《【書籍化&コミカライズ】創魔法の再現者 ~『魔法が使えない』と実家を追放された天才年、魔の弟子となり正しい方法で全ての魔法を極めます。貴方の魔法は、こうやって使うんですよ?~》137話 本命
し短めです、すみません!
カルマが斃れた後は、さしたる波もなくことは進んだ。
指揮を失った魔たちは一気に統制を失い、これまで最大の武であった高次の連攜能力がなくなり文字通りの烏合の集と化した。
そうなれば、集団としての能力は人間たちのほうが上。カティアたち強力な統魔法使いの主導のもと、程なくして全ての魔が討伐され。
「──王都を襲った魔の群れは、一匹殘らず壊滅した」
靜けさを取り戻す戦場の只中で、一人の青年の聲が響く。
「諸君らの力によって魔たちは斃れ、そして魔の王であるカルマは……この、ヘルク・ヨーゼフ・フォン・ユースティアが討ち取った」
靜かに聲を上げる青年──第一王子ヘルク。
ちなみに、この場に立つことを最初彼は反対した。『君たちに押し付けられた勝利だ、そんなもので大手を振って僕が勝ったと喧伝できるものか』と。その証拠に、『自分が討ち取った』旨の宣言をする際すごく苦渋の表を浮かべていることを遠巻きに見ていたエルメスたちだけが気づいていた。
こんな調子だったが、最終的には護衛隊長の『王族の役目とはそういうものですよ』との苦笑気味の聲に渋々頷いて、この場に立っている。
「我々の、勝利だ」
そうして、立ったからには責務を果たす。
その決意のもと、ヘルクは大きく息を吸い、聲を張り上げる。
「──勝鬨を上げよ!」
歓聲が、王都周りの平原に響き渡る。
かくして、この場で遭遇した過去最強の敵、そして敵たちとの戦いが、幕を下ろしたのだった。
◆
ちなみに、ヘルクはその後倒れた。
まぁ當然と言えば當然だ、ここまでの戦いで尋常ではないレベルで自らを的にも神的にも追い込みきっていたのだから。
とりあえずサラの統魔法による処置を行い、その上で法醫による絶対安靜の指示をけたベッドの中で、ヘルクは告げる。
「これまで僕が指揮していた兵士たちは、全て指揮権をリリアーナに移す」
それは、自らの力を全て妹に譲渡して、王都での決戦に関わらない──つまり、実質的な王位継承爭いを降りる宣言。
「よろしい……のですか?」
狀況的にはそれが最も王都攻略には有効な手だと理解しているが、それでも……と聞いていたリリアーナが問いかける。
「構わない。さっきも言ったが、僕はこの勝利を自分の力だと思えるほどおめでたい頭はできちゃいないし……それに」
対してヘルクは答え、続けて一言。
「……君たちの『本當の戦い』は、これからなんだろう?」
「!」
「であれば、こんなろくな足手まといに関わっている暇などないはずだ。王都を取り返すのは、僕たち王族全員の責務。君は、君のやるべきことを果たすと良い」
不機嫌そうな顔ながらも、揺るぎない言葉に。
リリアーナは謝の禮を心から一つ告げて、退室するのだった。
「──ヘルク殿下の、仰る通り」
第三王陣の一室。
第三王派の魔法使いが集合するその場で、一部始終を聞いたエルメスが告げる。
「……ここまでが、前哨戦です。僕たちの本命はこの先──王都に居るであろう、『組織』の面々。的には頂點であるクロノ、及び三幹部。ラプラス、オルテシア、そして……ユルゲン、の三人」
再確認の言葉に、集った全員の顔に再度の張が走る。
とりわけ因縁深い名前を聞いた第二王ライラ、そしてカティアの顔が殊更に強張り。それを確認しつつも、エルメスが続けて。
「だからこそ、申し訳ございませんが休んでいる時間はありません」
カルマを打倒しても、やるべきことは山積みだ。その証拠に、打倒してから彼らは一晩しか休んでいない。最低限の休憩だけを挾んでから、即座に次の本命に取り掛からなければならない。何故なら、
「王都に向けて教會を発ってからここまで、既に一週間が(・・・・)経過しました。組織の方々が王都で何をするかは分かりませんが、今この時も準備を進めているはず。であれば、それが整う前に一刻も早く──」
エルメスの推測は、概ね正解していただろう。
それを踏まえた上での今この瞬間までの行も、間違いなく最速に近かった。ここに至るまでの行で、彼のミスと呼べるものは何一つない。
だからこそ。
エルメスたちを間に合わせなかった、クロノたちの行が、そして計畫が。周到であり、どうしようもなく手遅れになっていたということなのだろう。
エルメスが、続きの言葉を告げようとした瞬間。
王都が……否。
王都を中心として──世界が(・・・)、震えた(・・・)。
というわけで、々急ですがこれにて三章再起編は終了。
そこからノータイムで三章ラストエピソード、決戦編にっていきます!
長かった三章もここから最終幕。まずは次話、ラプラス達のお話からってこれまで隠されてきた謎が一気に公開されていく予定です。
『魔法』に関わる一つの國を巡る大事件の結末、是非最後まで見守って頂けると嬉しいです!
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