《いじめられっ子のキャJKは自分を変えるため、ダンジョンに挑む〜底辺弱者は枕とレベルアップで強者へと駆け上がる〜》人生変わるきっかけその2
家出をして、コンビニで豪華な晩飯を食べて休んでいる。
コンビニと言うのは良いね。深夜帯でもやっている。
それでいて腹が膨れるまで食べる事が出來るんだから。
勿論、その分金も飛ぶ訳だが。
ヒノを浮かせて、機替わりにしている。
ヒノなら食べを萬が一にも落としても大丈夫だと思ったから。
ヒノは枕でありながら、ベットにも壁にも乗りにも機にもれる。
もう枕であり枕では無い。ま、神だからそうなのだろう。
「ヒノ、私は強くれるかな?」
枕に何を聞いているんだと笑われるかもしれない。
でも、つい誰かの話したくてヒノに呟く。
私が唯一心を許して話せる相手はヒノ、枕だけだ。
ヒノはゆっくりと右に回転する。
「ありがと、ヒノ」
でると喜ぶ素振りをするので、本當に可い。
著が日に日に大きくっている。
もしもヒノの存在が世間に広まり、ヒノをしがる人が居たら、嫌だな。
ヒノは便利で有能だ。壊れない汚れないの優れもの。
ただの枕として使うのも良し、道を運ぶのも良し、人を運ぶのも良し。
でも、どんな大金、或いは世界を差し出されても、私はヒノを手放さい。
最高の友を相棒を誰が売るだろうか。いくら私でもしない。
この先どうするか、所持金は三千円そこらしか無い。
ダンジョンでヒノに囲って貰って寢る⋯⋯ヒノは壊れないけどらかい。
逆に潰される可能もあるので、その案は無し。
【質化】はくて枕として使えない。寢るのに不便になる。
ヒノなら、壁にりながら布団の役割も出來るのだ。
「ネカフェ⋯⋯ホテル⋯⋯金がなぁ」
私の年齢で泊まれるホテルって高いのよ。
ネカフェも近場の分からないし。
お父さんの暮らしている場所も分からないから行きようが無い。
「どうしたら⋯⋯」
何をするにしても金が必要。金がないから稼ぎたい。稼ぎいけど眠い。眠いから寢る所を探している。探せば探す程に金が必要になる。
いっそ空の上でヒノを使って寢るか?
考えてみたら意外と有りだ。
力の回復にも神の回復にもヒノは使えるし、それに今のヒノはとてもらかい。
大きくれば折り畳んで私を包む事も可能だから、寒さも凌げる。
問題があるとすれば、それが人々に見つかってSNS等のネットに流される事だ。
「⋯⋯」
そう考えていると、正面から話しかけられる。
聲的に男だが、そこそこの年を重ねていると思われる。
「お嬢ちゃん大丈夫かい? もし良ければ、家來るかい?」
家出して野垂れ死にしそうな子供に見えただろうか?
こう見えてもきちんとしているつもりだ。
服やお金だって、今抱えているヒノの中にある。
ヒノを抱えている⋯⋯枕を抱えて蹲っている姿にしか見えない、のか。
確かに、訳ありにしか見えないだろう。
私なら見て見ぬふりをするが。
「良いんですか?」
「あぁ。嫁さんが飯作って待ってくれてる筈だ。こっちだ」
優しい聲音に甘えて私は行く事に。
今の季節の夜はとても寒い。それに、何故だか彼からは優しさをじた。
昔のお父さんと重ねて見てしまった。辛い時に一緒に居てくれたお父さんと。
現実主義の人なら「拐」だの騒ぐだろうね。
家に到著した。
家に上げて貰う。
「おーい、の子拾って來たぞー」
「あらそう? 取り敢えず警察呼ぶわね」
「待て待て誤解だ!」
私含めて三人で會話をする事になった。
お嫁さんはとても若かった。二十代だろう。対して男は四十代な気がする。
確実に一回りも年が違うのに、夫婦だとは⋯⋯。
この二人は訳ありなのだろうか? 一番の訳ありが何を考えているのやら。
「何があったか聞かないわ。でもね、何もしないでここに泊める⋯⋯ってのは出來ない」
「ちょ、お前」
「貴方は黙ってて。別に出て行けとは言ってない。私達の仕事の手伝いをして。そしたら泊めるし食事をあげる。當然給料もね。あ、食事代とか引くから」
「はい」
寢床を確保した。
夜の仕事らしく、家の下に案される。
そこではワインとか提供する夜のバーだった。
未年の私、ましてや高校生の私が働いてはダメな場所だ。
それでも、今はそのご好意に甘える事にする。
「著替えはあっちね」
「はい」
更室に行き、著替えをする。
ヒノを利用した著替え方法なら、一瞬で終わる。
途中からバレない様にヒノを小さくして持ち歩いている。
「あら、速いわね」
流石に疑問の目を向けられた。著替え終わってもしは待った方が良かったかもしれない。
そのまま奧さんの橫に立ち、説明をける。
私の仕事は接客だ。流石に酒を提供させる事はしないらしい。
あくまで、お客さんと會話する事らしい。
でもね奧さん。
自慢じゃないけど、私人と話すのって苦手なんだ。
実際學校ではいじめの的ですからね、私。
開店してから十分後くらいに中年のおじさんがやって來た。
「ママ來たよ」
「いらっしゃい源さん」
源さんと呼ばれた男の事を小聲で教えて貰った。
常連の方らしい。
「いらっしゃいませ」
定型文を読み上げる。
その後、私はどう會話を切り出せば良いのか分からず、固まる。
その姿は正しく石像だ。
もうね、カチコチに固まっている。
「⋯⋯新りさんかい? 可いね」
「え、あ、えと、あの、えと、その」
可いと言われてオドオドしてしまう。
嬉しい⋯⋯のか分からない。でも、そんな言葉はお父さんと妹にしか言われた事が無かった。
嬉しいと言う寄りも、し恥ずかしい。
でも、この源さん、し危険な臭いがする。
なんか、私の事を勘づいているのに喋らないじがする。
もしかして、私が高校生だと気づいた?
「いきなりおじさんに話しかけられたびっくりするよね。ごめんね」
「いえ、そんなんでは」
「ここでバイトするって、やっぱりお金?」
「えと、まぁ、それも、あります?」
正直分からない。
確かに寢床に困っていたのは事実だ。だけど、切羽詰まった狀況だった訳では無い。
私には最高の相棒が居るから。
「には気をつけなね。君、隨分細いからさ」
「あ、はい」
「あんまり栄養取ってないでしょ。分かるんだよ。僕ってそう言う仕事してるからさ、相手の健康狀態とか」
「え?」
「源さんって大きな病院の院長なのよ、こんななりでね」
「こんななりとは失敬な! こう見えても凄腕でモテるんだぞ!」
「殆どが金目的なんだろ。ほい、いつもの」
「そうだけどさぁ。どうも」
そんな會話を聞きながら私は何も答えれずにいた。
あ、名前言ってないや。
「あの、私、七瀬世羅と言います。よろしくお願いします」
深々頭を下げて言うと、一瞬靜まり返る。
何か間違えた⋯⋯タイミングが悪かったのだろうか?
剎那、三人が聲を上げて笑った。
それはもうゲラゲラと笑われた。
ただ、私はしほっこりした。この景やこの空気で私はし、皆に打ち解けれた気がした。
そして、ここをきっかけに、人と関わる事に寄って、私の人生は大きく変わって行く。
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