《出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないをむ》40

まずクーリアはサラと合流した。

「魔道で聞いたけど、ほんとに大丈夫だった?」

開口一番にそれである。それだけサラはクーリアのことを大切に思っているのだ。

「大丈夫。人數がいただけだったし」

しかも魔法が使えないときた。そうなると、さらに疑問は深まる。

「どうやって忍び込んだか、よねぇ…」

「まぁそれは大人たちに任せよう」

「そうね。わたし達にできることはここまで。さぁ行きましょう」

クーリアはサラに手を引かれ、草原のフィールドを後にした。

「ほんとムカつくーー!」

ヴィクターは大して違反行為を気にしていなかったが、イルミーナは大層ご立腹だ。

「勝ちたいからって騎士をれるってなくない!?」

「まぁ気持ちは分からんでもない。それを実行するかは別だがな」

不正をしてまで勝ったとしても、王家に認められるかは分からない。なぜなら王家は開示された報を見るだけなので、後でその実力を目の前で示させることがあるからだ。そこで示せなければ、不正が明らかになるだけでなく、王家を欺いたとして処罰をけることになる。

(まぁそれを知らないのも無理はないけどね)

この対抗戦は、そういう行為を行う貴族を炙り出す為のものでもあった。なので、一部の者にしか知らされていないのだ。

「ま、いいじゃない。おかげで早く帰れそうだし」

一応午後から決勝戦の予定だったのだが、今回の違反行為の調査を行う為に明日へと延期された。なので、クーリア達はもう帰ることができるのだ。

「じゃあわたしは先帰るね」

「珍しいわね。クーが食べずに先に帰るなんて」

今から帰れると言っても、食堂は開いているので、大の生徒は食べてから帰るつもりのようで、それはサラ達も同じ考えであった。なのでサラはクーリアも同じように食べて帰るとおもったのだが…

「ちょっと用事があるんだよ」

「ふーん。まぁいいわ。じゃあまた明日ね」

「うん。またね」

「気ぃつけて帰れよ」

「先生じゃないんだから……それくらい分かってるよ」

ヴィクターの発言が先生じみていたので、クーリアが思わず突っ込んだ。

「まぁヴィクターは先生っぽいわよね」

「そうだねー。ヴィクター先生?」

サラが同意し、イルミーナが茶化す。

「やめろ。……まぁ俺からしたら3人ともやんちゃな子供に見えるんだがな」

「それは否定できない…」

クーリア達に自覚があったことに驚きである。

(ほんと、いい友達に出會えたよね…)

には出さずとも、クーリアはこの3人と友達になれて良かったと思っていたのだった。

(クーが笑ってる…!?)

……サラには何故かバレバレであった。

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