《親のり人形は自らその糸を切ろうとしている》俺達が守るよ ③

“ここからは、また一ノ瀬駿目線で話を進める”

俺は人から“”というものをけたことがなかった。だから初めて“好き”になった人が危険な目に遭うって知っていても俺はどう対応していいか、どう接していいかわからなかった。

生活上しでも俺の視界から律がいなくなったら、もしかすると一生視界に律がらなくなるかもしれない。

ありえない被害妄想を考えるようになった。

律が話さなくてもいい、表を出さなくていい。ただ俺のそばに君がいてくれるだけでいい。

そう思ってしまうようになった。

「……」

考えるのに集中しすぎて、パソコンの打つ手を止めた。

「どうした?わからないところある?」

ほら、止めただけで律が反応してくれる。

あいつらといた時は俺が何しようが反応はなかった。

「……目疲れちゃって」

「そうだよな。パソコンばっかりしてたら疲れるよな」

椅子の背もたれに重をかけ、天井を見た。

天井を見たらあの時の景が浮かび上がる。

姉さん達はどういてくるのだろう。

もしかすると魔の手がもうそこまで來てるかもしれない……。

律を守るのにも、確かに限度がある。

理由を話して、律にも危機を持って貰おうか……。

いや、律は優しい。逆に俺が危険な目に遭わないようにくかもしれない。

どうしたらいい……。

どうしたら……。

「なぁ、駿……」

「回診に來ました」

律がなにか言いかけたタイミングでドアが開く音が聞こえた。

俺も律もドアの方を見ると、笑顔でこっちにくる兄さんがいた。

「おや、病院で寢泊まりは疲れるのかい?」

俺の目の前で人差し指を近づけて、人差し指をぐるぐる回してきた。

俺はトンボじゃねぇの。

「白咲さんはどうですか?」

「だいぶ調はよくなりました」

「そうですか、それはよかった。ところで、駿は調が悪いのかい?」

兄さんが俺の顔を見ると、律も俺のほうを見た。一斉に視線が突き刺さり、両手を橫に振った。

「悪くないし!」

「なぁ、駿。今日、俺の家に泊まりに來ないか?せっかく兄弟再會したんだ。一度々話をしてみたいなって思ったんだけど」

突然の提案に俺は茫然とした。

兄弟の再會……俺を弟として見てくれてるってことか。

兄さんの言葉をもう一度自分の頭の中でリピートしたら嬉しくて恥ずかしくなった。

「いいじゃん、駿。行ってきなよ」

律は俺の手首を握り、揺さぶった。

「でも、律が……」

「そんなく考えんなって。今日一日だけだし、ここは大きな病院だ。なにかあれば対処はしてくれるよ」

「……」

言われなくてもわかってる。

でも俺は姉さんから言われた言葉が頭から離れなくて、後悔したくなくて。

頭をなかなか縦に振ることができなかった。

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