私は最近ここ長野に引っ越してきた。

田舎の地域だから家も數軒しかないしちょっと不便なことはあるけど、

空気も野菜も味しいし、満足している。

ご近所の方々も數はないけど良い人ばかりで、よく世間話をしたり、野菜をわけてくれたりする。

皆がイメージするような典型的な田舎の小さな村というじだ。

憧れていたスローライフ。

私は満足して、ゆったりとした日々を過ごしていた。

そんな田舎での生活のある日、

夜中に寢ていると扉をガンガン叩く音で目が覚める。

寢ぼけながら起きて戸を開けると、近所のおばさんだ。

「地震が起きて津波が來るから、高い場所に逃げるよ！早く！」

外を見ると、近所の人たち數人が荷を持ってあわただしく走っている。

私は焦って、言われるがまま皆について走った。

咄嗟のことだったからお金もスマホも置いてきちゃったけど、まずは避難しないと。

（↓解説はこのまま下にスクロールしてね↓）

――――――――――――――――――――

解説

――――――――――――――――――――

長野県は海に面していないから、基本的に津波は來ない。

語り手は引っ越したばかりなのと寢起きだったことからそれに気づけず、言われるがままに避難をしてしまったんだね。

地元の人は當然分かっているはずなのに避難を呼びかけたり避難しているフリをしたりしているから、

おそらく空いた家のものを盜むか、丸腰で來た語り手に何かをするかのどちらかを目的とした、數世帯ぐるみでの計畫だね。

小さな村社會だからこそ、隠蔽や口封じが気になるところだよ。

――――――――――――――――――――