《機甲學園ステラソフィア》クリティカル・ドライブ
「アイロニィ――――クリティカル・ドライブ――――――!」
青白い輝きを纏った裝騎アイロニィ。
アイロニィは限界駆(クリティカル・ドライブ)という狀態へとっていた。
人の意思力や魔力――霊力と電力を結合させ、アズルと言う特殊な力を生み出すことで、量の電力で無限に近いエネルギーを取り出すことができるアズルリアクター。
しかし、機甲裝騎は1度に蓄えられる、行使できるエネルギー量がなく、使用した後に新たなエネルギーを作り出し、補給すると言う方式を取っている。
その為、魔電霊子砲等の1度に大幅なエネルギーを使用する武を使った場合、數秒だがエネルギーを作り出す時間がかかり連などが不可能。
だが、そんなアズルリアクターを限界ギリギリまで酷使し、使用したエネルギーをほぼ一瞬で回復することが可能となる事が稀にある。
それは、例えば騎使が死を間近にした時だったり、最高の神の昂ぶりを見せた時だったり、異常な集中力を見せた時だったりに発すると言われている。
その狀態こそ――――限界駆、クリティカル・ドライブである。
アズルリアクターによって生み出され続けるアズルの輝きが裝騎の隙間から僅かにれ出し、その中がアズルの仄かな青い輝きに包まれる。
「これは――――噂には聞いた事がある、けど――――――まさか、実際に目にする事になるなんて」
クリティカル・ドライブの噂は、何も実戦だけのことではない。
裝騎バトルは當然、その他の分野に於いても、稀に起こる現象として、その噂を聞いた事はあった。
それは恐らく、『ゾーン』や『フロー』、『絶対領域』と呼ばれる類のものだろう。
瞬間――――アイロニィがスパローの目の前から消えた。
「しまっ――――」
不意にスパローに襲い來る衝撃。
スパローは、アイロニィの蹴りをけて吹き飛んでいた。
そこに向かって突き立てられるアイロニィのナイフ・クサナギ。
それを辛うじてけ止めるスパローが右手に握ったナイフ。
「くぅ――――」
スパローは素早く、アイロニィに蹴りをれようと足を突き出すが、紙一重でその蹴りを回避される。
だが、スパローの蹴りは意識を逸らす為の導――――スズメはそのままスパローの右腕にエネルギーを回す。
「スパロー――レイ・エッジ!!」
スパローは、手に持ったナイフでアイロニィのナイフをけ止めながら、右腕のブレードをアイロニィに向ける。
その瞬間、スパローの右腕から鋭い輝きが放たれた。
カッ――――!!
が瞬く瞬間――――だが、アイロニィはそのをかわし、スパローから距離を取ると同時にレイ・エッジの輝きを回避していた。
スパローも、アイロニィが距離を空けたその瞬間を見計らい、そのを跳ね起こす。
「やっぱり――――強い!! でも、私は――――私は――――――――」
不意に、アイロニィがナイフ以外の全ての裝備をパージした。
右手に握ったナイフ――――その1本でスパローを獲る気だ。
鋭く激しく襲い來るアイロニィ――――それに必死で抵抗するスパロー。
なんとか凌いでこそいるものの、やはりアイロニィの強さは圧倒的。
「ぐぅ――――勝て、ない」
「この程度の攻撃で音を上げるの? サエズリ・スズメ――――」
「っ――――!!」
「貴の力はこの程度? 本當に? 本気を見せなさい……サエズリ・スズメェ!!」
「本気――私の、本気!? 私は――――私は…………」
「私はそんな諦めたような戦い方をしている貴を――見たく、無かった。今も――――そして、あの時も!」
「――――――っ!!!!」
諦めている!? 私が、諦めている――――今も、そして――――
「あの時…………」
アイロニィに再び蹴り飛ばされ、スパローが地面に倒れ伏す。
そこに向かって閃くアイロニィのナイフ。
「私は――――」
そのナイフは的確にスパローの機能を停止させようと振り下ろされる。
「私は――――――諦めない!!」
瞬間――
ギィイイイイイイイイイイン!!!!!
