《みんなは天才になりたいですか?僕は普通でいいです》98.選ぶのはあなたなんですよ? 先輩。
「はぁぁぁ…………」
「先輩、そんなに落ち込まないでくださいよ」
「いや……落ち込んでいるって訳でもないんだけどさ……なんで教えてくれなかったんだよ二葉……」
「うーん……? まぁ、その方が面白いかなーっと思いまして」
「面白いって……そんな理由で……」
「冗談ですよ。まぁ、普通思いつかないですよね。今のバスには男はいませんし。結構前ですけど男子のマネージャーも居たみたいですよ? その時に結構ごたごたがあったみたいで、部活際が止になったみたいですね。……でも矢野先輩もどこまでもお人好しですね。あの人の立場からしたら、絶対に言わないほうが有利でしょうに」
有利……つまり、僕がバスのマネージャーを務めている期間、二葉と付き合うことができないという制限ができることによってたよりにもチャンスが生まれる、と解釈できる。それを二葉の口から言わせてしまうのは、本當に僕が不甲斐ない男であることの証明に他ならないんだけど……
「それを言ったら、二葉は僕がマネージャーになりたいと言った時にその事実を伝える方が有利だったんじゃないか?」
「まぁ……それはそうですけど。でも私は言ったじゃないですか」
「言った? なにを……?」
「マネージャーになるのは反対です。って
「マネージャーになるのなんてやめて、ずっとこうしていませんか? その方がきっと楽しいですよ? って
「それに、私とバスケ、どっちが大切なんです? って
「……それでも先輩はマネージャーになることを選んだんですから、それ以上私から伝えることはありませんよ」
確かに……言葉は違えど、意味は同じだ。僕は深く考えもせず、格好をつけて決意は固いみたいな態度を取っていたけど、結局のところどちらも手にれるつもりでいたのではないか? 自分の淺はかさに気づかされ反吐がでそうになる。
「あ……あぁ。確かにそうだな……ごめん」
「先輩、悩んでるんです?」
「……うん。正直悩んでる……あれだけ格好つけておいて、ださいよな」
「……」
するり、と二葉の手が僕の手に絡みつく。えっ? と思い二葉の方へ目をやると、いつもの様に照れ隠しでそっぽを向いている。
「まぁ……先輩が悩んでくれているのは素直にうれしいですけどね。ただ、先輩は意外と頭が固いんですね。選択肢が2つしかないなんて事はないんじゃないですか?」
「え?」
「別に今すぐにどちらかを選んで、どちらかを諦めるなんて答えを出す必要はないんじゃないですか? 先輩が引退するまで私は待ちますよ? 私がバスケ部に在籍していたって、先輩が引退したら際止ではないんですから」
「それはそうだけど……」
「それとも私と今すぐに付き合ってあんな事やこんなことをしたいんですか?」
あんまり答えにくい質問をしないでほしい……そりゃ僕だって健全な男子高校生なんだから、あんなことやこんな事をしたくないかと言われれば……もちろんしたい。だけど今そんなことを言っている場合でもないことくらい、さすがの僕でも分かる。
「まぁそれは冗談として、例えば……隠れて付き合っちゃうとか」
「それは……できないよ。二葉に迷が掛かる」
仮にバレてしまった時、僕が罰をけるのはやぶさかではない。だけど、二葉の評価が落ちて試合に出れなくなったり、萬が一だが強制退部にでもなったら……そう考えるととてもじゃないけど、能天気に際を楽しむ事なんてできない。
「ふふ。ちゃんと私と付き合う想定で考えてくれてるんですね」
「えっ! いや、そりゃ話の流れからしたらそうだろ……」
「斷のの方が燃えるらしいですよ?」
自分が燃えるだけならまだしも、二葉にまで飛び火して、炎上騒ぎになったら目も當てられない。
サポートするどころか、邪魔をしてどうするって話だ。
「だから先輩。ゆっくり考えてください。そして、自分で答えを出してくださいね」
にんまりと笑いながら二葉は言う。二葉はいつもそうだ。厳しいことを言っている様で、実は優しさであふれている。むしろ優しさを全然隠しきれていない。
自分の気持ちは二の次で、いつも僕の気持ちを一番に優先してくれる。僕にすべて選択させてくれる。
そしてそれをまるで自分のためにやってるんですという様な態度で、當たり前のように実行する。本當にこの子には一生勝てる気がしない。
伝えれば自分が有利になる事を敢えて口に出さなかった二葉と、自分が不利になる事を理解した上で敢えて口に出した、たより。
敵に塩を送るとまでは言わないが、正々堂々と戦う……いわゆるフェアプレーの神がバスケットボールを通じて2人には付いているのかもしれない。
そんな2人の気持ちを結果的に踏みにじってしまう形になってしまっているのが本當に申し訳さすぎて、今すぐにでも消えてしまいたくなる。
一僕は何がしたいのだろうか? どこを目指して歩いているのか? それともどこかへ向かって歩いているつもりになっているだけで、実のところその場で足踏みをしているだけでなのかもしれない。
それでも僕は、一度決めたマネージャーになるという決意を曲げる気にはなれなかった。
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