《いじめられっ子のキャJKは自分を変えるため、ダンジョンに挑む〜底辺弱者は枕とレベルアップで強者へと駆け上がる〜》VS花

「はーい、ドーン!」

一筋のが橫切る。

目が無意識にそのを追い、死角が増えた左側から花が接近して來る。

輝いている左目を見開きながら、拳を突き出して來る。

その拳にすら、高熱のを纏わせている。

圧倒的に、この地面に転がってる二人より強い。

「おー避ける避ける」

腕を払い除け、その勢いを利用して距離を取る。

勢を直しながら花を視界にれる。

「一人でダンジョン攻略するから本當にビックリしたよ? あそこで死んでれば楽で良かったのに。こいつも、そいつも、お前もさ!」

羽織、波、そして私の順番に指を指しながらそう言って來る。

その顔は完全に怒りに染まっている。

「滝宮くんもなんでこんなブスを選んだよマジで。意味分かんないよ!」

「⋯⋯」

これはもう正當防衛で良いのではないだろうか。

前傾姿勢になりながら駆け出す。

空気の抵抗をからじるが、それすら気にならない程に集中力が高まる。

研ぎ澄まされた神はたった一點に集中されている。

間合いが決まれば、繰り出すは骨を砕く一撃の回し蹴り。

しかし、相手はそれを華麗にけ流した。

「お前⋯⋯」

「雑魚がお前呼びすんなっ!」

空気の振波が私の全を襲う。

「ぐっ」

吹き飛ばされ、何回か地面をバウンドして止まる。

ゆっくりと立ち上がれば、銃のように親指を垂直に上げて、人差し指をばしている花が見える。

「ズドン」

先端にが集まり、先程よりも太く速い一撃のが襲い掛かる。

髪一重で橫にステップして避ける事は功した。

しかし、反対の手の人差し指が私にばされる。

「ドーン」

「くっ!」

ステップした勢から無理矢理跳躍を図る。

避ける事には功したが、反で骨が軋む。

無事に著地して、を安定させる。深呼吸して呼吸を安定させる。

「あそこで皆死んでれば良かったのに、お前が守るからさ。本當に最悪だったよ! 一撃けた癖にさ、波は生きてるしよ! たかが40レベルで偉そうにしてさぁ! そんなん一日で終わったわ!」

「⋯⋯」

「ダンジョンにったから、お前は死んだ。滝宮くんは落ち込み、そこに付ける予定だったのに、お前は攻略するしよぉ! ふざけんじゃねぇよ!」

「⋯⋯」

もしも、花がダンジョンに挑んで、鬼と戦っていたら勝てていただろうか?

分からない。

私は勇者の力とヒノ、そして相手の油斷をう為に煽りに煽ってなんとか勝てた相手だ。

分からない。しかし、花は強い。

「レベル40がレベル112に偉そうにしてさ。親の立場が上だからってさ」

「れ、レベル112?」

三桁、だと?

私は鬼を倒して、その経験値を全て私が貰った。

魔剣での経験値獲得率も上がっている。

なのに、だと言うのに、そんな私よりもレベルが高い?

同じ年齢なのに? そんな事が、ありえるのか?

ありえて良いのか?

「流石に人殺しは良くない⋯⋯だけど、その顔はズタズタにしたいよね! バーン!」

片手を空に掲げ、虛空にの球が出現する。

そして、それが私を貫こうと迫って來る。

奴の意見通り、私を殺す位置では無いので、立ち止まっていれば致命傷は避けられる。

だが、制服が破ける! それだけは許容出來ない!

