《婚約破棄された令嬢は歓喜に震える》殿下は卒業パーティーで婚約破棄する
本日2話目です、前を読んで無い方はご注意ください。
目の前には流石にこの様な規模の観衆の中で婚約破棄された事で、泣いているのか震えながら下を向きつつカーテシーをしている令嬢にふんと鼻で笑ってやる。
皆の祝福に包まれて気分が良く、隣に居る新しく婚約者の腰を抱きしめる。
しばらくすると人混みからリデラ侯爵夫妻が出てきて、リデラ令嬢を支えて會場を後にした。
婚約破棄を考えてからずっと、今夜みたいに條件が合う日を心待ちにしていたんだ。ここまで大勢の中で今夜破棄されれば言い返すことも、また婚約を結び直される心配もあるまい。
早速新しい婚約者を國王である父に紹介しようと、上座にある國王の席にヴェルローズを連れて向かう。
ヴェルローズは見た目も華やかで、社もあり授業でも良い績を殘していた。きっと父も寄り良い婚約者に変わった事を、良くやったと褒めてくれるであろう。
「父上、先程の宣誓した新しい婚約者のヴェルローズ・クルセイド侯爵令嬢です。」
椅子に座りこちらを見る父の表はとても褒めてくれるじでは無く、何故か殘念な者を見るような哀れみすら伺える。何故そんな表を向けられるのか理解出來ずに、じっと父からの言葉を待つ。
ひとつため息をついて、こちらを見た父の顔は真剣だった。
「バルガス、本當にこの結果で良いのだな?」
良いも何も自分でんだ事だ、リデラ侯爵令嬢との婚約こそ自分でんだ事では無かったのだから。
はいと答えると、父は椅子から立ち上がった。
「皆の者靜粛に、混を招く真似をしてすまない。
今バルガスから正式に婚約破棄の報告をけた、この婚約破棄は何人も撤回出來ぬとここで王命にかけて宣言しよう。
そして改めて紹介しよう、新しくバルガスの婚約者となったヴェルローズ・クルセイド侯爵令嬢だ。皆、このモノ達を暖かい目で見守ってやってくれ。」
父の言葉に続いて、先程より大きな拍手が會場に鳴り響く。この祝福をけた俺には、これからのこの國の未來がかかっていると思うと気持ちが大きくなってくる。
殘りの卒業パーティーはさながら俺の婚約者のお披目のようなものになった。皆が祝福の言葉を口にし、盛大な祝福が送られてきたのだ。
興冷めぬまま城に戻ると、部屋の前で母上がソワソワしながら待ち構えていた。何事だと思いつつ部屋に母上を招き椅子を勧めるが、座ろうとせずに腕を握り焦ったじで質問してくる。
「先程聞いたのですが、貴方リデラ侯爵令嬢と婚約破棄したのは本當ですか?」
早いものでもう母上の耳にっている事に驚く、母上はリデラ侯爵令嬢を気にっていたことを思い出す。何かにつけて大事にしろとか、優しくしろと言っていたな。
「はい、卒業パーティーで婚約破棄を告げて了解をけました。今度新しい婚約者のクルセイド侯爵令嬢を紹介させてください、リデラ侯爵令嬢と違って優秀な令嬢なので母上も直ぐに気にってくれると思います。」
「なっ…、なんて事を!今すぐリデラ侯爵家に行って、謝罪でも何でもして婚約し直して來なさい!」
ヒステリックにぶ母にうんざりして、摑まれている腕を振り払った。
「何故そんな事をしないといけないんですか!俺はこの國の將來を見據えて婚約を結び直したのに、母上は何を考えているんですか!」
「何を言っているの!貴方何をしているか分かって…」
「父上はこの新しい婚約をけれてくれました、そして王命で誰も婚約破棄を撤回出來ないとけいれてくれた!」
「王命…、撤回不可だと言うの?」
顔面を青白く染めた母上が、ゆっくりとその場に崩れて行くのを見守った。
折角の高揚していた気持ちも急激に冷め、目の前で膝をつき顔を覆って泣き出した母に嫌気がさしてきた。
この國の為に良い婚約を結んたのに、何故母はこの様な事をしているのかさっぱり理解できない。
表に待たせていた侍を招きれ、侍に支えられて帰っていく母の姿をつい睨んでしまう。
波に満ちた卒業パーティーの日は、こうして幕を下ろしたのであった。
語も折り返し、ラストに向かって頑張ります!
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