《【書籍化&コミカライズ】創魔法の再現者 ~『魔法が使えない』と実家を追放された天才年、魔の弟子となり正しい方法で全ての魔法を極めます。貴方の魔法は、こうやって使うんですよ?~》139話 はじまり
クロノの魔力の高まり。それに合わせて、クロノの傍らに置かれた古代魔道──エスティアマグナが呼応するように起する。
その雰囲気、それが放つ魔力はかつて大司教ヨハンがスカルドロギアを使っていた時とは別。あれは所詮魔道の力の一部を一方的に借りけていただけだったが、今回のそれは違う。この魔道の本來の使用資格を持った使い手が一週間をかけて十全に魔力を馴染ませた結果、魔道が持つ力と、魔道の正しい力が余すところなく解放される。
天球儀が蒼くり輝き、周囲を回るが更に回転を増し。
側からのが見るもの全ての目を焼くほどに煌々と輝き切って──その果てに。
世界が、揺れた。
◆
ここで一つ、本的な謎について解説しよう。
──そもそも、魔道とは何か?
それを説明するためには、更に本的なところから考えてみるのが分かりやすいだろう。すなわち──そもそも『道』とは何か、というところから考察する。
道の意義、存在する意味。
それに関してはいくつかの説こそあるだろうが、模範解答に近い一つとして……『人間単獨ではできないことを行う』ために道は存在すると言えるだろう。
人間のだけではのを切り分けることが出來ないから刃が生まれ、効率よく耕すことができないから農耕が生まれた。『道』という概念が生まれた本からして、人間の能力を補うものとして発生、発展してきたと言える。
魔道でも、それは例外ではない。
道は、人間単獨ではできないことを行うためのもの。
同様、魔道は──人間単獨(・・・・)では(・・)できない(・・・・)魔法を(・・・)行う(・・)ため(・・)のものである。
それこそが、『魔道』と呼ばれるものの大元。
古代魔道(アーティファクト)の中でも更に一握り。エスティアマグナをはじめとした七つの特級古代魔道。それが、統魔法の発端とほぼ同時期に生まれた魔道──読んで字のごとく、魔法を(・・・)使う(・・)ための(・・・)道(・・)である。
では、以上を踏まえた上で次の疑問。
それほどの古代魔道(アーティファクト)を用いて扱おうとした『魔法』とは何か?
それについて言及するには、これも更に遡って──『統魔法』というものが発生した瞬間にまで話を戻す必要がある。
統魔法とは何か。
これは、この國に蔓延る常識とエルメスたちが抱く認識に齟齬がある部分だろう。
この國に蔓延る常識は──『統魔法は、神から賜った選ばれしものの魔法である』。
エルメスたちの認識は──『統魔法は、人が叡智を積み重ねて作った技である』。
これは、果たしてどちらが正しいのか。今、結論を述べよう。
──どちらも(・・・・)間違い(・・・)ではない(・・・・)、である。
より正確に言うのであれば……基本的にはエルメスたちの認識で正しいが、一部この國の常識の発端となったものも存在する、と言ったところか。
何故なら、そもそも考えてみてしい。
魔法。無から有を生み出し、何の労苦もなく炎や氷を扱い、極めれば災害に等しい力までってみせる。
そんな技を──何の原點も參考もなしにたかが人間が創り出せるだろうか?
答えは、否。
それこそが、魔道が生まれた理由であり。これまで、一部の人間を除いて誰も辿り著けていなかった真実。
存在、したのだ。
人が創り上げ、に埋め込むという形で継承した統魔法とは別口。それらの原點であり、創り上げる上での參考となった。
──この世界に(・・・・・)最初から(・・・・)存在(・・)していた(・・・・)魔法(・・)が。
それらは、統魔法と比べてもあまりに強大で絶大で、得たとしても人ので扱うには絶的なまでにあらゆるものが足りなさすぎて。
けれど、その力に魅せられたものたちにとっては、その程度で到底その力を我がにすることを諦められなくて。
だからこそ、創り上げた。
魔法を得るだけでは足りない。に埋め込む形で継承するだけでもまだ足りない。