「はっ!」

一気に息を吐いて駆ける。

私を襲いに來ていたは背後を捉えている。

育館の壁をよじ登り行範囲を広げる。育館の壁はこの魔法に耐えられるらしい。

「はっ!」

育館の壁を強く蹴り、加速して花に迫る。

拳を固め、落下に合わせて突き出す。

それは軽いスライドステップで避けられる。

拳を開いて地面に乗せ、それを軸として回転し、踵を振るう。

「おっと」

仰け反る形で軽く避けられ、反撃と言わんばかりに銃のように手を作り、を指先に集める。

「ズドン」

「ぬっあああ」

片手に力を込めて、それを一気に解き放つ。

高く飛び、反撃を躱して著地する。

しかし、その先に指先だけが向けられている。

「ドーン」

即発のが頬を切り裂く。焼き切った場所はすぐにカサブタとる。

「へぇ痛みに悶えないんだぁ?」

「生憎と、痛みにだけは耐があるんでね」

「あっそう。あのサンドバッグから隨分強くなったらしいけど、僕の敵じゃないね」

「それはお互い様でしょ?」

「そうかなぁ? 君のきはスローモーションに見てるんだよ」

「その左目のおで?」

「正解。【獣碧眼(ビーストブルーアイ)】視力の強化と力、魔力の流れを目視する事が出來る」

程、ね」

「そして【作】を集めたり放ったり出來るスキル。魔法とは別モノ」

「説明どうも」

「そんな僕とお前が対等に戦える訳ないだろ?」

程」

私は邪悪な笑みを浮かべてやった。

どうしてこう輩はペラペラと無駄話をしてくれるのだろうか?

ありがたい事に々と報が得られると言うのに。

相手に報を與えると言う事は、そこから格などが読み取れると言う事。

ちょっとした復讐気分で戦っていたけど、こいつは別だ。

ガチの対人戦だと思わないと、負けてしまう。

怪我をしても回復は出來る。

だけど、出來ないモノも存在する。

「戦えるさ」

正直、それが正しいか分からない。

分からないけど、これが一番効果的だ。

私の記憶に無くても、奴がそう思うなら、そこを広げてやれば良い。

相手の嫌な部分を突いて、煽れば、人は、生は、簡単に怒る。

「滝宮くんに一緒に告白したら、お前は負けんだろ?」

誰かは不明だが、使わせて貰うよ。

もしも會う機會があるならば、お禮を述べたいと思う。

「何? それで僕を煽ってるつもり?」

「あの人は言ってたよ。花って奴はブスで格も悪いから関わりたくないゴミだって!」

の私が見ても、顔立ちは良い。

格が悪いのは確かだ。

「それを僕が信じるとでも?」

「その腐り曇った目で見て來たんじゃないの? 私と滝宮くんの関係を、さ」

「⋯⋯」

「もしもきっと彼がこの景を見たらこう言うさ。『お前みたいなゴミが世羅に近づいてしくない』って!」

しかし、このセリフにより花から徐々に出て來た苛立ちが消えた。

何故だろうか? なにか間違えたのだろうか?

いや、こう言う奴にはこう言うのが効果的だと思ったのだが⋯⋯事実途中まで順調だった。

「あははははは!」

急に笑いだした。

「ばーか。滝宮くんはお前の事、『世羅ちゃん』って言うんだよ!」

あー、滝宮くんってあの男か。

それは⋯⋯ミスったな。

「よ、良く観察してるね。あはは」

「僕を騙そうって、そうはいかないよ!」

「まぁでも、滝宮くんに関しては、お前は私の足元にも及ばないよね?」

「あぁん?」

「だって、(元)一緒に登下校してるし、(元)家は隣同士だし、昔は良く遊んだ馴染(多分)。家族ぐるみで仲が良かった(多分)お前の勝ち目はゼロ、諦めての丈に合った男を探せよ。ざーこ」

左手の中指を天に向かってばし、今の気持ちを顔に表した。

相手の額に青筋が浮かぶ。

「あーウザ。もう、手加減しないから。【加速】」

一瞬り、私の斜め後ろには花が立っている。

そして、視界には鮮が舞っていた。頬から流れる

橫目で見れば、刃を取り出している花の姿が映った。銀の刃からは真っ赤なが垂れている。

「顔だけじゃなくて、切り刻んでやるよ。ざーこ」

中指をビンビンに立てている花が私を嘲笑っていた。

のレベル⋯⋯

    人が読んでいる<いじめられっ子の陰キャJKは自分を変えるため、ダンジョンに挑む〜底辺弱者は枕とレベルアップで強者へと駆け上がる〜>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください