《出來損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出來損ないをむ》56

「お姉ちゃ──うわ、なにこの魔力濃度」

兄2人とれ替わるようにしてパン屋へとってきたのは……クーリアの妹、リーフィアだった。

って早々、リーフィアはパン屋の魔力濃度の濃さに、思わず顔を顰めた。

「あぁ、ごめんリーフ。すぐ戻す」

「それはいいんだけど……何があったの?多分お姉ちゃんの機嫌が悪かったか、怒ったんだろうけど……」

さすがクーリアの妹か。クーリア(姉)のその時の様子を勘で言い當てる當たり、姉のことをよく分かっている。

「……お兄ちゃんがきた」

「あぁ…」

それだけでリーフィアは納得してしまった。どれだけ妹達に信用されていないのか……し兄2人に同してしまう。

ちなみにこうしてリーフィアと話している間にも、クーリアは放出した魔力を再吸収していた。

……だが、魔力の再吸収など、そんなこと普通出來はしない。クーリアの魔力制の高さがなせる技である。

「……相変わらずの制力だね」

半ば呆れた様子でリーフィアが呟く。

「まぁわたしにはそれしか取り柄がないからね」

「そんなことないよ!」

リーフィアが思わず強く否定した。

クーリアは自を過小評価することが多い。だが、リーフィアはそれを止めてしいと常に思っていた。

姉が正當な評価をけない。それがとても悔しいのだ。

「……ごめん。つい」

それを知るクーリアだからこそ、リ(・)ー(・)フ(・)ィ(・)ア(・)の(・)前(・)で(・)は(・)自を過小評価しないようにしていた。今回は本當にうっかりだったので、素直に謝った。

「はぁ……まぁ、今に始まったことじゃないし、お姉ちゃんの気持ちも分かるんだけどね」

「なら」

「でも!お姉ちゃんは十分すごいんだからね!他の誰かが認めなくても、わたしが認めるから!」

「はいはい」

ほんとに分かってるのー?と疑いの目で見られるが、クーリアはその目を無視する。すると聞く気がないと分かったのか、リーフィアは諦めた表をしてため息をついた。

「はぁ…まぁ、いいや。それで調は?」

「全然大丈夫だよ。心配かけてごめんね?」

「なんで謝るの!お姉ちゃんは悪くないでしょ!」

「う、うん、まぁそうなんだけど……つい、ね」

「……ほんとに住まなくていいの?」

改まった様子でリーフィアが尋ねてきた。住むとは、クーリアがフェルナスの屋敷に住むということだろう。

ちなみに今現在リーフィアや兄2人は別のところに住んでいる。々と事があるのだ。

「うん。わたしは、ここが好きだから」

じーっとリーフィアがクーリアの目を見つめる。だが、すぐにまたため息をついた。クーリアが曲げるつもりがないことを理解したのだ。

「お姉ちゃんらしいね………で、気になってたんだけど、その狼、なに?」

一転して興味津々といった様子で、クーリアが抱くリーヴォへと視線を向ける。

「あぁ、この子?リーヴォ」

「契約獣?」

「そうそう。でる?」

「え、いいの?!」

そう言うが、もう既にリーフィアの手はでる勢にっていた。似た者姉妹である。

クーリアが初めてリーヴォに會った時と同じように、まるで壊れを扱うかの如く、リーヴォをでた。するとリーヴォは満更でも無い様子で、目を細めて尾を揺らしていた。

………ちなみに、クーリアがリーヴォをリーフィアに抱かせなかった理由は、リーヴォが離れようとしなかったからであった。

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