であれば──統という側に継承するのではなく外付けの継承。得た魔法を分割し、その一部を『』ではなく『道』に埋め込むことによって新たな継承手段とした。
それが、『魔道』と呼ばれるものの発端。
今でこそ形を変えて伝わった影響で『魔法の効果を底上げする』程度のものに留まっているものが大半だが、そもそもの目的は『人の一つだけでは扱いきれない魔法を扱う』ためのもの。
その原點から発し創られた七つの古代魔道(アーティファクト)だけは、本來の目的を失わず今なおこの世界のどこかで正しき扱い手に渡ることを待ちわびている。
そうして、今。
はるか昔の彼らがんだ通りに、古代魔道(アーティファクト)の一つが該當する魔法を統によりけ継いだ人間の手に渡り。
人のに宿った魔法と天球の裡に閉じ込めた魔法。その二つが一切の齟齬なく噛み合い。
──一つの神話を、顕現する。
◆
「【六は點鐘(てんしょう) 贖罪と世 鐘を鳴らそう 鐘を鳴らそう】」
朗々と、粛々と。
高らかに凪いだ聲で、クロノが詠唱を紡ぎ上げる。
合わせて量が限界に達した天球が重い金屬音と共にから割れ、その中にあった多くの魔法陣、文字の羅列が解き放たれ。在るべき場所に収まるかのように、全てが何の迷いもなくクロノの元に集っていく。
「【詩を歌おう 雨を拭おう 全てを無謬に整えた 世界はひどくつまらない】」
ラプラスが、高揚と皮をその表に滲ませて。
ユルゲンが、淡々とした中にも畏怖を宿した表で。
オルテシアが、どこか虛な狂気のを宿した瞳で。
三者三様に、その景を見守る。
「【おおいなるもの すばらしきもの つよきもの かがやけるもの
優劣(くだり)をつくろう 影(かげり)をそう 始原の泥に 無垢のを】」
『その魔法』を発現する條件は、大きく分けて四つ。
一つ目が、まず大前提である該當する魔法を統魔法としてけ継ぐこと。
二つ目が、け継いだ者の中でも更に抜きん出た素質を持ち、にある魔法を理解して研鑽を積み重ね、一定の領域まで辿り著くこと。
これが足りていないと、『その魔法』でも他の統魔法と同じく強力ではあるが然程の差がない、ある種の素樸な形に落ち著いてしまう。既にエルメスたちが見た例としては、サラの(・・・)二つ目の(・・・・)統魔法(・・・・)がそれに當たる。
「【何者にでもなるが良い 壊れるものを識ると良い そんな星こそ しいから】」
それをクリアした上で、三つ目。研鑽の果てに、に宿す魔法の全てを扱えるようになること──すなわち、魔銘解放(リベラシオン)を習得すること。
そして四つ目。該當する古代魔道(アーティファクト)を手にれ、その扱い方を理解した上でに馴染ませること。
に宿す魔法の極限だけでは足りず、外から得る魔法も極限まで活用してようやく行使することが葉う。それほどの魔法であるが故に、これまで王國の歴史を遡っても『それ』を完全再現できたものは皆無。長い歴史の果てに伝承すら途切れ幻想とり果てた、まさしく伽話の魔法でしかなかった。
──それが、今。幻想が現実にり、伽話が世界に侵食する。
「【全てを釜に 爐融かし鐘に 子守唄を鳴らします 是こそ世界と吼えなさい】」
其は、統魔法よりも更に一つ上の次元に存在する魔法。
教會の信仰の拠。正真正銘の、神と呼ばれる次元の存在が生み出して遣わした魔法。
文字通りの、世界を創った魔法が。
「【□□□□ □□□□□ □□□□□ □□□□】」
この世の生には聞き取ることすらできず、故に世界からその響きを隠す星の詠で締めくくったのち。
「──魔銘解放(リベラシオン)」
統魔法ではあり得ない、七階の詠唱の果て。
その魔法が今、日の目を見る。
「第六創世魔法(・・・・・・)──『□□□□□(アルス・マグナ)』」
斯くして、創世(はじまり)の魔法が解き放たれ。
──國の終わりが、始まった。
ようやく、本作の幹に関わるを一つ開示できました。
これからどんどんこれまでの謎を解決していくので、決戦の流れともども是非この先も楽しんでいただけると!
次回もお楽しみに!
