《機甲學園ステラソフィア》レイ・エッジ

不意に、奇妙な熱源がスパローに向かって飛翔しているのをレーダーで確認する。

「――――これは!?」

「スズメちゃん! 気を付けろ、ミサイルだ! スズメちゃんを狙ってる!」

「ミ、ミサイル!? ――なるほど、レーゲンボーゲンの照機はその為の……」

スパローは首を巡らし、上空から襲い來る裝騎レーゲンボーゲンのカープミサイルをその目に捉える。

一斉に襲い來る鯉の名を持つミサイルは、八岐大蛇のようにスパローへと喰らい付く。

「くぅ――っ!!」

スズメは周囲に素早く目を巡らせ、スパローを駆ける。

ミサイルを切り裂き、け流しながらスパローはミサイルの中を突っ切った。

切り裂かれたミサイルは炎を上げ、他のミサイルがする。

炎が炎を呼び、黒煙が大きく立ち上がる。

「はぁはぁ……」

発を突っ切って飛び出してくるスパロー。

スズメはミサイルの発の中を駆け抜けながらも、その目前にリラライラを捉えていた。

「ええええ! ちょ、なんでコッチ來るのぉ!?」

リラライラはダガーガン・トロイメライをスパローに放ちながら、森の中に逃げる。

だが、スパローは容易くダガー弾を弾き飛ばし、リラライラに薄。

シュゥウウウウウウ

そんなスパローを中空からカープミサイルの第2波が狙う。

「――厄介ですね」

綺麗に隊を作る様に、空から降下してくるカープミサイル。

それはスパローの背後を狙うように回り込み、リラライラを追うスパローのその後ろをさらに追いかける。

スパローは、一層スピードを上げ地面を駆ける。

「せいっ!!」

スパローは正面にあった木を蹴ると、そのミサイルの背後に向かってバク転をした。

幾つかのミサイルが木にぶつかり、炎を上げる。

だが、幾つかのミサイルは、スパローの軌跡を辿るように急上昇。

をよじると、その頭をスパローに向け追いかけてくる。

「意外と追尾能が高い――――!」

殘ったミサイルから逃れようと、スパローがバックステップをした瞬間、スパローの足元に2発のダガー弾が突き刺さる。

「――これは、スパーキングダガー弾!!」

スパローのきを見て、リラライラが放ったのだ。

本來はダガーを突き刺した相手に電撃を放つことで強烈なダメージを與える武

しかし、それとは別に周囲に反応をじた裝騎に対して電流を放つと言う能力も持っている。

もちろん、前者よりもダメージは下がるものの命中率は上がる。

そして、このスパーキングダガー弾の1番の特徴は、命中した相手のきを、ほんの一瞬だがほぼ完全に停止させられるとこにある。

「くぁうっ!!」

腳部にスパーキングダガー弾の電撃をけ、スパローが直する。

そして、スパローのきが止まった所にカープミサイルが飛び込んで行った。

「や、やった――!?」

リュディケがそう思うのも束の間、その炎の中から跳び上がる裝騎スパロー。

「そ、そんな――――!!」

「ふぅ……危なかったです…………」

リラライラのスパーキングダガー弾によってきを止められたスパロー。

しかし、その直によりスパローが倒れこんだこと。

そして、電撃のダメージをダイレクトにけたのが両腳だけであり、辛うじて上半は稼働可能だったことが幸いした。

バランスを崩し倒れた瞬間、スパローは上半を使い衝撃をけ流し地面を転がり、その回転で同時にミサイルを1基、ブレードで切り裂いていた。

そして、で広がった炎の中で勢を立て直したのだ。

スズメは額を流れる汗を左手で拭いながら大きく息を吸う。

スパローは再びリラライラを正面から狙い駆けた。

スパローが仕留められなかったことを知り、再び放たれたレーゲンボーゲンのカープミサイル。

やはり、同じようにスパローの背後から襲い掛かってくる。

「ミサイルの追尾能の良さ――それに、裝騎リラライラはミサイルと対面してる時は攻撃が薄くなる――これなら」

スパローはグッと踏み込みリラライラに向かって跳んだ。

「ひぇひぇひぇぁぁああああ!!!???」

ミサイルを引き連れ、加えて、自らを目指して突っ込んでくるスパローの姿にリュディケが悲鳴を上げた。

