《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達、出會いました ⑧
帰路途中、ちょっと高級な洋菓子店で好きなケーキを買って2人で歩いていた。
本當に今更だけど、家に泊まらせてよかったのだろうか。
お母さんに泊まるなら一通メール送ったら?って普通なら聞くんだけど。
あのじなら、たぶん聞かない方がいいんだろう。
家に著くと、駿は周りをキョロキョロした。
「本當に一軒家なんだ」
「なんだよ、本當にって」
「立派な家だね」
家の外も中もバリアフリーに改裝して俺が住みやすい家にした。
ドアを開けると家の中には至る所に手すりが付いていた。今はほとんど使わないが二階もある。
適當に荷を置くように伝えた。し背の高いキッチンでコーラーはないからコーヒーをれた。
と言っても、ペットボトルのコーヒーだけど。
駿「律はどうやってニ階に行くの?」
ケーキをお皿の上に置きながら、駿は二階に目をやる。
律「事故に遭ってからは行ってないかなぁ」
駿「事故?」
そういえば駿に事故の話言ってなかったっけ。
律「あ、いや……」
駿「いいよ。言わなくて。人の過去を掘り葉掘り聞くのは良くないって思う」
ほら、時々見せるいい人。
見た目はヤンキーだけど、すげぇいい人。
駿「家の中ちょっと歩いていい?」
律「いいよ、なんもないけど」
駿は立ち上がると、なにに興味を示したがわからないが、本當になにもないシンプルな部屋を歩いた。
棚の家族の寫真を手に取り、し笑った。
「仲良さそう……」
「仲はいい方だよ。俺がさ、親離れできてなくて」
「みんなはどこにいるの?」
「みんな死んだよ」
なにも言わず駿は目を開き、俺を見た。
そのあとすぐ、寫真に目を落とした。
「ごめん、ごめんなさい……」
「いや、いいよ」
俺は駿に近づき、腰をポンポンと叩いた。
駿を下から覗くと
「え……?」
駿が泣いていた。
「いや、泣かなくても……」
駿の持っている寫真立てに涙が落ちるくらい泣いていた。
俺は、一緒に同してくれて優しいなぁと最初は思ったがそれよりも移しすぎている駿に申し訳なくもし引いてしまった。同時に心になにか引っ掛かるものがあった。
なんだろう……この気持ち。
普通、ししか會ってない人の悲しい出來事をこんな涙が溢れるほど泣けるものか?
俺なら悲しいが、泣くまでは出來ない。
「あ、そうだ!前にアクセサリーのことすごく褒めてくれたじゃん?仕事部屋……までいかないけど々見せてあげるよ」
駿に気分転換をさせてあげようと話題を変えた。
「見たい」
急に笑顔になり寫真を棚に返してくれた。
そして一緒についてきた。
「あとさ、さっきから敬語ちょくちょく混ぜてくれてるけど、敬語いらないから」
「普通でいい?」
「うん」
「本當に友達みたい」
駿は嬉しそうに笑った。
後は野となれご令嬢!〜悪役令嬢である妹が婚約破棄されたとばっちりを受けて我が家が沒落したので、わたしは森でサバイバルすることにしました。〜
「すまん、我が家は沒落することになった」 父の衝撃的ひと言から、突然始まるサバイバル。 伯爵家の長女ヴェロニカの人生は順風満帆そのもの。大好きな婚約者もいて將來の幸せも約束された完璧なご令嬢だ。ただ一つの欠點、おかしな妹がいることを除けば……。 妹は小さい頃から自分を前世でプレイしていた乙女ゲームの悪役令嬢であるとの妄想に囚われていた。まるで本気にしていなかった家族であるが、ある日妹の婚約破棄をきっかけに沒落の道を進み始める。 そのとばっちりでヴェロニカも兵士たちに追われることになり、屋敷を出て安全な場所まで逃げようとしたところで、山中で追っ手の兵士に襲われてしまった。あわや慘殺、となるところを偶然通りかかった脫走兵を名乗る男、ロスに助けられる。 追っ手から逃げる中、互いに惹かれあっていく二人だが、ロスにはヴェロニカを愛してはいけない秘密があった。 道中は敵だらけ、生き延びる道はたった一つ。 森の中でサバイバル! 食料は現地調達……! 襲いくる大自然と敵の兵士たちから逃れながらも生き延び続ける! 信じられるのは、銃と己の強い心だけ! ロスから生き抜く術を全て學びとったヴェロニカは最強のサバイバル令嬢となっていく。やがて陰謀に気がついたヴェロニカは、ゲームのシナリオをぶっ壊し運命に逆らい、計略を暴き、失われたもの全てを取り戻すことを決意した。 片手には獲物を、片手には銃を持ち、撃って撃って擊ちまくる白煙漂う物語。 ※この物語を書く前に短編を書きました。相互に若干のネタバレを含みます。またいただいた感想にもネタバレがあるので読まれる際はご注意ください。 ※続編を別作品として投稿しておりましたが、本作品に合流させました。內容としては同じものになります。
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