【完結】前世は剣聖の俺が、もしお嬢様に転生したのならば。
近い未來……もしかしたらここではないかもしれない現代。 東京に住む新居 燈(あらい あかり)は、少し裕福な家庭のお嬢様として都內の高校へ通うスイーツが大好きな一七歳の女子高生。 優れた容姿と超高校生級のスタイルの良さで、學園の女神、青葉根の最高神、究極(アルティメット)乳神様とまで呼ばれている。 高校でも人気の彼女には……とてもじゃないけど同級生には言えない秘密が存在している。 それは、前世の……それも異世界で最強と呼ばれた剣聖(ソードマスター)、ノエル・ノーランド(♂)の記憶。 どうして異世界で生きていた俺が現代日本へと、しかも女子高生として転生したのか? そんな前世の記憶と、現世の女子高生として悩んでいるが……。 この世界は異世界からの侵略者……降魔(デーモン)に悩まされていて……放っておけば降魔(デーモン)に滅ぼされてしまうかもしれない? 燈は前世から引き継いだ他を圧倒する身體能力と、それを生かした異世界最強の剣術ミカガミ流を駆使して降魔(デーモン)に立ち向かう。 現代日本に蘇った異世界最強の剣聖(ソードマスター)新居 燈の戦いが……今始まる! 二〇二二年九月一四日完結いたしました。 第2回 一二三書房WEB小説大賞 一次選考通過
8 85【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、女醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄光のラポルト16」と呼ばれるまで~
【第2章完結済】 連載再開します! ※簡単なあらすじ 人型兵器で戦った僕はその代償で動けなくなってしまう。治すには、醫務室でセーラー服に白衣著たあの子と「あんなこと」しなきゃならない! なんで!? ※あらすじ 「この戦艦を、みんなを、僕が守るんだ!」 14歳の少年が、その思いを胸に戦い、「能力」を使った代償は、ヒロインとの「醫務室での秘め事」だった? 近未來。世界がサジタウイルスという未知の病禍に見舞われて50年後の世界。ここ絋國では「女ばかりが生まれ男性出生率が低い」というウイルスの置き土産に苦しんでいた。あり余る女性達は就職や結婚に難儀し、その社會的価値を喪失してしまう。そんな女性の尊厳が毀損した、生きづらさを抱えた世界。 最新鋭空中戦艦の「ふれあい體験乗艦」に選ばれた1人の男子と15人の女子。全員中學2年生。大人のいない中女子達を守るべく人型兵器で戦う暖斗だが、彼の持つ特殊能力で戦った代償として後遺癥で動けなくなってしまう。そんな彼を醫務室で白セーラーに白衣のコートを羽織り待ち続ける少女、愛依。暖斗の後遺癥を治す為に彼女がその手に持つ物は、なんと!? これは、女性の価値が暴落した世界でそれでも健気に、ひたむきに生きる女性達と、それを見守る1人の男子の物語――。 醫務室で絆を深めるふたり。旅路の果てに、ふたりの見る景色は? * * * 「二択です暖斗くん。わたしに『ほ乳瓶でミルクをもらう』のと、『はい、あ~ん♡』されるのとどっちがいい? どちらか選ばないと後遺癥治らないよ? ふふ」 「うう‥‥愛依。‥‥その設問は卑怯だよ? 『ほ乳瓶』斷固拒否‥‥いやしかし」 ※作者はアホです。「誰もやってない事」が大好きです。 「ベイビーアサルト 第一部」と、「第二部 ベイビーアサルト・マギアス」を同時進行。第一部での伏線を第二部で回収、またはその逆、もあるという、ちょっと特殊な構成です。 【舊題名】ベイビーアサルト~14才の撃墜王(エース)君は15人の同級生(ヒロイン)に、赤ちゃん扱いされたくない!! 「皆を守るんだ!」と戦った代償は、セーラー服に白衣ヒロインとの「強制赤ちゃんプレイ」だった?~ ※カクヨム様にて 1萬文字短編バージョンを掲載中。 題名変更するかもですが「ベイビーアサルト」の文言は必ず殘します。
8 80〜雷撃爆伝〜祝福で決まる世界で大冒険
神々からの祝福《ギフト》が人々を助けている〔アルギニオン〕 ここは人間、魔族、エルフ、獣人がいる世界。 人間と魔族が対立している中、『レオ・アルン』が生まれる。そこから數年が経ち、レオがなぜ平和じゃないのだろうという疑問を持ち始める。 「人間と魔族が共に支えながら生きられるようにしたい」と心の奧底に秘めながら仲間達と共に共存を目指す冒険が今始まる! 基本的にレオ目線で話を進めます! プロローグを少し変更しました。 コメントでリクエストを送ってもらえるとそれができるかもしれません。是非いいねとお気に入り登録宜しくお願いします!
8 148死神始めました
ある日家で寢ていて起きたら死神を任された楠 浩太は異世界へと飛ばされるのだった。飛ばされた後は兵器を作って國をつくって?!おまけにさらりと重大情報聞かされて。 とにかく神様の力と、地球の兵器(スマホも)を使って無雙します。・・・多分! 何だか題名詐欺って言われそう。そこは誰も突っ込まないで。ね? *軍事ネタおよび、機械ネタは作者が調べたり、聞いたりしたことを少しいじってやっているのでかなり誤差があると思われます。(あと何が何だかわかっていない) 最終話を投稿した日のアクセス數が2000越してビックリしてます^^;
8 153蛆神様
《蛆神様》はどんなお願いごとも葉えてくれる...........???--- 隣町には【蛆神様】が棲んでいる。 【蛆神様】はどんな願いごとも葉えてくれる神様で、町の人々は困った時に蛆神様にお願いごとをするそうだが……。
8 51史上最強の魔法剣士、Fランク冒険者に転生する ~剣聖と魔帝、2つの前世を持った男の英雄譚~
一度目の転生では《魔帝》、二度目の転生では《剣聖》と呼ばれ、世界を救った勇者ユーリ。しかし、いつしか《化物》と人々に疎まれる存在になっていた。 ついに嫌気が差したユーリは、次こそ100%自分のために生きると決意する。 最強の力を秘めたユーリは前世で培った《魔帝》と《剣聖》の記憶を活かして、Fランクの駆け出し冒険者として生活を始めることにするのだった――。
8 170