《腐男子先生!!!!!》19 秋尾の見舞い
熱に浮かされて夢を見た気がする。どんな夢かは覚えてないけれど、ひとにいえるような夢ではなかった。それだけは覚えていた。
暴に鳴らされるインターホンの音で桐生は目が覚めた。が重く、まだ熱が殘っているのがわかった。けれど、自のかいた汗の量で、快方に向かっているという実もあった。
「鍵あいてんじゃん。不用心かよ」
上半だけを起き上がらせたら、そんな聲がしたので、起きることも諦めてもう一度ベッドに沈んだ。
「おーい、死んでるかー?」
遠慮なく部屋にってきたのは桐生の友人である秋尾だった。今日はの服は著ていなかったが、派手なコートにやはり長髪のカツラをかぶっていた。コスプレイベントの帰りなのだろう。
午前中に、風邪で外出を諦めた時、桐生が一番最初に連絡したのは秋尾だった。別に、一番最初に朱葉に連絡したわけではなかった。
「今日は合わせでコス。無理」
と秋尾の返事は瞬殺で無殘なものだったけれど。それでも、「帰りに見舞いでも行ってやるから」と言ってくれたから、それなりな優しさはあるのだろうけれど。
「キングは……?」
布団の中からかすれた聲で桐生が尋ねた。秋尾が「合わせ」という時は、ほぼ十中八九、人であるコスプレイヤーと組んでいるはずだった。『キング』というのは、その人の通稱だった。
「車。風邪の菌とはふれあいたくないってよ」
「さすがキング……しびれる……」
よくわからない嘆をしているけれど、桐生はいつものことなので妄言とは思わずに秋尾はスルーをキメた。
「ちゃんと薬飲んだのか? 一応缶詰とか買ってきてやったけど。あとポカリにウィダーインに栄養ドリンク」
「晝は飲んだ……何時……今……」
「もう六時」
「起きる……」
「ゴミ捨てとくぞー。あ、あとこれ見たいっていってたブルーレイボックス。祭壇に置いておくから……」
祭壇、というのは桐生の所有する神本、神グッズ、神フィギュアなどが飾られている場所だった。秋尾はそこに袋を置こうとして。
「…………」
「るな」
ふと、中央に鎮座ましますものに目をとめ、固まっていると、亡霊のごとき重みが肩にのしかかる。
「いやこれ」
「るな」
そこにあったのは、封のあいた冷卻シートだった。られたくないなら隠しておけばいいものの、わざわざ祭壇に飾る辺りが、桐生の桐生たるゆえんだなと思うし、秋尾だって飾ってあるものにそうそう気軽に手をれることはないのに、語るに落ちてるな、と呆れながら思う。
「らないから寢てろよ」
「え、最高に可くない? マジ神じゃね?」
「れてしいのかれてしくないのかどっちだよ!!!!」
「ってはしくないけどれてはしいんだよ!!!! わかれよ!!!!」
「めんどくせえわ!!!!!」と秋尾がぶ。毆ってやろうかと思ったけれど、病人だから自重した。
ベッドに座った桐生がゆるゆるとウィダーインゼリーを飲み始めたので、ため息をつきながら秋尾が言う。
「あのー……あの、これはあれだろ。今お前の神であるところの絵師さまが下賜された魔法の品だろ……すごいね……」
「そう。マジそれ」
「ちなみにお前の今の神様は教え子だった気がするんですが?」
「それは今置いておこう」
「置いておくんかい」
一応つっこむ。
ポカリスエットで薬を飲んで、また布団の中に帰っていくの姿を見ながら、秋尾はため息をつく。
「前もいったけど、実際どうなの? 朱葉ちゃん」
「気遣いも神」
「じゃなくて。生徒なんだろ? 節度もってつきあうんだろ。俺が連絡先聞くのも嫌がってたじゃんか」
「そうですけど」
「“これ”は、節度持ってるの?」
「……くれたのぱぴりお先生だし……」
「そういう逃げ方でいいわけ?」
布団が頭まであげられて、もごもごと小さな聲。
「おーれは……お前とは……違うんだよ……」
あ? と秋尾が眉を寄せる。
「自分の神様とつきあえるような……お前とはさ……」
その言葉に。
「つきあったくらいで神様じゃなくなるならその程度だろ」
と思ったけれど、まあ、それは、過ぎた言葉だと秋尾は飲み込んだ。
めんどくさい友達とは長いつきあいで、言ってもいいことと、言ってはマズイことくらいはわかるつもりだ。
「……どうでもいいけどさ。お前は外見をどうつくろったって、やっぱりずっと面倒くさい男だし」
そこで、し、考えた。こりゃ多分言ってはならんことだろうなと思いながら、でも言ってやるのも、友のつもりで。
「節度ってやつがどれだけ大事かしらんが、可いの子ってのは、すぐに誰かの手がつくもんだぜ」
返事は、ない。
ただ、布団の山の中から、ひねたような聲で。
「……ねる」
はいはいおやすみと、部屋を出ていこうとしてから、ちょっと考えて。
ドアをあけると、秋尾は言った。
「そういや、キングがラミネート機もってたと思うけど使う?」
あの、冷卻シートの。保存用に。
「神かよ!!!!!!!!!」
と布団の中から聲が響いた。元気じゃねえかと、秋尾は思った。
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