《出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないをむ》48
遅い。もう朝禮は終わってそろそろ決勝が始まるところなのに、まだこない。
「ほんとどうしたのよ…」
「寢坊じゃねえか?」
それなら連絡してくるはず。もしかして…サボり?クーは勝ちたいとは思ってないんだし……あぁもう!だったら昨日のうちにご褒について話しておけばよかったわ!高かったのに……。
「サラ、連絡できるんじゃないのか?」
ヴィクターに言われて思い出す。わたし今通信出來るじゃない……。すっかり頭から抜けてたわ。早速通信する。……でも、繋がらない。
「なんで…?」
「どうしたの?」
「繋がらないのよ」
通信の魔道が繋がらない原因は、ひとつしか考えられない。
「…壊れた?」
すぐわたしはイヤリングを外して確認する。でも、どこも壊れていない。ということは、クーのほうが壊れた…?
そう簡単に壊れるものじゃないはず。ましてクーがわざと壊すとも思わない。
………なんだか嫌な予がする。クー、どこにいるの…?
◆◆◆
(えっとー…ここはどこ?)
クーリアが目を覚ますと、そこは真っ暗な空間だった。
(ちょっと待って…うん。昨日家に帰ったよね。で、おばあちゃんとおじいちゃんにリーヴォを飼う許可貰って…寢た。で、朝學園に向かう途中で……)
そこで全て思い出した。クーリアは學園へと向かう途中で男2人組によって攫われたのだ。
(誰が?というかなんで?)
クーリアは一応伯爵令嬢ではあるが、知られていることではない。しがないパン屋の娘という認識だ。ならば、人質にして金を要求するつもりの犯行とは考えにくい。
「なんで…」
「おや、目が覚めたかい?」
暗闇に突如響く男の聲。男の聲が聞こえた後に、辺りが明るくなる。
暗いところからいきなり明るくなったので、クーリアは思わず目を閉じた。し経って慣れてから目を開けると……その聲の主が目にった。
「……っ!」
思わずクーリアが息を飲む。なぜなら、クーリアにとってとても記憶に殘っている人だったからだ。
「マルコス…先生」
そう。暗闇から現れたのは、現在謹慎中であるはずのメンティス・マルコスであった。
「おや、覚えているとは意外だね」
クーリアはしっかりと覚えていた。……自分に難癖をつけてきた先生として。
クーリアは辺りが明るくなったことで自分の狀態を確認する。椅子に座っているようだが、手足は椅子に固定されており、首には鉄の重い首がはめられていた。
「なぜ…なぜこんな事を…」
「なぜ、か。…気にらないからだよ」
「気にらない…?」
「ああそうさ!気にらない。君のことがね!」
メンティスが笑顔で囃し立てる。その笑顔は、歪んだものだった。
「どこが…」
「どこ?君の存在だよ。無屬を持つ君の存在全てがね!!」
メンティスは俗に言うエリートだ。魔法の実力も十分にあった。だが、たったひとつの屬だけ適を持たなかった。それが、無屬だった。
いくら努力しようとも、六屬全てを持たないだけでそれ以上うえにいくことが出來なかった。
だからこそ、憎んだ。無屬しか持たないのに、高い実力があるクーリアのことを。
「だからわたしは……手にれる。その力をな!」
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