本日2回目の更新になります

玲奈宛に鷹司憲史からメールが行くことを打っておいた翌日の午後、家守から電話があった。

『憲史さまがお會いになるそうです。つきましてはお會い出來る日時を確認したいのですが』

どうやら玲奈がうまく憲史を信じさせてくれたようだ。メールなどという元確認が不確定なものでどうやったのかは分からないが、智子にとっては朗報だ。

玲奈のためでもあるし、會社に警告をされなくて済んだ事もある。

そもそも何故すぐに元がバレたのかは謎だ。

不思議なもので、あんな風に言われると後ろ暗いところなど無いのに何故か悪い事をしているようにじてしまう。

ホッと息をつきつつ、憲史とは土曜日の午前中に會うことになった。

（明後日か。いよいよだな）

直に會ったら玲奈との関係を聞かれるだろう。

適當に誤魔化すか正直に話すか悩んだが、言ったところで信用はされない。

そこに無駄な時間を割くくらいならばプレゼン資料の一つでも作した方がマシだ。

「あら、日永さん」

「あ、富永さん」

智子が廊下を歩いていると向かい側から富永が歩いて來た。

固定された笑顔でずんずんと近寄ってくる富永に、智子は逃げるように壁に張り付いた。

「なんすか、なんなんすか！」

「どうなったのよ、進捗は。メッセージでいいから送りなさいよ。気になるでしょうが。いったい、誰が、連絡先を、教えたと、思ってるのかしら？」

「さんです！ 申し訳ありません！！」

どうして私は2日続けて脅されてるのか、と心で嘆きながら謝罪を口にすると、富永はなおもにこにこと笑う。

「で、進捗は」

「明後日、憲史さまにお會いします！！」

壁ドンされながら智子が答えると、富永がスッと目を細めた。

「それ、私も行きたいんだけど」

「えっなんでですか？」

「面白いから」

「えっなんでですか？」

富永の返事に同じ言葉を投げると、富永は無表で 智子の頭をペシペシと叩いた。

「壊れたスピーカーなのかしら。叩いて直さないと」

「いや！ 脳細胞が殺される！」

「いっそ壊れてしまいなさい。あのね智子ちゃん。憲史さまの報見たと思うけど、相手は本気のVIPよ。ガチのやつよ。ちょっと纏まった金を持ってるお金持ちじゃないのよ。本なのよ。分かってるの？ ボディガードとか當たり前につけてるのよ。たぶん背後に有能な書とか、隣に弁護士とかいてもおかしくないのよ。それでも一人で大丈夫なの？」

富永に言われて智子は青ざめた。

弁護士はともかく、あの書は來る。確実に來る。ものの數十分で智子の勤め先を突き止めた怖い人間が憲史の背後にいる。

「よろしくお願いします」

「よろしい」

智子が素直に頭を下げると智子もしたり顔で頷いた。

「當日し早めに集まって打ち合わせしましょう」

「ありがたき幸せ」

「うむ。じゃ、お互い社畜に戻りますかブー」

「頑張りましょうモー」

適當にふざけて富永と別れを告げた智子は、思い出したように端末を取り出した。

（もう玲奈ちゃんからメール來てるかな）

智子がメールの信フォルダを開くと、一時間ほど前に玲奈からメールがっていた。

ーーーーーーーーーー

『智子さん

こんにちは。

昨日ご連絡頂いた通り、憲史さまからメールが屆きました。

やっぱり智子さんの仰るとおり、憲史さまは疑われているようでした。なので、私しか分からない事をお伝えしました。

智子さん、私を気遣っていてくれてありがとうございます。

婚約破棄をまれてないと分かってまた勇気が出ました。

本當に本當にありがとうございました。

あと、家の方できがありました。

とうとうあの人達が結婚するみたいです。里が言ってました。

今のところは影響はありませんが、しだけ怖いです。

早くお會いしたいです。

宮森玲奈』

ーーーーーーーーーーーー

『玲奈ちゃん

こんにちは！

憲史さまのこと、信じさせてくれてありがとう！本當に助かったよ〜！

ねえ、玲奈ちゃんはヤモリって書の人知ってるかな？

あの人が有能すぎてヤバイと思うんだよね…悪い事をできないね…。

さて、明後日憲史さまと會うことになりました。

畫面越しじゃなく玲奈ちゃんの関係者に會うのは初めてなのでし張してます。でも悪いようにはしないので安心してね！

そして報ありがとう。

そうなると何するか分からないね。でももし何かあれば言ってください。玲奈ちゃんを連れて帰るから。

くらぐれも気をつけてね。

日永智子』