アイロニィのナイフをけ止めたのはスパローの碗部のブレード。
「ふっ――――」
そこから僅かにれ出す、青白い――――
「スパロー……クリティカル・ドライブ!!」
スパローのを覆う青白い輝き――――そう、スパローもったのだ。
限界駆(クリティカル・ドライブ)の領域へと。
「はぁぁぁぁああああああ!!!」
鋭く――そして、素早く振り払われたスパローの碗部ブレード。
それと同時に、覇気のようながアイロニィを――イザナを襲う。
「っ――この迫力は――――――」
ゴォオォオウ!!
まるで突風が吹き荒れたような錯覚。
その覇気に圧し飛ばされるように、アイロニィは後方へと跳んだ。
「面白いわね、サエズリ・スズメ……」
「私は勝ちます! ヒラサカ・イザナ――――アナタに、勝ってみせます!」
スパローとアイロニィが跳ねるように前へと駆けだす。
バヂィッ! バヂッ!
激しくぶつかるスパローのナイフとアイロニィのナイフ。
その度に、赤い火花と、蒼い輝きが弾け飛ぶ。
互いの裝騎のきが、蒼い殘像を殘し、揺らぎ、激しいびを上げる。
不意に、スパローは距離を空けるようにして飛び跳ね、右腕をアイロニィに向ける。
「レイ・エッジ――!!」
鋭く放たれるレイ・エッジの輝き、それを素早く避けるとスパローに薄するアイロニィ。
「甘いです!」
更にもう1撃――――スパローの右腕のブレードがを発し、レイ・エッジを撃ち放った。
「なるほどね――クリティカル・ドライブ時は常にエネルギーが供給される――――だから」
レイ・エッジは一撃のエネルギー消費量が激しく、その消費量と回復量が割り合わない為、連が不可能だ。
しかし、クリティカル・ドライブ時はその回復量すら最大まで引き上げられる。
故に、エネルギー消費が膨大なレイ・エッジと言えども、連とまでは言わずとも、単発銃程度のペースでは撃が可能となる。
もっとも、イザナがその可能を考えていないはずは無く、アイロニィはスパローの2目も回避した。
「流石です、イザナさん!」
「そろそろ決著をつけましょう――サエズリ・スズメ!」
「スパロー! レイ・エッジ――――」
瞬間、スパローの右腕にが走る。
「――――っ!!! これは!?」
大きく振り上げたスパローの右腕――そこから放たれる輝き。
常に注ぎ込まれてくるエネルギーを、激しい力を持って放出する。
それはまさに巨大なの剣――――莫大なエネルギーを一気に放出する事で作り出されたその刃は裝騎のの丈をも遙かに超える。
「――――――大、切、斷!!!!」
スズメのびと共に、スパローの右腕が振り下ろされる。
の巨剣は木々を引き裂き、地面を焼き付け、激しく、鋭く、切り裂いていく。
「っ――!!!」
慌てて回避行をとるアイロニィ――――スパローのレイ・エッジ大切斷はその左腕を肩ごと持っていった。
「何て技を使うの――サエズリ・スズメ…………」
「思ったよりも出力が出てビックリしちゃったですけど――――なるほど、大わかりました!」
スズメはそう呟くと、エネルギーを調整し、その刃を短くする。
スパローの碗部ブレードに纏われるエネルギーの刃、レイ・エッジソード。
それを構えると、再び正面から突っ込んでくるアイロニィを迎え撃つ。
この1撃で――――勝負は決まる。
どういう訳か、2人ともそんな確信があった。
「私は――――勝ちます!」
そして――スズメにはその確信があった。
スパローのレイ・エッジソードがアイロニィのを貫かんと閃く。
対するアイロニィのナイフがスパローを切り裂かんと閃く。
「――――っ!!」
その差する一瞬、アイロニィのがスパローから見て右へと沈み込んだ。
それはアイロニィが狙って行った事――――ではなかった。
「くぅ――どうやら、持たなかったみたいね……」
呟くイザナ。
それと同時にスズメは気付いた。
崩れ落ちるアイロニィの左足から飛び散る火花。
そう、先のスパローが放ったレイ・エッジ大切斷――その時にアイロニィは左腳にもダメージをけていた。
