「全く、心配したんだよ」

面倒くさそうな表を必死に隠しているのが分かる顔だ。

そんな顔を母親がして、私を出迎えてくれる。

義父も同じような事を口にして、警察と話をしていた。

私はそんなのを気にしないで、家の中にる。

なんでこんな所に私は居るんだろう。

笑顔で出迎えてくれる二人は、私のせいで行く必要も無い場所に行かせてしまった。

その罪悪しか今の私にはなかった。

さっさと部屋に戻り籠る。

ヒノが傍に居ない。何故か居ない。不安に狩られる。

ヒノが居ないと私はどうにかってしまいそうだ。

「⋯⋯ん？」

窓に何かが當たった。開けると、ヒノが中にって來る。

「ヒノっ！」

ヒノに抱き著く。そして、片手で握ってそのまま床に叩き落とした。

そして拾い上げ、でる。

「これでチャラ。それでもし怒ってるんだからね」

ごめん、そんなが伝わって來る。

取り敢えず、扉を適當なで塞いでおく。

もしも義父がこの部屋の中にって來たら、殺してしまいそうだ。

「なぁ自稱神。私は良い格してないのは重々承知だ。だが、こんなにも簡単に殺人が頭に浮かぶ格じゃなかったぞ」

『⋯⋯』

「言わないって事はあんたらに取っての不都合、魔王の種子か。あんなもん食べるんじゃなかった」

怒りと悲しみ、負のが溢れ出て來る。それに合わせて狂気と殺意も湧いて來る。

心の底から膨れ上がるに任せて全てを壊したいと思ってしまう。

壊して壊してスッキリしたい。

「ヒノ、寢よ。もう今日は疲れたよ」

回復した筈なのに。なんでこんなに辛いんだろ。

今日の事は全て夢な可能があったりして⋯⋯ないか。

翌日、學校へと向かう。あの二人の顔なんて見ない様にすぐに移した。

「こんな時にも學校には行かないといけない。義務だなぁ」

しかし、校門に張り紙があった。

「えーと。學校修復の為に一週間休み、ね。はは。知らなかったなぁ。メールとかも登録してないし」

仕方ないので、私は刑務所に向かう事にする。

面會出來るかは不明だけど。

「あの、しお話良いかな？」

刑務所までの道が分からないと今更ながらに気がついた私。

田中さんとの約束もあるし。困ったものだ。

「ちょい！」

それにしても、他人が耳元でばれるとここまでイラッと來るとは思わなかった。

話す相手に薄してから話して貰いたい。

「君、昨日ダンジョンから出て來た人だよね？」

「⋯⋯私に話し掛けてたんですか？」

「それ以外に誰が居るの？」

「名前も言われてないのに分かる訳ないでしょ。貴の普通が私の普通だと思わないでくださいよ」

「⋯⋯ご、ごめんね〜ちょーっとお話良いかな？」

金髪のが眉をピクピクかしながらそう言って來る。

綺麗な人だなぁ、そんな想が出て來る。

しかし、この人は馬鹿なのだろうか？

「小學生でも習いますよ。知らない人にはついて行くなって」

「⋯⋯はぁ。自分はこう言う者です」

名刺を渡されたので、橫目で見る。

白河花音、スペースドラゴンギルドの副マスター。

おー私でも知ってる。

ダンジョンまで田中さんと移する時に見かけたテレビの映像で出ていた名前だ。

大型ギルドの一つだったか？

「貴をスカウトに來ました」

「あ、間に合ってます」

「え、もう他のギルドに？　まぁ確かに一人でダンジョン攻略出來る程のレベルならギルドにっている可能はあるけど⋯⋯」

「そう言う事です」

「き、きっとこっちの方が條件良いから、話だけでも聞いてくれないかな？」

私は振り返る事もしないで前に足を進める。

しかし、次の提案で私は白河さんについて行く事にる。

「晝食、奢りますよ」

「どこで食べますか？」

「え」

「どこで、食べますか？」

節約最高。

ファミレスだった。

折角なので、そこそこ高いのを注文する事にする。

「それで、⋯⋯スカウトの話なんですが、どうですか？」

「的な數字やメリットを提示して貰わないと」

「メリットは単純にギルドが貴をサポートする。例えばパーティメンバー、そして武、アイテム、そしてダンジョン、それにボス戦も。ただし、ダンジョンで稼いだお金の六十パーセントはギルドに、十パーセントは稅金、殘りは貴に。得た中でしいアイテムは突然貴に渡されます。これだとソロで稼ぐよりも難しい、と思うけど⋯⋯」

「パーティやサポート面により一回で稼げる金が増えるから、結果的に稼げる効率も、レベルを上げる効率も上がる、って事ですか？」

「そうです。どうですか？」

ふっかけてみようかな？

「それだと⋯⋯」

「平均的にこれは好條件だって認識してくれると嬉しいかな」

「⋯⋯本當ですか？」

「ガチ」

提示されたスマホの畫面には確かに、それらしい事が書かれてあった。

あ、てかこれマズった。

「ギルドにってないなら、尚更來てしい。あの學校での事はニュースにってる。一人でクリアして、一瞬でその場から姿を消した貴をしがっているギルドはなくないの。小規模ギルドは貴を守るどころか利用する」

「利用するのはそっちも⋯⋯」

「こっちはその分貴を守る。プレイベートも全て、ね」

「それは、良いですね」

來た晝食を口に運ぶ。

おぉ、久しぶりに食べたファミレスの料理⋯⋯味がしねぇ。

なんでだろ。いくら食べても、どんだけ噛んでも、味が一切しない。

「それともう一つ。キー」

空飛ぶ鍵なんて珍しい。珍しいと言うか、初めて見た。

でも、今の世の中だし、空飛ぶ鍵なんて不思議では無いだろう。

枕でも飛ぶし。

「これは神だよ」

へぇ神ね。ヒノと同じか。

私は味の無い料理をただ機械的に食べる。

『神、つまり彼は勇者だ。じる力も、完全に契約した勇者だぞ』

へー。

「白河さん、貴は勇者なんですね」

「⋯⋯ええそうよ。貴も勇者でしょ？　自分の視力で見たよ。空飛ぶ枕⋯⋯神じゃないと、あのスピードは出ない。世界の危機の為に、一緒に強くりましょう」

手をばして來る。

握手を求めて來た。

「くく。あははは。はははは。あー面白い面白い」

小さな聲で笑って、そして拍手してあげた。

白河さんの考えがある程度分かったから。

勇者に運良く選ばれて、正義の強い彼は世界の危機の為に強くなる。

そして、同じ勇者を集めて高みを目指す。

いやー良いね。面白い面白い。稽過ぎてたまらないよ。

「くっだらねぇ」

「え」

「あ、すみません。あの、一つ良いですか？」

「なんですか？」

「貴に取って、正義とは、ヒーローとはなんですか？」

36話で完結予定。

ちなみにスカウトに來た鍵の勇者は神達が言う、歴代勇者の中でも才能に溢れた方です。

恵まれた覚醒スキル、【星龍】が超強い。

ポテンシャルに溢れて、長速度も速く、鍵の神の力を使えば々とルールを無視出來る。

正義に溢れて自己犠牲神が高い。まさに主人公。ヒーローに憧れる。

世羅が超絶嫌いなタイプ