《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達が守るよ ②

「なぁ、駿……」

「なに?」

「心配かけてごめんな」

病室にる前、車椅子を止め俺は駿を見上げた。

「俺、強くなるよ。駿が安心できる様に」

「律……ごめん。俺、すごい心配で。それが顔や行に出てたよな」

「ん……じゃ、ほら」

俺は駿の前に拳を突き出した。

「ほら、駿も出して。グータッチ」

「えー……恥ずかしいよ」

「なに言ってんの。頑張ろうっていう拳じゃん」

駿は腕で顔を隠し、視線を逸らして顔を赤らめた。

「あれー!もしかすると俺と一緒に頑張れない……とか?」

「律と頑張る!頑張るよ」

「はい、じゃどうぞ」

駿の顔に拳をできるだけ近づけた。

駿の視線が俺の拳に刺さる。

「仕方ないなぁ……」

といいながら、ニヤッて笑って。

嬉しそうにしてんじゃん。

俺にはわかるよ。

駿のこと、わかってるつもりだよ……。

駿のほうがし大きい拳。

中指がコツンとあたった。

一人じゃないよ、俺達。

いろんなを失くしてしまったけど、今からでもいいからまた新しいものを作っていこうよ。

俺は駿が家族の様に大切だよ。

「さ、仕事しよっかなぁ」

病室にり、ベッドに戻ると早速パソコンを開いた。

メールがズラりと並んでいる。

「律のアクセサリーは大人気だね。雑誌効果?」

「注文溜まってるだけなんだけどな。申し訳ない」

「じゃー俺が注文とか捌くよ。律は作ることに集中して」

「助かるー!さすが若いなぁ」

「そんな歳変わらないじゃん……」

俺は駿の目の前で手を合わせ、謝った。

駿はその手を見ながら苦笑いをしている。

正直注文を見て、作って、お禮のメール送って、商品の発送。このルーティンがまぁまぁめんどくさい。

それがしでも手間がなくなるなら、かなりありがたいことだ。

「律と出會った時、アクセサリー貰ったじゃん?あれ大好きでさ。アクセサリーなのに溫かみじるんだ。律の想いが沢山詰まってて本當に大好き」

「……ありがと」

アクセサリーを真剣に作る俺の顔を覗きこんで、ニヤニヤ笑った。

「あーれー?褒められるの慣れてない?」

「ヤメロ」

「りーつーくーん?」

人差し指を俺の頬に刺し、ドリルの様にグリグリ突いてくる。

絶対俺で遊んでる……!

「恥ずかしいです!やめてください!」

「やばいやばい!律が怒った!」

怒った……?

俺怒ってる……?

「え……?俺怒って、、る?」

「顔には出てないけど」

「なんだよ……俺また表増えたのかと思って嬉しかったのに……」

「……大丈夫だよ。しずつ律は喜怒哀楽が出てきてるよ。俺がずっと隣にいるからわかる」

……そういうことサラッと言えるのすげぇ羨ましい。

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