《いじめられっ子のキャJKは自分を変えるため、ダンジョンに挑む〜底辺弱者は枕とレベルアップで強者へと駆け上がる〜》逃げるっきゃない
空気を振させながら片手でスイングされる金棒をヒノの起能力を利用して避ける。
髪のがふわりと風に激しく揺られる。視界にるが切る気は無い。紗波さんに褒めて貰ったからだ。
跳躍して、大きく回転を掛けて、魔剣と鉈で橫腹を攻撃する。
二目のオーガが強く金棒を突き通し、地面を砕く。瓦礫が飛んで來るので、ヒノを盾にする。
ちゃちな遠距離攻撃などヒノが居る限り意味が無い。
「やあっ!」
空中に避難してから、鉈を空中に投げ、魔剣を両手で持ってオーガ落下の勢いを乗せて突き刺す。
頭を狙ったつもりである。
『があああああ!』
しかし、背中に當たり、背骨を伝って地面に向かってる。
淺く切り裂く事で終わった。骨がある皮すぎる。
もっと倒しやすいをしてしい。
二対一はかなりきつい。
「ぐっが」
腹を蹴り飛ばされる。大き故に全を蹴られた。
即死は避けたい私の背後にすぐヒノが飛び回り、支えてくれる。
私を包み込み、ゴロゴロと転がる。開放されると、口からが出る。
痛みはじないけど、やっぱり傷ついているようだ。骨がボロボロ。立てん。
「【自己再生】ゲホゲホ。ヒノ、鉈」
魔剣からがドクン、ドクンと私の中にって再生していく。
鉈を取り出して、二のオーガを睨む。
相手は連攜して來る。
「二刀流って弱いのかなぁ」
ヒノに足を乗せて空に飛び立つ。
一人は背中からを流し、もう一人は腹からを流している。
オーガはが多いようで、かなりのを吸えている。ただ大きいだけかもしれない。
「【流作】形、矢」
魔剣を橫にしてオーガに向ける。その上に赤の矢が三本展開される。
鉈を持っている手で、矢を引くイメージで鉈をかす。
オーガに向かって放ち、の矢はオーガに刺さって行く。
刺さったはオーガの管に染み込み、さらにしだけダメージを上げる。痛がる素振りを見せるが、それ以上に狂気を孕んだ眼を向けて來る。
ヒノから飛び降りて回転を掛ける。
遠心力を利用して、魔剣と鉈での回転斬りが一のオーガの背中を抉る。返りが髪を洗う。
魔剣がさらにを吸ってよりダメージを加速させる。
下半にる可く力をれて、その場で回転して橫にも背中を抉る。
太ももに鉈を突き刺し、背中を両手で握った魔剣で切り裂く。
『がああああ!』
連続攻撃に斷末魔を上げる。
鉈をヒノが素早く回収して、左手で摑んでその場を出する。
もう一のオーガの攻撃を避け、反撃に魔剣をヒノで回転を乗せて振るう。
黒い閃がオーガのを淺く斬って、新鮮なが魔剣に吸われる。
「お前らには謝してるよ。いいモノを見せてくれたからね」
今まで強者だと思っていた奴が弱者にり下がり、それを自覚した時の顔。
それを見た時に湧き出た高揚が全てを語っている。
スッキリとは違う、何か面白いモノを見た気持ちだ。
もしもそれが裕也さん達なら激しい怒りをじるだろう。
クラスメイトなら、多は可哀想と思うかもしれない。
だが、あいつらはただの見世だ。面白かった。心の底から高笑いが出そうだった。
だから、その謝も込めて、私は容赦なく魔剣と鉈を駆使して攻撃する。
ヒノの攻撃力は低い。主に移用に使う。
時に相手の攻撃を導して、オーガにオーガを攻撃させる。
ハンマーをヒノで飛ばして一気にダメージを與えたりする。
しかし、流石はモンスターと言うべきか、なかなか倒れない。
時々攻撃をける。
ヒノが間にっても意味がないので、吹き飛ばされた後のフォローをさせる。攻撃は魔剣で塞ぐ。け流したりとカッコイイきは出來ない。
痛みはじない。じないがはきちんと傷付いている。
時には意識が一瞬吹き飛び、時には骨がへし折れ或いは砕け、意識が朦朧とし、様々な所からが出てくる。
