《世界最強はニヒルに笑う。~うちのマスター、ヤバ過ぎます~》最強は準備を始める⑱

お待たせしましたー!(遅すぎる

今秋からできうる限り更新してまいります!

慘刀の名前を見て思い出したことがある。

はるか昔――でもないか、確か二次職前半の頃鍛冶を取ったプレイヤーが金策のためよく店で売っていた。

慘刀と言うのは刀が裝備出來る者専用で、一撃必殺の武だったはず。

作るのはかなりしんどいらしい。私は無駄な時間を費やしてまで作りたいとは思わなかったので作ったことは無い。

『なんでこれを源次が持ってるの?』

『あー、それな、お前に借金するときのかたにしようと思って作ったんだけど、存在忘れてて……』

『なる』

『ren、僕死にそうだから早めに攻撃してー!』

海竜の存在を忘れて源次と會話をしていた時間はほんの數秒だが、予想以上に海竜が強かったらしく大和のHPが五ミリになっていた。

それを見た私は急いで慘刀を裝備する。

慘刀裝備した時點で、バフさえも使えない狀態になり、武スキルがただ一つ使える狀態になった。

「殘、無慈悲。刀にして刀に非ず――絶命の刃」

正直恥ずかしい!! なんでどこぞの侍風なの!

初めて使った慘刀は、私がまずとも勝手に設定をしゃべるらしい。

超絶恥ずかしい思いをしながら、心とは別にく。

煌めく大きな刃が、海竜の心臓めがけ振り下ろされる。

何とも言い難い手ごたえをじながら、刀を引き戻せば慘刀は役目を終えたと言わんばかりに崩れて消えた。

と同時に、海竜もまたポリゴンとなり消えていく。

『……二度と使わない』

『えぇ! カッコよかったっすよ?』

『renの聲で、侍風とかウケルww』

『まぁ何にせよ倒せてよかったじゃねーの?』

ドロップは、お金と水関係の槍が一本と防が二種類、アクセサリーである指が一つ。

それから、この深海の奧にある竜の窟への鍵が一つだった。

『ドロップは強さの割に微妙? やり使える奴いなくねー?』

『多分フルークトゥス行くためのボスっぽくない? 槍は……死蔵行きでww』

『指能は悪くなさそうだけどなー』

『確かにボス行くためっぽいっすね』

『中ボスじゃねーな。多分、鍵出すためのキーモブ扱いだと思うぞ』

『指能、オレ様も見たい!』

『ボスではないねー。慘刀つかえた時點でモブ確定だもん』

『キヨシに指買えるだけの金があるとは思えねー』

グダグダと想を零すメンツを他所に、私の思考は水竜へと流れていく。

いずれ水竜討伐には行くつもりだった。

鍵の化時間は七日だし、一度様子見で見てみたい気もする。

でも、次の海竜がどれぐらいで湧くのかも知りたい。

後、次海竜やるときにもう一本慘刀と同程度の者がしい。これについては、暇そうな人に頼もう。

最低でも數日はこの狩場に籠って海竜の湧き時間を調べるべきか……。

鍵が手にってしまった手前見たい気持ちが沸き上がる。

死に戻り覚悟で最後に見に行ってみようかな。

『とりあえず、アンコウ狩りしようぜー』

會話を切り上げてアンコウを探し回る。

最深部ではあるけれど、アンコウはそれほどいないようだ。

出てくるのは海蛇やらイカやら……で、いい加減もうし実りの良いを狩りたい!

そう思いつつ奧に進む。

『マジカー! 宇宙人がいるー!』

『いや、どう見ても違うだろ?!』

『あのフォルムは間違いないと思うっすけどw』

『運営は何を考えてアレを作ったんだ……』

キヨシが宇宙人と稱したソレは、私のウエストほど――長60センチ程度で、二頭、顔はちょっとかわいいじで目が大きく口は魚そのものなのだが、何故か宇宙飛行士が被るようなヘルメットをかぶり、ウェットスーツを著ていた。尾をフリフリ歩く姿は非常に可いものの、手には三叉の槍を持っている。

謎生は、スペースマーマンと言う何とも言えない名前をしていた。

が濁った青で、名前にマーマンとつくことからオス? の可能が高い。

メスバージョンも見てみたい! 好奇心を揺さぶるモブの登場に、私はぜひ見たいと周囲に目を凝らす。

が、ここに居るのはオスだけらしく、見える範囲にそれらしい名前は無かった。

「やべぇ、狩れる気がしねぇw」

『可いっすけど、表示的に敵っすねw』

『バフ』

『通常通りなrenが一番怖いわ!』

狩りに來てるんだから狩るだろうと思ってバフを更新しようとすれば何故か聖劉から突っ込まれる。

他のメンバーも同意するように頷いているけれど、私としては一個50kの酸素ボンベ代ぐらい取り戻したい。

『さっさと狩って?』

『鬼ー!』

バフの更新を終えて、二刀を取り出す。

仕方ないなーと言わんばかりに大和がヘイトをれスペースマーマンをおびき寄せる。

大和におびき寄せられたマーマンへ源次、聖劉、ミツルギが次々と攻撃をれていく。

それを見ながら私も攻撃をし、キヨシが潤んだ瞳でマーマンへ魔法を放つ。

誰も回復しないと大和が危ないので攻撃をそこそこに私は大和へPOTを投げ始めた。

一匹にかかる時間はおよそ三十秒ほど、流石攻撃特化PTである。

だが、多すぎる敵に対しては紙裝甲……死ぬ可能が高いPTなのだ。

未知の生であるスペースマーマンをその場で狩り始めたのが間違いだった。

スペースマーマンは死ぬ間際になり、音波と言うべきかは分からない――共鳴と言うバフを使う。

その効果は、周囲にいる同種を呼びこむもので、私たちは次第に窮地へと追い込まれていく。

『やばいいいいい!! しぬぅ』

『あー! キヨシが!』

『ren! なんかしてぇ!』

『キヨシ、とにかく逃げ回れ!』

『毒で逝っちゃうぅぅぅ』

『ぎゃあああ、俺にまで來たー!』

『やばいっす、もう無理っすよー』

なんで毎回狩りに來るとこうなるのだろう? 私としては、ゆっくりまったりお金稼ぎに來たつもりだったのに……。

範囲魔法を使ったせいで大和のヘイト以上のヘイトをスペースマーマンにれたキヨシが、必死の形相で走り回りながら毒を食らっている。

その隣では、キヨシのモブを減らそうとしていた源次と聖劉が、同じく毒を食らい死にかけている。

何とかなっているのは大和とミツルギだけだ。

大きくため息を吐いた私は仕方なく「イリュージョン リジッドゥ」と唱えた――。

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