「うごっ!?」

スパローはリラライラに蹴りを加えるようにリラライラの上に飛び乗った。

そして、そのままスパローを跳ねさせ、リラライラの上から飛び退く。

「ええええええ!!?? ええ、えぇぇええええええええええええ!!!!????」

スパローの軌跡を忠実になぞる様に飛行するカープミサイル。

そのまま、カープミサイルが群がるようにリラライラに叩き込まれた。

「これで1騎!」

リラライラの機能停止を確認するスズメ。

「リラライラがやられたようね――――レーゲンボーゲン、コード・Bよ!」

「りょーかいっ!!」

だが、安堵する余裕もなく、ダダダダダダと弾丸がスパローの元へと撃ち込まれる。

「これはまさか――グリュンドラヒェ!? レーゲンボーゲン!!!」

そう、それはいつの間にか移してきていたレーゲンボーゲンの姿だった。

先ほどまで、複數発を同時に撃ち放っていたミサイルも、その數を、2,3発に絞り、チマチマと出しながらグリュンドラヒェをスパローへと撃ち込んでくる。

「あんまりこーゆー戦い方は好きじゃないけど、ゴメンネ!!」

そういうレーゲンボーゲンの騎使トワイ。

レーゲンボーゲンはグリュンドラヒェとミサイルでスパローと距離を空けつつ攻撃を加える。

スパローは凌ぎ、避けているものの、レーゲンボーゲンに接近できない。

「く――近づけない!」

そう、これがチーム・リリィワーズの作戦だった。

勝利の鍵はレーゲンボーゲン。

今までの戦いで撃系の武を一切持たずに出撃したサエズリ・スズメの裝騎スパロー。

リリィワーズの作戦は単純明快。

脅威であるスパローだが、撃武を持たないのであれば、遠距離から一方的に攻撃ができる。

レーゲンボーゲンによるミサイルの不意打ち攻撃であるコード・A。

そして、それで仕留められなかった場合のレーゲンボーゲンによる遠距離攻撃を行うコード・B。

「なるほど――スパローに撃武が無い事を睨んでの遠距離攻撃ですか――――」

それを察したスズメは、だがその表は楽しそうだ。

スズメはスパローをレーゲンボーゲンに向かって走らせた。

可能な限りレーゲンボーゲンと距離を詰める。

「こっちに來る――! でも、いくらサエズリ・スズメがすごいからってそう簡単に近付かせは――」

不意に、スパローがその両腕を前に突き出す。

「――――?」

スパローのとった奇妙な作に、トワイは首をかしげる。

両腕を前に突き出したまま、突っ込んでくるスパロー。

その両腕のブレードが割れその間に輝きが迸る。

その輝きは小さく、トワイの目には見えない。

「いったい、何をする――」

だがその輝きは一瞬で激しくなり――――瞬間、スパローの両腕のブレードをった。

「スパロー! レイ・エッジ!!」

「えっ」

スパローを強烈なが覆ったと思った瞬間、そのはレーゲンボーゲンを貫いていた。

に貫かれた裝騎レーゲンボーゲンはその機能を停止した。

「スパローに撃武が無い――――はず無いじゃないですか」

両腕に備えられた碗部ブレード。

それには、ブレード以外の機能も備わっていた。

ブレード自を銃とするようにして、流れ、放たれる魔電霊子砲(レイ・エッジ)。

スパローが放ったは、まさにその輝きだった。

「これで2騎、ですね!」

オマケ

ステラソフィア・キャラクター名鑑

1年:チーム・リリィワーズ所屬

名前:Arc En Twi

読み:アルク・アン・トワイ

生年月日:聖歴153年3月14日

年齢:15歳(4月1日現在)

地:マルクト國ドラチェ

長:155cm

重:47kg

使用裝騎:PS-Ca1S:Regenbogen(ベース騎PS-Ca1:Canhel)

好みの武:カープミサイル

ポジション:ガンナー

私立ソワール學園出

好奇心からステラソフィアに自己推薦を出したら通ってしまった。

趣味は昔話を調べること。

個人的な聲のイメージは悠木碧さん。

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