それでも、死ななければ私は戦える。何度でも立ち上がれる。
やはり、魔剣を選んで良かった。いくら傷つこうとも、死ななければ死なない。
「はは。ほんと、やばいなぁ」
だからだろう。ゴブリンにすら恐怖をじていた私が、今では笑って戦える。
確かに死にたくは今でもない。當たり前だ。
私は高校生だ。戦闘狂じゃない。さっさと終わらせたい。
だけど、あのボスと比べたらまだ気分的に楽だ。
推奨レベルは問題ないと分かる。
何よりも、目標がある。
『がああああ!』
『おがあああ!』
二して迫って來る。迫力がある。
「ほんと、なんで一人で二も相手せんとならんねん」
魔剣をヒノにしまい、一気に空に飛ぶ。田中さんが居ればなぁ。
どんどん飛び、雲の上へと來た。
そのまま下を見上げ、ある都度の位置を確認する。
ヒノを手に持って、空中に足を落とす。高さをキープして、ブラブラと私はぶら下がっている。
今のレベルでもこの高さから落下したら死ぬだろう。
ちょっと怖いね。ちょっとだよ? ヒノが居るからね。
「しは、育館の痛みを知れよ」
ヒノが私ごと一気に回転する。目が回りそうになるが、スキルの影響か、日頃の戦いの賜か、そう言うのは無かった。
遠心力を出來るだけ乗せ、最後に私が軌道修正して下に向かって、砕けた育館の瓦礫を放った。
放った推進力、自由落下の加速、それらが組み合わさった攻撃がオーガにぶち當たる。
今ので人が巻き込まれても私は関係ない。
「いや、殆どの人は避難したし、問題ないか」
そのまま地面に降りて、結果を確認する。
魔石が二つ落ちて、金棒が二本落ちている。
斬られたり刺されたり、まみれのオーガは消えたが、この場所は赤く塗られていた。
錆び付いた鉄のような臭いがしているのかもしれない。の臭いをどう例えたら良いのか分からんな。
もしかしたら、殆ど私のかもしれない。なんて抜けても魔剣から補充出來る。
「魔石は食べていいよ」
ヒノが勢い良く魔石に食らいつく。金棒を手に取る。
「おとと」
重くて後ろに押されてしまう。
大きさはオーガが持っていたサイズで、人が持つには大き過ぎる。
両手でなんとか持てる。全部金屬なので、多の金にはるだろう。
ヒノならサイズなんて無視して仕舞う事が可能なので、問題はない。
人が居ないので、そのまま育館の中にる。
ダンジョンの崩壊はそのダンジョンが出來てから半年。
つまり、この場所に発見されないで半年間も放置されたゲートがある。
崩壊が起こったゲートはそのサイズを大きくするので、すぐに場所は分かった。
「⋯⋯この中まだ未探索だよな?」
もしかしたら、アイテムとか手にるかもしれない。
崩壊しているし、一応探索者だし、ダンジョンを攻略するのは義務だ。
なので、中にる事にする。これ以上被害を増やさない為にもね。
昔の私なら、一目散に逃げていた事だろう。
すぐに家に帰ってた。きっと誰かが終わらせてくれると思っていただろう。
だが、今は違う。
自らそこに足を踏みれている。
機はどうであれ、自ら問題に足を踏みれる姿勢に私は自分自を褒める。
私がこのように変われたのは、ヒノが生まれてくれたから。裕也さんが家出の私を拾ってくれたから。
世間なんて関係ない。今の私が私なのだから、それで良い。
「さて、行くか」
ヒノを片手に中にる。
中にり、正面を見ると大量のオーガが居た。
もしかして、あの二は偵察隊だったのかもしれない。
私がって來た事に、一斉にぶ。
「⋯⋯はは。逃げるっきゃないしょ」
勝てる訳がないよ。
もしも変わってしまうなら
第二の詩集です。
8 144狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執著愛〜
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