その為、アイロニィのきに腳部の耐久力が追い付かず、結果、左足が壊れ倒れこんだのだ。
一瞬、スズメは止めを刺すことに躊躇する。
「イザナさん――――」
「サエズリ・スズメ、私は、諦めていないわよ」
通常、裝騎にとって腳部というようは非常に大切な部位だ。
裝騎全ての重を支え、そのきの基礎を占める。
それが破壊された裝騎の戦闘力は大幅に低下し、まともな戦闘など行えるはずが無い。
しかし、その言葉通り、ヒラサカ・イザナは諦めていなかった。
右腕で裝騎を思いっきり押し出すと、その反で殘った右足をスパローに叩きつける。
「きゃっ!?」
蹴りを食らったスパローがよろめく。
その隙に、地面に手を突き、反でアイロニィのを起こす。
「いっけぇぇぇええええええ!!」
ギシィ
アイロニィは右足に力を込め、片足立ちする。
そして、その片足だけで、小刻みなジャンプを繰り返しながら、裝騎のを捻り、スパローを正面に捉える。
そして、スパローを正面に捉えた瞬間――――の捻りを右腕に乗せ、ナイフを思いっきり振りかぶった。
一方スズメも、多勢を崩されただけで隙を見せる様な騎使では無い。
そんなアイロニィのがら空きになった目がけて、右腕のレイ・エッジソードを振り払う。
スパローのレイ・エッジソードがアイロニィの右に食い込む。
アイロニィのナイフが一瞬遅れてスパローの左肩に食い込む。
スパローのレイ・エッジソードはアイロニィのを――
アイロニィのナイフはスパローのを――
互いに切り裂かんと――――――
「ダ、ダメです――――――!!!」
不意に飛び出してきたのは満創痍の裝騎ニューウェイ。
「なっ、あれは裝騎ニューウェイ!?」
「っ!! トーコ!?」
飛び出してきたニューウェイは、アイロニィを切り裂かんと襲うスパローのレイ・エッジソードをそのでけ止め、押し返した。
そのまま、アイロニィのナイフは――――スパローのを引き裂いていた。
スパローとニューウェイは機能を停止し、殘ったのはスーパーセルとチリペッパー、そして片腕片腳を失ったアイロニィになった。
「――――――私達の、負けよ」
ヒラサカ・イザナは――最後にそう呟いた。
【10萬PV!】磁界の女王はキョンシーへ撲滅を告げる
世は大キョンシー時代。 キョンシー用の良質な死體を生産するための素體生産地域の一つ、シカバネ町。人類最強である清金京香はこの町でキョンシー犯罪を専門に扱うプロフェッショナルが集うキョンシー犯罪対策局に所屬し、日夜、相棒のキョンシーである霊幻と異次元の戦いを繰り広げていた。 そんなある時、雙子の姉妹の野良キョンシー、ホムラとココミがシカバネ町に潛伏した。 二體のキョンシーの出現により、京香は過去と向き合う事を余儀なくされていく。 ざっくりとした世界観説明 ① 死體をキョンシーとして蘇らせる技術が発明されています。 ② 稀にキョンシーは超能力(PSI)を発現して、火や水や電気や風を操ります。 ③ 労働力としてキョンシーが世界に普及しています。 ④ キョンシー用の素體を生産する地域が世界各地にあります。 ⑤ 素體生産地域では、住民達を誘拐したり、脳や內臓を抜き去ったりする密猟者がいつも現れます。 ⑥ そんなキョンシーに関わる犯罪を取り締まる仕事をしているのが主人公達です。 ※第一部『シカバネ町の最狂バディ』完結済みです。 ※第二部『ウェザークラフター』完結済みです。 ※第三部『泥中の花』完結済みです。 ※第四部『ボーン・オブ・ライトニング』完結済みです。 ※第五部『ブルースプリングはもう二度と』完結済みです。 ※第六部『アイアンシスターを血に染めて』開始しました! ※エブリスタ、ノベルアップ+、カクヨムでも同作品を投稿しています。 試験的にタイトルを変更中(舊タイトル:札憑きサイキック!)
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