見つけたの? でもほら、たくさんあるからさ、これはここがわかるようにして、あとで見に來ようか」
「やーーーだーーーー」
「おう……うーん……じゃあ、またあのお家にいれておく?」
「うん!!」
大晟くんはパアアと笑顔を見せて葉の下のほうをちぎりとりカマキリの卵を手に持った。
おうううううおううううう……私はあの中から大量の小さなカマキリが誕するのを知っている……田舎育ちはみんな知っている。
そしてあの卵を見つけると男子は全員テンション上がりするのも知っている……!!
心海は大晟くんに駆け寄り、
「わあああ、カマキリでてくるの? ここから出てくるの?」
「でる! あっち!」
そう言って大晟くんと心海はカマキリの卵を持って走って行った。
地面に転がった凧を拾ってワラビちゃんと私はため息をついた。
「……蟲……逃げられぬ定め……ワラビちゃん頑張ってるね……」
「もうまじ無理です、蟲シリーズ。昆蟲がもっともダメで、あの白い……」
「うああああああだめえええいわないでえええ!! でもダメだよね、そう私たち決めたもんね、読んだもんね!!」
「そうです黒井さん、頑張りましょう」
蟲……當然私もワラビちゃんも大の苦手なんだけど、育児書を読んだら「お母さんが嫌いだと言うと、子どももそれを嫌います。悪いことだと思ってしまうのです。お母さんは子どもが楽しくしていることは命の危険がないかぎり見守りましょう」と書いてあったのだ。
うーん……その通りかもしれない。
お母さんに絵を描くのを否定された悲しさは今も覚えてるから、子どもの『好き』はそのまま見守るべきだ。
そう思った私とワラビちゃんは、メチャクチャ苦手な蟲も、大晟くんが好きなら、見守ることにした。
ただ「ビルのおうちは蟲が逃げたら大変だからね」と言い聞かせて、こっちの家のみ!
結局溫室の橫に蟲専用ルームを作り、そこで飼育しているようだ。
主に板橋さんが面倒を見ていることもあり、ちょっとした蟲置き場……? 溫かくて蟲が誕……? 研究室? 巨大化? ナウシカ?
私もワラビちゃんも蟲はほんとーーーに無理なんだけど、板橋さんと響さんは毎週末楽しそうに一緒に見ているようだ。
まあうん、世の中には『擔當』ってものがある。
私とワラビちゃんはテラスに戻ってビニール袋に絵を描き始めた。
そこにカマキリの卵を置いてきた大晟くんと心海が戻ってきた。
心海は機に上に置いてあったお菓子をパクりと口に運んで目を輝かせた。
「キラちゃん!」
「そう、キラちゃん。これこの前ネットで見たんだけど……」
私はコンビニで普通に置いてある食品を包む小さなビニール袋に今テレビで流れいて一番人気の犬のキャラクター……キラちゃんを描いた。
そしてビニール袋の橫に折り紙で耳をつけて、下にセロハンテープで紐を付けて渡した。
「走ってごらん?」
「うん……わあああ、キラちゃん、浮く!」
ビニール袋に絵を描いて紐を付けた風船的な凧だ。
ネットで見たんだけど、絵を描けばオリジナルキャラクターで作ることができる。
この程度で簡単に浮くんだなあ……と思って覚えてたけど、これは良いかもしれない。
大晟くんも機にきて目を輝かせた。
「たいせいにも!」
「よっしゃ。ママも描けるよ~」
橫でワラビちゃんもキラちゃんを描き始めた。やっぱり上手い!
私もワラビちゃんも今やっているアニメや児番組の絵をリクエストされすぎて、やたら上手くなっている。
子育てで力削られすぎて、今は同人活は休止中なので、筆をかす良い楽しみになってるけど。
できあがったキラちゃんのビニール袋に紐をつけて、ふたりは再び走り出していった。
五月の青空と手作りの風船。
ふたりがあまりに楽しそうにしているので、もっとんなものを描こうかとワラビちゃんと油ペンを握って昔の推しキャラを描いてふたりで揚げた。
わあ、推しが空に浮いている~~。
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